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チャージャーズ戦ではQBダートをはじめとするジャイアンツの新人選手が活躍

2025年09月30日(火) 11:50

ニューヨーク・ジャイアンツのジャクソン・ダート【AP Photo/Yuki Iwamura】

ニューヨーク・ジャイアンツがそれまで無敗だったロサンゼルス・チャージャーズを21対18で下す番狂わせの勝利を収めた後、新人ラインバッカー(LB)アブドゥル・カーターはロッカールームで四角いワンレンズ型サングラスをかけながら、ジャイアンツファンの誰もが思わず言いたくなる言葉を口にした。

「未来は今だ」とカーターは話している。

ジャイアンツの若手選手たちは、カーターが室内用サングラスをかけるに値するほどチームの未来が明るくなり得る理由を示した。

初めて先発した試合で素晴らしいプレーを披露した新人クオーターバック(QB)ジャクソン・ダートは、強力なチャージャーズ守備陣を相手にパスとランの両方で攻撃を進め、チームを苦しめてきた致命的なミスも回避した。

チーム公式サイトによると、ダートは「最初に勝利を挙げられたのは特別だった。これはまだ始まりに過ぎない」と語ったという。

先発として華々しいスタートを切ったダートは、プレー9回、89ヤードのオープニングドライブを15ヤードのタッチダウンランで締めくくった。キャリア初先発のQBが最初のポゼッションで80ヤード以上のタッチダウンドライブをけん引するというのは、パトリック・マホームズが成し遂げて以来の快挙だった。ジャイアンツはこのリードを最後まで守り抜いて勝利している。

ダートのパス成績は20回中13回成功で111ヤード、タッチダウン1回と目を見張るものではなく、5回のサックも喫したが、そのいくつかは単に経験不足によるものだった。ラインシフト後にフリーのラッシャーの位置を把握できなかったことなどが原因となっていたが、それは修正可能なミスだと言える。ダートは致命的なターンオーバーを回避しつつ、ボールを素早く投げていた。

前の3試合でプレッシャーを受けた際に身を縮めていたラッセル・ウィルソンとは対照的に、ダートはパスラッシュをうまく回避。動きながらプレーを生み出す能力を発揮し、ジャイアンツ攻撃陣に新鮮な要素をもたらした。さらに、キャリー10回で54ヤード、タッチダウンラン1回を記録し、そのランで5回ファーストダウンを獲得したことはさらに重要だと言える。

たった1試合に過ぎないが、そのパフォーマンスはダートの潜在能力と、ジャイアンツがトレードアップして1巡目で未知数のダートを指名した理由を示すものだった。経験を積めば、ダートはダイナミックな選手に成長するだろう。場合によっては、ヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールの首を救うことにもなるかもしれない。

「ダブス(ダボール)とは特別な関係だ。彼は最初から俺を信じてくれた人だ」と語ったダートはこう続けた。

「彼があの決断を下して、俺を信じてくれたこと自体に大きな意味があると思う。サードダウンの局面でボールを託してプレーを任せようとしてくれたことだけでもね。自分の背中を押してくれるコーチがいると分かっていると、フィールドに出て、勝つためにできることを何でもやろうと思えるものだ」

他チームがダートの映像をもっと分析すれば、日曜日のように順調に進む状況ばかりではなくなるかもしれないが、ダートの潜在能力は明らかだと言えよう。

「うちの新人クオーターバックを大いに信頼している」と述べたダボールHCは「だが、彼は新人クオーターバックだから、ミスは出てくるだろう。それは分かっている。来週にはもっと出てくるだろうし、今週もいくつかあった。完璧にはいかないものだ」と続けている。

日曜日に活躍した新人選手はダートだけではない。カーターはチーム最多となる8回のQBプレッシャーを記録。サックは決められなかったものの、何度も相手を抑えてQBジャスティン・ハーバートに圧力をかけ、チャージャーズのオフェンスを絶えずかき乱した。さらに、ランニングバック(RB)キャム・スカッテボもキャリー25回で79ヤードを稼ぐ活躍を見せ、ジャイアンツの若手選手にとっては素晴らしい1日となった。

若手選手たちが日曜日に見せたような活躍を続ければ、ジャイアンツでは多くの選手やコーチの立場が守られるかもしれない。

【RA】