シーホークスのパス率がリーグ最低にもかかわらずレシーブヤードで首位に立つWRスミス・インジグバ
2025年10月16日(木) 12:39
現在、レシーブヤードでNFLトップに立っている選手はシアトル・シーホークスに所属している。
ワイドレシーバー(WR)ジャクソン・スミス・インジグバは負傷中のWRプカ・ナクアの記録を80ヤード上回る696ヤードを稼いでリーグトップに立ち、3位のジョージ・ピケンズにはなんと171ヤードもの差をつけている。スミス・インジグバは試合平均ヤード(116.0ヤード)でもナクア(102.7ヤード)を上回って首位に位置している。
シーズン序盤から素晴らしい活躍を見せているにもかかわらず、スミス・インジグバは正当な評価を受けていない。例えば、ミネソタ・バイキングスのWRジャスティン・ジェファーソンが同じような成績を収めていれば、もっと広く注目されていただろう。
ここまで6試合で、スミス・インジグバは自身を止めようとするあらゆるカバレッジを打ち破ってきた。先週に臨んだジャクソンビル・ジャガーズ戦では、第1クオーターにターゲット4回で24ヤードしか稼げなかったが、それでも前半だけで117ヤードを記録。試合全体で162ヤードを獲得し、20対12の勝利に貢献した。スミス・インジグバは華々しい活躍を見せており、今季は20ヤード超えのプレーを13回、40ヤード超えを5回達成している。さらに、レシーブによるファーストダウン獲得数(30回)はナクアに次いでリーグ内2位だ。
現地20日(月)の試合を前に、ヒューストン・テキサンズのヘッドコーチ(HC)デミコ・ライアンズはクオーターバック(QB)サム・ダーノルドの主力ターゲットに苦戦を強いられることを覚悟している。
チーム公式記録によると、ライアンズHCは火曜日に「JSN(スミス・インジグバ)は今年、シアトルのために素晴らしい活躍をしている。ダーノルドは投げるのに最適なターゲットを見つけ、それによってオフェンス全体を動かしている。彼はカバーされていてもいなくても毎試合、爆発的なプレーを連発し、存在感を示し続けている。JSNは間違いなくプロボウル級のシーズンを送っており、本当に素晴らしい仕事をしている」と述べたという。
プロボウル選出は控えめな評価かもしれない。スミス・インジグバはオールプロのファーストチームにも選ばれる勢いで活躍しており、現時点でそこに議論の余地はないだろう。
スミス・インジグバのプレーは、爆発的なプレーメーカーとしてラン中心のチームで活躍しながらも一般にはあまり注目されなかった元WRスティーブ・スミスSr.を彷彿とさせる。
スミスSr.と同様に、スミス・インジグバも他チームほどパス重視ではない攻撃陣でプレーしながら、リーグトップの成績を残している。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、現時点の数字が維持されれば、スミス・インジグバはスーパーボウル時代で初めて、NFLで最もパス率の低いチームに所属しながらレシーブヤードでリーグトップに立つ選手になるという。
シーホークスのパス率(50.3%)はレシーブヤードでリーグトップの選手を擁するチームの記録として1980年以降で2番目に低い数字だ。一番低いのは――ご想像の通り――スミスSr.が所属していた2005年のカロライナ・パンサーズで、同チームのパス率はわずか49.5%だった。
スミス・インジグバはチームのレシーブヤードの44.7%を占めており(NFL最多)、これは2000年以降で3番目に高い割合となっている(シカゴ・ベアーズのブランドン・マーシャルが2012年に45.7%、スミスSr.が2005年に44.8%を記録)。
ライアンズHCが率いる強力なディフェンスと対峙する月曜日の試合は、スミス・インジグバにとって今季最大の試練となるだろう。セカンダリーのリーダーであるコーナーバック(CB)デレク・スティングリーJr.は2024年シーズン以降、最も近いディフェンダーとしてパサーレーティングを51.5に抑えてきた。
攻撃コーディネーター(OC)クリント・クビアックによる2タイトエンド(TE)重視の戦略――『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、2025年の11パーソネル使用率はリーグで2番目に低いとのこと――の下、スミス・インジグバはこれまでのシーズンよりもアウトサイドでのスナップが大幅に増えている。過去2シーズンでスロットからのスナップがそれぞれ69%、83.6%だったのに対し、現在はわずか20%にとどまっている。クビアックOCが1試合のためにオフェンスを大幅に変更することは考えにくいが、シーズン第7週にスティングリーJr.(今季、スロットでのスナップはわずか2回)を避けるために、スミス・インジグバを少しでも多くスロットに配置するかどうかは興味深いと言えよう。
【RA】