バイキングス戦で好スタートも敗戦を喫したベアーズQBウィリアムズ、「成長し続ける」
2025年09月10日(水) 12:34
開幕戦の序盤でクオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズとシカゴ・ベアーズは無敵のように見えた。
しかしながら、ホームスタジアムで華々しく幕を開けたベアーズのサーカスは、突如として床が抜け落ちたかのように崩れていった。チームは現地8日(月)夜に行われたミネソタ・バイキングスとの試合を27対24で落としている。
ウィリアムズはベアーズの最初の攻撃ドライブを完璧にまとめ、6回のパスをすべて成功させたうえで、最後の10プレー目は自身の9ヤードランでタッチダウンに持ち込んだ。今季初のウィリアムズのパフォーマンスには、その持ち味がすべて詰まっていた。キレのある正確なスロー、ワイドレシーバー(WR)ローム・オドゥンゼへの魅せるロールアウトパス、窮地からの冷静なスクランブル、4回のファーストダウン獲得、2回のサードダウンコンバージョン、そしてキャリア初となるオープニングドライブでのタッチダウン。
ところが、そこから歯車が狂い始めた。
それ以降、ベアーズが前半で獲得したファーストダウンはわずか4回。後半に入ると状況はさらに悪化し、ディフェンスがクオーターバックのJ.J.マッカーシーを封じ込めていたにもかかわらず、ウィリアムズ率いるオフェンスは好機を生かすことができなかった。やがてバイキングスが勢いに乗る一方で、ベアーズのオフェンスは泥沼にはまり続けた。第4クオーター序盤に17対6とリードしていたが、残り2分59秒の時点で27対17と逆転を許す展開となった。
チームの公式サイトによれば、ウィリアムズは「自分たちが試合を支配していると感じていた。2回目の得点までは完全に主導権を握っていた。そういうメンタリティこそが俺たちのスタイルであり、常に口にしてきたことだ。だけど、今日はそれを体現することができなかった」と語ったという。
試合が進むにつれてリードが縮まっていく中、ウィリアムズは焦りを見せ始めた。2年目のクオーターバックは徐々に精度を欠き、ポケット内で余裕がある場面でも高く浮いたパスを繰り返すようになった。その不正確なパスのいくつかは、思わず顔をしかめるような内容だった。特に、逆転を狙う終盤の場面で、完全にフリーになっていたコーナーバック(CB)D.J.ムーアへの決定的なタッチダウンパスを決められなかったのは痛恨だった。
ヘッドコーチ(HC)ベン・ジョンソンとウィリアムズという新たなコンビほど、チームの新時代に期待が寄せられたことはなかったかもしれない。第1クオーターの出来だけを見れば、両者の相性は完璧に思えた。ところが、ひとたび流れが狂い始めると、ヘッドコーチもクオーターバックもその場で軌道修正することはできなかった。
「立ち上がりは本当によかったと思う」とジョンソンHCはウィリアムズについて語った。
「今は何とも言えない。どの辺りからパスがつながらなくなったのか、あとで映像を見返して確認しないと分からない。ただ、流れが少し止まってしまった感じは確かにあった。(守備コーディネーター/DC)ブライアン・フローレスとバイキングスのディフェンスが、こちらにうまく対応してきたとも言えるだろう。向こうの守りが固くなったのは間違いない」
ウィリアムズは1試合でシーズンが決まるわけではないと語り、ジョンソンHCのシステムの中で手応えは感じていると強調した。
「いい部分はたくさんあったと思う」とウィリアムズは述べている。
「コミュニケーションは取れていた。彼はプレーコールを素早く送ってくれていた。ハドルを早く終わらせることや、ラインに素早く並んでチェックを入れること。そこはもっと良くしていかなければならない。これは成長のプロセスだと思っている。ここからもっと伸びていく。これはあくまでスタートであって、決して終わりじゃない。俺たちはこれからも成長し続ける。このオフェンスに対しても、チームや勝利に対しても、俺は彼と一緒に情熱を持ち続けていく」
ウィリアムズは35回中21回(60%)のパスを成功させて210ヤード、タッチダウン1回を記録し、パサーレーティングは86.6となった。さらに、ランでも6回のアテンプトでチーム最多となる58ヤードを稼ぎ、タッチダウンも挙げている。
後半に入ると、再編成されたオフェンシブラインが徐々にほころび始め、バイキングスの強力なディフェンシブラインがウィリアムズへのプレッシャーを強めていった。サックは2回にとどまったものの、明らかに圧力が影響を及ぼし、パスの精度が乱れる場面が目立った。
ベアーズが地区ライバルを相手に2連敗を回避するためには、クオーターバックと初采配のヘッドコーチの双方において、修正すべき課題が山積している。次戦は日曜日に行われる、開幕戦黒星スタートのデトロイト・ライオンズとの対戦が控えている。
「第1週を迎えるにあたって、ミスの少ないチームが勝つと話していた。残念ながら、今回はその逆の立場になってしまった」とジョンソンHCは振り返る。
「自分自身も含めて、試合終盤にかけてミスがあまりにも多すぎた。自分がもっと良くできたこともたくさんあるし、選手たちにも改善の余地があったプレーは数えきれない。スタッツシートを見てペナルティが12回もあるようでは、すぐにでも修正しなければならない。だが、それはトレーニングキャンプの頃からずっと言い続けてきたことでもある。何とかして改善していくつもりだ。これはチーム全体で取り組む問題であって、誰かを責めるつもりはない」
ベアーズは2023年以降、第4クオーターで10点以上のリードを守れずに敗れた試合が4度あり、これは同期間中のNFL最多となっている。
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