ベアーズQBウィリアムズとの対戦を前にオクラホマ大学で先発から外れた経験を振り返るセインツQBラトラー
2025年10月17日(金) 09:51
ニューオーリンズ・セインツ(1勝5敗)が現地19日(日)に敵地でシカゴ・ベアーズ(3勝2敗)と対戦する際、ある意味での再会が実現する。
ベアーズのフランチャイズクオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズとセインツの現先発QBスペンサー・ラトラーはかつてオクラホマ大学でチームメイトだった。2人は1シーズンを共に過ごした後、それぞれ別の道を歩むことになったが、そこで分かれた道が再び交わることになる。
2021年、クオーターバック陣に恵まれていたオクラホマ大学スーナーズは、5つ星の評価を受けた有望株ラトラーを先発に据え、将来を嘱望された若手のウィリアムズを控えとして抱えていた。理想的な状況に見えたが、ライバルであるテキサス大学との試合の前半に不本意な展開となったことで、当時のヘッドコーチ(HC)リンカーン・ライリーはラトラーをベンチに下げ、若手のウィリアムズを起用した。
その先はよく知られた話だ。ウィリアムズは新入生ながら、この伝統あるライバル戦で驚異的な逆転劇を演じ、先発の座を確固たるものにした(その後ライリーHCと共に南カリフォルニア大学に移るまで)。一方のラトラーはサウスカロライナ大学へ転校し、そこでカレッジフットボールキャリアを終えている。
水曜日、ラトラーはベンチに下げられたことについて「過去は過去だ。今と未来に集中しているけど、あれがきっかけでサウスカロライナに行くことになったのは確かだと言える。ゲームコックス(サウスカロライナ大学)でプレーし、そこで成長してリーグ入りに備えられたのは、結果的に幸運だった」と話している。
2人は共に2024年ドラフトで指名を受けたが、評価は大きく異なっていた。ウィリアムズがドラフト全体1位でベアーズに指名された一方で、ラトラーは3日目の5巡目でようやく名前が呼ばれた。
ラトラーにとって、それらはすべて過去の話だ。この数週間で安定したパフォーマンスを見せていることから先発の座をより確かなものにしているように見えるラトラーは、かつて逸材と評された自身の実力を証明したいと強く望んでいる。
「俺はあの(2024年ドラフト)クラスの誰とでも渡り合えると思っている」と語ったラトラーはこう続けた。
「高校の頃からずっと競い合ってきたし、今も同じことを続けている。あいつらと競い合うのが大好きだし、絶対に自分もそのグループに名を連ねたい。自信の面では、あいつらと同じレベルにいると思っているからね」
セインツの今季の成績は精彩を欠いているが、ラトラーはここまで自分の力を十分に示しており、パス成功率68.5%で1,217ヤード、タッチダウン6回に対してインターセプト1回、パサーレーティング91.9を記録し、キャリー26回で143ヤードを稼いできた。少なくとも、ラトラーはNFLのスピードや就任1年目のケレン・ムーアHCが率いるオフェンスに対応できることを証明している。ラトラーを注意深く見ている人にとっては、波乱に満ちたルーキーシーズンでの期待値を大きく上回るパフォーマンスを見せていることは明白だ。ラトラーは実際に、『NFL.com』による“QB Index(QBインデックス)”でもウィリアムズに次ぐ順位につけている(シーズン第7週を迎える頃には追い越す可能性もある)。
ラトラーが歩んできた道のりは、最初からこのチャンスに備えるためのものだったのかもしれない。
ベンチに下げられた後にサウスカロライナ大学に移った経験から学んだことについて「逆境との向き合い方だ」とコメントしたラトラーは次のように続けている。
「そういう状況に置かれたクオーターバックは俺が初めてじゃない。つまり、俺だけじゃないんだ。逆境はクオーターバックポジションにつきものだし、仕事の一部だ。きちんと向き合い、次に進むしかない」
ラトラーはそのキャリアで多くの困難に直面しながらも、進路を見失わずに歩みを進めてきた。日曜日にはシカゴで記憶に残る一章を刻み、ちょっとしたリベンジも果たそうとしている。
【RA】