MVP候補説や自身に対する評価の変化を軽く受け流すバッカニアーズQBメイフィールド
2025年10月10日(金) 09:12
オクラホマ大学の旗をオハイオ・スタジアムの中央に立てたあの日以来、ベイカー・メイフィールドは自信満々、もっと言えば自信過剰なクオーターバック(QB)として知られるようになった。
しかし、最近ではその見方が変わりつつあるようだ。メイフィールドはシーズン開幕から5週にわたって素晴らしい活躍を見せ、タンパベイ・バッカニアーズを4勝1敗の好スタートに導いてきた。それにより、メイフィールドはシーズン序盤にMVP候補として名乗りを挙げている。
熱心な批評家たちの怒りを買うどころか、今では多くのフットボールファンがメイフィールドを好意的に見るようになっている。ただ、メイフィールド本人にそれを言っても無駄だ。
『ESPN』によると、メイフィールドは現地8日(水)に「キャリアの初期には自信過剰だとか未熟だとか言われていた。今は度胸がある、根性があるって言われる」と語り、こう続けたという。
「同じことさ、言い方が違うだけ。良いプレーをすれば評価が変わる。ただ自分らしくいないといけない。俺はずっとそうしてきた」
メイフィールドの好調ぶりは疑いようがない。10対1という見事なタッチダウン対インターセプト比率を誇り、NFLで8回以上のタッチダウンパスを記録してインターセプトを2回以下に抑えている数少ないクオーターバックの1人となっている。先日のシアトル・シーホークス戦ではシーズン最高のパフォーマンスを見せ、パス成功率87.9%、379ヤード、タッチダウン2回を記録。この見どころ満載の試合は、メイフィールドがここまでいかに卓越したプレーを見せてきたかを広く観客に認識させ、メイフィールドがMVPの最有力候補としてうわさされるきっかけとなった。
「今言われていることは、このオフェンスとチーム全体の成果の証だ」とメイフィールドは話している。
「個人への称賛や評価は1人で得られるものじゃない。これが最高のチームスポーツである理由だ。だから俺は常にそれを心にとめ、隣にいる仲間たちなしでは成し遂げられないことだと自分に言い聞かせている」
メイフィールドの言う通りだ。バッカニアーズはシーズン第5週を終えた時点で正当な優勝候補となっている。シーズン終了時に賞を獲得する有力候補はメイフィールドだけではなく、新人ワイドレシーバー(WR)エメカ・エブカもオフェンス部門年間最優秀新人賞の最有力候補とみなされている。
爆発的なオフェンスと好機を逃さないディフェンスを誇り、手に汗握る展開を生み出すチームとして自分たちのブランドを確立したバッカニアーズは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区でしっかりと首位に立ち、NFCタイトル争いに向けて存在感を示してきた。その間、チームもメイフィールドが10年にわたって示してきたのと同じ、少し挑戦的な姿勢を見せている。
メイフィールドの姿を見て、怒りながらプレーしていると感じる人もいるかもしれない。しかし、本人はそれを単なる競争心の表れだと考えている。日曜日にルーメン・フィールドで熱戦を繰り広げる前後、メイフィールドとの交流を試みた挑発的なシーホークスファンは、メイフィールドの勝負心あふれる様子を捉えていた。
最高のパフォーマンスを発揮するために怒る必要があるかと質問されたメイフィールドは「いや、そんなことはない。単にコンペティターとして楽しんでいるだけだし、チーム全体もそういう感じだと思う」と答えている。
いずれにせよ、バッカニアーズは何かを変えるべきではない。4勝1敗のバッカニアーズは独自の成功の秘訣を見出し、同じく4勝1敗のサンフランシスコ・49ersを迎え撃つ日曜日の試合でも、今の勢いを維持して勝利を収めたいと考えている。
【RA】