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レイブンズで本領を発揮し、ハーボーHCとQBジャクソンを感心させるWRホプキンス

2025年09月19日(金) 09:43

ボルティモア・レイブンズのディアンドレ・ホプキンス【Michael Owens via AP】

この10年間NFLを見てきた人であれば、ワイドレシーバー(WR)ディアンドレ・ホプキンスの実力はよくご存じだろう。

ボルティモア・レイブンズは実戦を通じてその実力を知る過程を楽しんでいる。

『The Baltimore Sun(ザ・ボルティモア・サン)』によると、ヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは現地15日(月)に「面白いことに、今日の早朝に映像を見ていて、若手のコーナー(バック)がディアンドレを精一杯カバーしていると思ったんだ」と述べ、こう続けたという。

「これ以上ないほどうまくマークしていたのに、ラマー(ジャクソン、クオーターバック/QB)が絶好の位置にボールを投げ、ディアンドレが素晴らしいキャッチを決めた。なぜ彼はあれほど優れているのか。それは神に聞くしかない。彼は才能を与えられ、プレーするのが本当に上手いんだ」

ホプキンスの持ち味は目を見張るほど素晴らしいキャッチ能力であり、それはどのチームに所属していても変わらない。ヒューストン・テキサンズ、アリゾナ・カーディナルス、テネシー・タイタンズと、すべての所属先でその実力を披露してきたホプキンスは、レイブンズでの2週間でもそのスタイルを維持している。

シーズン第1週にバッファロー・ビルズ戦で決めた片手でのタッチダウンキャッチや、シーズン第2週のクリーブランド・ブラウンズ戦での2本のロングキャッチ――そのうち1本はタッチダウンにつながり、もう1本はエンドゾーンまであと1ヤードのところまで迫った――を見れば分かる。いずれも、NFLの高速かつ混沌とした試合の中で、手と目をうまく連動させて決めた素晴らしいキャッチだった。

ホプキンスにとってはどのプレーも同じことのようで、次のように語っている。

「技術的なプロセスじゃなくて、しばらくやってきたことで身についた筋肉の記憶だ。何とかしてプレーを決めようとしているだけだ」

一般的なNFLファン、特にタイタンズやカンザスシティ・チーフスで過ごしていた直近2シーズンのホプキンスしか知らないファンは、レイブンズとの契約にあまり注目していなかったかもしれない。しかし、テキサンズでの3度のオールプロ選出や、カーディナルスでの伝説的なヘイルメリーキャッチなど、ホプキンスの全盛期のレシーブ技術をよく覚えている人であれば、彼が長年にわたって試合を変える力を持ち続けてきたことを知っているはずだ。

それを踏まえると、ホプキンスの加入は非常に大きな意味を持つ。特に、昨季に試合平均ヤードでリーグトップに立ったレイブンズ攻撃陣にとってはなおさらだ。

レイブンズの司令塔はこれまでの2週間で、ホプキンスがオフェンスにとってどれほど貴重な存在かを実感している。

ジャクソンは今週、ホプキンスについて「カバーされてもプレーを決められる選手? うちにもそういう選手はいると思うけど、彼は別格だ。ベテランで、コーナーバック相手のあらゆる状況を経験してきた。手も大きいし、片手でも2本の指でも関係なくボールをキャッチできるんだ」と語った。

ホプキンスの希少なスキルは、ビルズ戦で決めた最初のタッチダウンキャッチや、ブラウンズ戦でチームを敵陣1ヤード地点まで導くロングパスをキャッチした際に存分に発揮されていた。ターゲット数自体は多くなく、2試合の通算記録はターゲット4回、キャッチ4回、99ヤードとなっているが、それでもホプキンスは十分に存在感を示している。

レイブンズ(1勝1敗)は今、ホプキンスがどのような選手かを理解している。ホプキンスはディフェンスがボックスに集中して守りを固めた場合に、その代償を支払わせることができ、一度にビッグゲインを狙える選手だ。それは、レイブンズがNFL屈指のオフェンスを誇る理由の1つにもなっている。

ホプキンスが強豪チームで活躍する力を失ったと思っていた人たちには、ジャクソンからシンプルなメッセージがある。

「彼のキャリア全体を見てきた」と語ったジャクソンはこう続けた。

「自分がリーグ入りする前から“D-Hop(ホプキンスの愛称)”が素晴らしいキャッチを決めるのを見てきたし、他のチームにいたときも同じだ。“ピークを過ぎた”とかそういうふうに言う人もいたみたいだけど、彼はそんなことないと証明している」

ホプキンスとジャクソンを筆頭とするレイブンズは現地22日(月)アメリカ東部時間20時15分【日本時間23日(火)9時15分】にデトロイト・ライオンズ(1勝1敗)を迎え撃つ予定だ。

【RA】