ニュース

ライオンズHC、ブライアン・ブランチの「行為は許されない」とコメント

2025年10月14日(火) 08:30

デトロイト・ライオンズのブライアン・ブランチとカンザスシティ・チーフスのジュジュ・スミス・シュスター【AP Photo/Ed Zurga】

デトロイト・ライオンズのセーフティ(S)ブランチ・ブランチは現地12日(日)、カンザスシティ・チーフスに敗れた試合後にぼっ発した騒動の中心人物だった。

ブランチは試合終了のニーダウン後、チーフスのワイドレシーバー(WR)ジュジュ・スミス・シュスターに平手で殴りかかったのだ。スミス・シュスターはこの一撃で地面に倒れた後、ブランチを追いかけるも、フェイスマスクをつかまれて再び地面に投げつけられてしまった。これを受けて両チームの選手たちが入り乱れた乱闘騒ぎへと発展。

ライオンズのダン・キャンベルHC(ヘッドコーチ)は試合後、自発的にブランチの行動について警告し、次のように述べている。

「まず、この件から話させてほしい。私はブライアン・ブランチを高く評価しているが、彼の行為は許されないものであり、ここでは容認されない。あれはわれわれのやり方でもないし、われわれの姿勢でもない。(チーフスのアンディ)リードコーチとシュスターに謝罪した。あれは良くない。あんなことをするためにいるわけではないし、これからも同様だ。それは彼も分かっているし、チームも分かっている。われわれがやっているのはそういうことではない」

23歳のブランチはロッカールームで報道陣に対応する中で今回の一件を謝罪したものの、自らの行為を擁護してもいる。

『The Athletic(ジ・アスレチック)』が報じたところによれば、ブランチは「本当に子供じみたことをやったと思う。プレーの合間にいろんなことをやっている人がいるのに、それをレフェリーが見ていないことにもうんざりしている。あいつらは俺をいじめようとしていたんだ。それでも、あんなことはするべきじゃなかったし、子供じみていたと思う」とコメントしたという。

また、ブランチはスミス・シュスターとの乱闘の原因について、試合終盤のプレーでスミス・シュスターが背後からブロックしてきたことにあると説明。

「背中からルール違反のブロックを受けたんだ。しかも、レフェリーの眼の前だったのに、レフェリーは何も対応しなかった。そういうことが積み重なっただけ。あのブロックで自分がケガする可能性があった。それでも、あれはやるべきじゃなかった」

サンデーナイトフットボールの正式なラストプレーはチーフスのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズのニーダウンだ。マホームズが膝をついた後、チーフスの勝利フォーメーションで外側の右端にいたブランチは、まっすぐスミス・シュスターに向かっていくように見えた。アイゼア・パチェコやマホームズの握手の要請も無視している。一方、セーフティバルブとしてマホームズの後方に配置されていたスミス・シュスターは、両腕を高く突き上げたあと、ブランチに握手を求めたところ、平手打ちが返ってきたのだ。

スミス・シュスターはよろめきながら地面に倒れ、立ち上がると、パチェコに抑えられていたブランチを追いかけたが、ブランチは突進してきたスミス・シュスターのフェイスマスクをつかみ、地面にたたきつけた。両者とも地面に転がり、乱闘現場には選手たちが群がっていった。

ほどなくして『NBC』のインタビューを受けたマホームズが「俺たちはホイッスルとホイッスルの間でプレーするだけ。相手は好きなだけ場外でやりたいことをやればいい。俺たちはホイッスルの間だけプレーする」と話している。

アラバマ大学出身のブランチは2023年NFLドラフト2巡目の指名でプロキャリアをスタートし、今年がNFL3年目だ。シーズン第6週の試合ではタックル7回を記録し、今季6試合で合計33回のタックルをマークしている。

とはいえ、ブランチは物議を醸すプレーの常習者と言え、昨季は7回の罰金処分を受けたほか、今季もすでに3回の処分を言い渡されている。2025年シーズンはアンスポーツマンライクコンダクト(シーズン第1週グリーンベイ・パッカーズ戦)と不必要なレフプレー2件(同じくパッカーズ戦での挑発行為、およびシーズン第3週ボルティモア・レイブンズ戦でのローブロック)で合計3万4,784ドル(約530万円)の罰金を科された。

今回の行為により、ブランチは少なくとも新たな罰金処分、場合によっては出場停止処分を受ける可能性がある。

ブランチはこうも話している。

「いろんなことがあったけど、試合終了後ではなく、ホイッスルの間(試合中)に示すべきだった。それについては謝罪する」

【C】