イーグルスが攻撃の要と位置付けるWRブラウンの放出を全面否定
2025年10月06日(月) 11:39
フィラデルフィア・イーグルスのスターワイドレシーバー(WR)A.J.ブラウンは、開幕から4試合を通して必ずしも攻撃の中心ではないにもかかわらず、先週もメディアの注目を集め続けた。
現地1日(水)、ブラウンはロッカールームで記者団の取材に応じ、タンパベイ・バッカニアーズに勝利したシーズン第4週の試合後に投稿した意味深なSNSメッセージについて説明し、「ボールを欲しがることは悪いことではないと思う」と語った。
ブラウンの不満と同様に、イーグルスの対応にも注目が集まっている。
オフシーズン中に複数のチームがブラウンのトレードについて問い合わせたが、イーグルスは毎回「あり得ない」と返答したという。さらに、11月4日(火)のトレード期限が迫る中でも、トレードの可能性は極めて低いと関係者は語っている。
これまでのブラウンの高い基準から見れば、今季は低調な滑り出しだ。4試合でレシーブ14回、151ヤードと伸び悩み、1キャッチ平均10.8ヤードとキャリア最低の数字を記録している。
それでもブラウンは、オフェンスにもっと絡みたいという思いは、数字や個人の成績が目的ではないと強調する。
「ターゲット数を増やしたいとか、数字を残したいとかじゃない」とブラウンは水曜日に述べている。
「目の前でチームが苦しんでいて、うまく攻められていない時こそボールを持ちたい。試合が懸かっている場面では、俺にボールを託してほしい」
その姿勢はシーズン第3週のロサンゼルス・ラムズ戦でも表れていた。26対7とリードされた場面で、クオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツはこれまでなら投げなかったリスクの高いパスをブラウンに投じた。これが成功して流れを変え、他のターゲットへの展開が生まれ、タイトエンド(TE)ダラス・ゴーダートへのタッチダウンパスにもつながった。
一方、第4週のバッカニアーズ戦では、リードを守るためにハーツが後半でリスクを抑える戦いを選択した。
ブラウンのフラストレーションが話題になるのは今回が初めてではない。2024年にも同様の状況があり、スーパーボウル進出前に注目を浴びていた。
今週、ブラウンはロッカー前での取材中にイーグルスに残りたいかと問われると、「もちろんだ」と即答した。
関係者によると、仮にトレードとなれば、ラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズ級の対価が必要になるだろうという。
「ここは俺の居場所だ。自分の行動の結果だけど、ここは俺の居場所なんだ。ここが大好きだ。チームとしても個人としても偉大になりたいと思うからこそ、いら立つこともある」とブラウンは続けた。
ブラウンは2024年のNFLドラフト前にイーグルスと3年総額9,600万ドル(約143億8,368万円)で再契約を結び、当時ワイドレシーバーとしてNFL最高額の契約を手にしていた。
現スーパーボウル王者のイーグルスは、直近21試合で20勝を挙げてもなお、さらなる高みを目指している。4勝0敗という結果ながら、攻撃の不安定さには厳しい視線も向けられている。
攻撃コーディネーター(OC)ケビン・パトゥーロが新たな役割に慣れつつある中、ブラウンがハムストリングの負傷によりトレーニングキャンプの大部分を欠席したこともあり、攻撃陣はまだ噛み合っていない。それでも、昨季も同様に立ち上がりに時間を要したが、最終的には機能した。
イーグルスはこのフラストレーションを、勝利のために最善を尽くそうとする競争心の表れと捉えており、この姿勢こそが過去3シーズンで2度のスーパーボウル進出を支えた。
そしてチームは、もし3度目の大舞台を目指すなら、ブラウンがその中心になると確信している。
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