DEパーソンズの活躍で好調なパッカーズを認めつつもトレードは妥当だったとカウボーイズオーナー
2025年09月13日(土) 11:44
2025年シーズンは第2週に突入したが、ダラス・カウボーイズはディフェンシブエンド(DE)マイカ・パーソンズをトレードした決定について今もなお多くの質問を受けている。
パーソンズの新天地であるグリーンベイ・パッカーズがこの2週間で圧倒的な守備力を発揮して注目を集めていることも、カウボーイズにさらなる追い打ちをかけている。しかし、カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズはパーソンズをトレードする決定は正しかったと今もなお確信している。
現地12日(金)、ジョーンズは『105.3 The Fan(105.3ザ・ファン)』で「カウボーイズ以外の30チームもマイカ抜きで戦っている」と語った。
「ディオン・サンダースだろうと、過去の別の選手だろうと、特定の選手に依存しない守備戦術やスキームは存在する。多くのチームが、ディオン・サンダースがフィールドにいない状態で勝利を重ねてきた。どうやってそうしたのか? 要するに、このゲームをプレーするには最低でも40人以上の選手が必要だということだ」
ジョーンズは過去にも1人の選手を手放して複数の若手選手を獲得したことがある。ジョーンズが元ランニングバック(RB)ハーシェル・ウォーカーをミネソタ・バイキングスにトレードすることで得た複数のドラフト指名権を活用してロースターを再構築し、1990年代に3度のスーパーボウル制覇を果たすチームへと変貌させたことは有名な話だ。
それから30年が経った今も、カウボーイズは当時の成功によって生まれた勢いに乗っている。しかし、パーソンズのトレードは事情が異なる。ジョーンズは市場相場に見合った報酬を支払う代わりに自ら進んでエリート守備選手を手放したからだ。その後、ジョーンズはそのトレードを、今すぐ勝つ可能性を高めるために行ったものだと主張している。
「私は分配だと考えている。ここではさらに細かく分配する形だ」とジョーンズは説明し、次のように続けた。
「ハーシェル・ウォーカーのときとは違う。あれはドラフト指名権を獲得するのが主な目的で、要するに別の機会に戦えるようにするという認識に基づいていた。今回はそうじゃない。今回のは非常に意識的に行ったトレードで、1人の選手と引き換えに3人から6人の選手を獲得するためのものだった」
「どちらが有利になるか? 1人の選手か? 確かに彼は素晴らしい選手だ。だが、うちには実際、1人(ケニー・クラーク)いるわけだ。もちろん、“でも彼はマイカじゃない”と言う人もいるだろう。それについて議論するつもりはまったくない。マイカはものすごく特別な選手だからね。しかし、今言えるのは、このトレードが実行された時点、そしてダック(プレスコット、クオーターバック/QB)の将来を見据えて契約を結んだ時点で、この方法がダックにとってスーパーボウル制覇の可能性を最大化する最良の手段だったということだ」
カウボーイズは2025年にまだ1試合しか戦っていないが、プレスコットを中心とした真に競争力のあるオフェンスを備えており、多彩なプレーコールを取り入れ、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区制覇を狙えるだけのプレーメーカーをそろえていることを示した。しかし、ディフェンスについては同じことが言えず、パーソンズのトレードの重大性が浮き彫りになっている。
その一方で、パーソンズはバランスが取れ、攻撃的で創造性あふれるパッカーズのディフェンスで輝きを放っている。開幕からの2試合で、パッカーズ守備陣はいずれも昨季のプレーオフで健闘したNFCのオフェンスを封じ込めた。
その違いは鮮明だ。しかし、ジョーンズによれば、パーソンズのトレードはサラリーキャップ時代において避けられないことでもあったという。
「あの地位やキャラクターを備えた選手が、その魅力という観点でチームにもたらす影響を考えると、誰もがたった1人で完全にディフェンスを形づくれる存在を求めるものだ。誰もがそんな選手を欲しがる」とジョーンズは述べた。
「私たちは彼を4年間擁してきた。その4年間でどうなったかはご存じだろう。要するに、1人の選手だけでは何も成し遂げられないということだ」
「1人でそこまで大きな違いを生み出せるのは、ほとんどクオーターバックくらいだ。それ以外については、1億ドルや2億ドルを複数の選手やポジションに分配することを真剣に考えなければならない。私がやったのはまさにそれだ」
ジョーンズはギャンブラー気質のビジネスマンとして広く知られている。1990年代のカウボーイズを題材にした『Netflix(ネットフリックス)』の新ドキュメンタリーでも“ギャンブラー”と紹介されているほどだ。そして、ジョーンズは最新の賭けが実ることを期待している。2025年シーズンはまだ始まったばかりだ。カウボーイズには次に挑むホームでのニューヨーク・ジャイアンツ戦をはじめとし、多くの試合が控えている。
しかし、パッカーズが現在のレベルを維持すれば、ジョーンズはパッカーズファンや他の人々からトレードの話を聞かされ、質問を受け続けることになるだろう。カウボーイズが少しでも苦戦すれば、なおさらそうなるはずだ。
「彼らの戦いぶり、パッカーズのプレーぶりを見ると、ファンが好きなように楽しんだり、チャントを送ったりするのには大賛成だ。納得している」と述べたジョーンズはこう続けている。
「トップ選手を手放したときに、相手チームのファンからそういう反応を受けることは何も驚くべきことじゃない。もちろん、うちのファンも大体同じだろう」
「こうなることは分かっていた。トレーニングキャンプに入ったその日から、トレードが成立したらこうなるはずだと分かっていた」
【RA】