41歳のスティーラーズQBロジャースが40歳のベンガルズQBフラッコと対戦、「ベテラン勢にとっては最高だ」
2025年10月15日(水) 12:13
現実の社会では、40歳や41歳は決して年寄りではない。
だが、NFLの世界では超ベテランと言っていい年齢だ。
現地16日(木)夜に行われるピッツバーグ・スティーラーズ対シンシナティ・ベンガルズ戦では、アーロン・ロジャースとジョー・フラッコという2人のベテランクオーターバック(QB)がフィールドに立ち、若者たちを相手に激突する。
「ベテラン勢にとっては素晴らしいことだと思う」とロジャースは火曜日に『Steelers.com』のジム・ウェクセルに語った。
「もしかしたら自分が年長だからかもしれないけど、他のスポーツを見ていても、年上の選手たちがチャンピオンを勝ち取るのを応援したくなるんだ」
ロジャースとフラッコはそれぞれ、グリーンベイ・パッカーズとボルティモア・レイブンズでスーパーボウル制覇を経験している。火曜日に記者団の取材に応じたロジャースは、チームメートのディフェンシブタックル(DT)キャメロン・ヘイワード(36歳)から「木曜日は湿布が欠かせない試合になりそうだな」と冷やかされたという。短い準備期間で迎える試合だけに、その冗談も的を射ている。
2つのロンバルディトロフィーに加え、41歳のロジャースと40歳のフラッコは、合計82年と226日に及ぶ年齢、通算39シーズンのNFL経験、774本のタッチダウンパス、そして10万2,000ヤードを超えるパス獲得距離を誇る。AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区のプライムタイム対決にふさわしい、圧倒的な実績と言えよう。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、40歳を超えてなお現役でプレーするクオーターバック同士のプライムタイム対決は史上2度目、1950年以降では通算4回目の顔合わせとなる。
過去の対戦はいずれも殿堂入り間近のトム・ブレイディとドリュー・ブリーズによるもので、いずれもプレーオフを含む2020年シーズンに行われた。
ロジャースは3連勝で4勝1敗と地区首位に立つスティーラーズを率いている。一方のフラッコは、4連敗で2勝4敗に沈む不振のベンガルズを立て直すため、チームに呼び戻されたばかりだ。
今季は138回のパスのうち68.8%を成功させ、1,021ヤード、タッチダウン10回、インターセプト3回を記録しているロジャースは、次のようにコメントしている。
「最高だよ。ジョーとは長い付き合いなんだ。彼は俺のチャリティイベントにもよく参加してくれるし、リーグの素晴らしいアンバサダーでもある。偉大なキャリアを築いてきたし、こうして今も2人ともプレーを続けているのは本当に楽しいことだ」
ロジャースはキャリア3チーム目となるスティーラーズを率いており、フラッコはこれが7チーム目の所属となる。これまで両者は3度対戦しており、いずれもロジャースがパッカーズ在籍時で、すべて勝利している。フラッコはレイブンズ時代に2度、デンバー・ブロンコス時代に1度敗れている。
レイブンズでキャリアをスタートさせたフラッコは、その後ブロンコス、ニューヨーク・ジェッツ(2度)、フィラデルフィア・イーグルス、クリーブランド・ブラウンズ(2度)、インディアナポリス・コルツを経て、現在はライバルであるブラウンズからの衝撃的なトレードを経てベンガルズに加入した。
このトレードについては、NFLで最も長く指揮を執るスティーラーズのヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンが、今週初めにやや皮肉を込めたコメントを残していた。
ピッツバーグ戦が今季2チーム目で2度目の先発となるフラッコは、月曜日に報道陣を前に、トムリンHCの発言について問われても、特に気にする様子は見せなかった。
「俺がベンガルズに移ったことについて、何か話していたというのは知っている」とフラッコは『Cincinnati.com』のデイブ・クラークに述べている。
「でも正直、実際には見ていないし、彼がどれくらい怒っていたのかも分からない。おそらく彼は少し駆け引きをしているだけで、やるべきことをやっているんだと思う」
レイブンズで11シーズンを過ごし、その後ブラウンズとベンガルズでもプレーしているフラッコにとって、スティーラーズの指揮官として19年目を迎えるトムリンHCは、もはやおなじみの存在だ。
「あのチームは20年間にわたって安定感を保っている」とフラッコは話す。
「彼はもうどれくらいそこにいるんだ? 20年か、それ以上だろう? 彼らは常にフィジカルで、チームとしてどうありたいのかを早い段階で見つけ、それを基盤にチームを作り続けてきた。その積み重ねがあるから、いつも勝つチャンスがあるんだ」
同じく、2005年ドラフト1巡目指名のロジャースも、2008年の1巡目指名選手であるフラッコを高く評価している。両者ともフィールド上では年季の入ったベテランだが、その長い腕の切れ味はいまだ健在だ。
「彼のパスを見ているのが昔から好きなんだ」とロジャースはフラッコについて語った。
「彼のボールは本当に美しい。スパイラルがきれいで、ディープパスも得意だ。まさに90年代から2000年代にかけてのオールドスクールな典型的クオーターバックの一人だよ」
「自分がリーグに入った頃は、大柄で強肩の選手たちがこのポジションを担っていた。今では運動神経に優れたタイプの選手たちがクオーターバックを務めている。おそらく彼もその点には同意してくれるはずだ。今の選手たちのプレーを見ていると、まるで別のポジションをやっているように感じることがある。アスリートとしての能力の高さやプレーコールの仕方が昔とは違う。リードオプションのコールも増えているし、NFLでもカレッジフットボールの要素をより多く見るようになった。それでもジョーのプレーを見るのはいつも楽しい。彼と彼のフットボールには心から敬意を抱いている」
木曜日の試合でロジャースとフラッコが走り回る展開になることはほぼないだろう。だが、この2人のベテランは今も変わらぬ腕の冴えを見せるはずだ。彼らはその経験と技術を武器に、時の流れに抗い、栄光の日々をまだ終わらせまいとしている。
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