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ブロンコスHCショーン・ペイトンがビル・パーセルズの勝利数を上回る

2025年10月06日(月) 14:32

デンバー・ブロンコスのヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンとビル・パーセルズ【NFL】

師であり友人でもあるビル・パーセルズのNFLキャリア通算勝利数を追い抜いたショーン・ペイトンの手には、ゲームボールと、語るべき物語があった。いずれもスーパーボウル王者に輝いたことのある2人は、最近顔を合わせ、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区の各チームを相手に厳しい道を歩むことについて、話に花を咲かせていた。

デンバー・ブロンコスが、そんなペイトンヘッドコーチ(HC)に新たな話題を提供している。

第4クオーターの3つのポゼッションで、3回のスコアリングドライブを率いたのがクオーターバック(QB)ボー・ニックス。ランニングバック(RB)J.K.ドビンスが2ヤードを走って得点を挙げ、ブロンコスは14ポイント差をひっくり返して21対17でフィラデルフィア・イーグルスに今季最初の黒星をつけた。

「こういう瞬間を忘れることはないだろう。究極的にはこういうことのためにやっている。思い出を作るためにね」とペイトンHCは語っている。

ブロンコスは最後の望みをかけたイーグルスのQBジェイレン・ハーツのパスをはばみ、昨年度のスーパーボウル王者に過去22試合でわずか2度目の敗北を味わわせている。

ニックスは「たった1回のドライブがあればいいって感じだったんだ。とにかくフィールドを進んで、一つ一つのプレーを決め、ドライブをまとめようって」とコメント。

ニックスは第4クオーターのラリーの中で、それを何度か成し遂げた。おかげで、ペイトンHCは173勝目を挙げてパーセルズの勝利数を追い抜いている。イーグルスが大きく崩れたラスト15分で、ニックスはパス10回中9回成功、126ヤードをマークし、エバン・エングラムに驚きの11ヤードのタッチダウンパスを通した。

「スーパーボウルで勝ったばかりのチームだぞ。いい勝利だ」とペイトンHCは言う。

ブロンコスのオーナー兼CEOであるグレッグ・ペナ―は、コーチとして一つの偉業を達成したペイトンHCにゲームボールを手渡した。

ブロンコス(3勝2敗)は終盤のイーグルスによる第4ダウンのコンバージョンが、ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーに対するイリーガルシフトのペナルティによって取り消されたことで、大きなチャンスをつかんだ。イーグルス(4勝1敗)はこれにより、パントを強いられている。

ハーツが29ヤード地点からの第2ダウン残り10ヤードで放った最後の希望は、時間切れになると同時に弾かれ、喜びに湧くブロンコスの面々はまさかの勝利を手にロッカールームへと向かった。ニックスはビジター側のトンネル付近にいた、オレンジ色のブロンコスファンたちに向けて手を降っている。

ニックスは242ヤードを投げており――1週間前にはシンシナティ・ベンガルズ戦でキャリアハイの326ヤードとタッチダウン2回をマーク――、ブロンコスのラン主軸のオフェンスと圧倒的なディフェンスが、第4クオーターになって生かされている。

ブロンコスはニックスが攻撃陣をうまく動かすようになる前、第3クオーター終了時点でわずか199ヤードの獲得にとどまり、17対3で相手を追いかけている状態だった。第4クオーターに入り、ベンガルズ戦で101ランヤードを記録していたドビンスが79ヤードを走り、あらに2ヤードのタッチダウンランで17対10としている。

ブロンコスが再びボールを持つと、ニックスがワイドレシーバー(WR)コートランド・サットンに34ヤードの重要なパスを決めた。ニックスはさらに、エングラムに11ヤードのタッチダウンパスを通している。

ペイトンHCが賭けに出た2ポイントコンバージョンは成功し、残り時間7分36秒の段階でブロンコスが18対17でリード。

そのプレーはフィラデルフィアの観客を驚かせ、沈黙させている。前夜にはMLBのフィラデルフィア・フィリーズがロサンゼルス・ドジャースに3ランでリードを返されており、地元の観客にとっては歓迎せざる事態の再現だった。

とは言え、彼らはイーグルスだ。簡単に10連勝を明け渡すことはなかった。

イーグルス側49ヤードからの第4ダウン残り4ヤードの地点で、ハーツはWRデボンタ・スミスにロングパスを決め、これで第1ダウンが取れたはずだった。しかし、バークリーに投げられたフラッグが、すべてを帳消しにしてしまう。スミスはこの試合でキャッチ8回、114レシービングヤードを記録している。

「俺たちは足並みをそろえなきゃならないし、それを続ける必要がある」とスミスは話した。

ハーツは280パスヤードを記録。第2クオーターにタイトエンド(TE)ダラス・ゴーダートへの2ヤードのタッチダウンパスと、第3クオーターにバークリーへの47ヤードのパスを投じ、17対10のリードを築いていた。

だが、イーグルスもそこまでだった。ブロンコスのキッカー(K)ウィル・ルッツが残り1分11秒で26ヤードのフィールドゴールを決め、21対17としている。ペイトンHCはこう語った。

「これだけの好機がある試合をプレーすることはなかなかない。これは抑えておいてほしいんだが、リスクもあった。しかし、自分たちが何になるかという部分では、好機がたくさんあった。これはそういった試合の1つだ。彼らは自信を持ったと思う。終わった後で彼らに聞いたんだ。“何を恐れる?”とね」

それはもちろん、イーグルスではないだろう。

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