より積極的なパス攻撃で初勝利を狙うジェッツQBフィールズ
2025年10月17日(金) 12:11
クオーターバック(QB)ジャスティン・フィールズはそろそろ思い切ったプレーを見せたいと考えている。
新たな刺激を必要としているニューヨーク・ジェッツの低迷するオフェンスにとって、それは朗報だ。
今季のフィールズは開幕から5試合でインターセプトゼロと、ボールセキュリティを徹底している。試練の続くシーズンの中で、この数字は彼にとって珍しい傾向だ。一方で、ジェッツのパス攻撃は迫力を欠いている。開幕から6連敗中のチームは、現地12日(日)にロンドンで開催されたデンバー・ブロンコスとの試合に13対11で敗れ、フランチャイズ史上最低となるマイナス10ヤードのネットパスヤードを記録した。
そうした状況を受け、フィールズは日曜日に控えるカロライナ・パンサーズとの試合から、ダウンフィールドへのリスクをもう少し取る必要があると感じている。
「そうだな、間違いなくそう思っている」とフィールズは語った。
「これまでは少し守りに入りすぎていた。もう少し積極的にいく必要があるかもしれない。常にボールセキュリティを最優先にして、無理なプレーを避けてきたけれど、そろそろ狭いスペースを狙って投げ込むか、思い切って放るか、そのバランスをうまく取らなければならない時期に来ている」
『Sportradar(スポートレーダー)』によると、フィールズは今季ここまで123回のパスアテンプトのうち、20ヤード以上のパスはわずか9本だという。そのうち4本を成功させ、108ヤードとタッチダウン2回を記録。これはフィールズのパス全体のわずか7.3%で、リーグ平均を約4ポイント下回る。
また、10ヤード以上のパスでは32回中14回を成功させ、265ヤードとタッチダウン2回をマーク。全体の26%を占めるが、同条件でのリーグ平均31.9%には届いていない。
「もっと積極的に攻めることができると思っているし、インターセプトがないのは素晴らしいことだ」とフィールズ。
「ただ、フィールドを広く使ってダウンフィールドに積極的に投げ込み、ビッグプレーを生み出すことも、オフェンスとしては重要だと思っている」。
今季のフィールズにとって最長のパス成功は、ピッツバーグ・スティーラーズと戦った開幕戦でワイドレシーバー(WR)ギャレット・ウィルソンに決めた33ヤードのタッチダウンパス。それ以外は短いパス中心の展開が続き、慎重なプレーが目立っている。
ブロンコスに敗れた試合でフィールズは9回のサックを受け、パス成功数も同じく9回。17回のアテンプトでわずか45ヤードの獲得にとどまった。
「誰にでもインターセプトはあるものだし、それもクオーターバックの仕事の一部だ」とフィールズは語る。
「この前の試合、そしてこれまでのシーズン全体を振り返って、自分でももう少し積極的にいけると思った。だから今度の日曜日は少しアグレッシブにプレーするつもりだ。ただし、無謀にはならず、ダウンフィールドにボールを送る時も賢く判断していきたい」
ヘッドコーチ(HC)アーロン・グレンは、フィールズが先週日曜日の試合で「一歩後退した」と認めつつも、先発として起用し続ける方針を示した。グレンHCによれば、あの試合はフィールズにとって今季初めて明確に出来が悪かった試合であり、その原因はいくつか重なっていたという。キャリアを通して指摘されてきた弱点でもある、ボールを持ち過ぎる点、オフェンシブラインのプロテクション不足、そしてレシーバー陣が十分にフリーになれなかった点が影響した。
フィールズは、ブロンコス戦での課題の多くは自身のフットワークにあったとして、今週はそこに重点を置いて取り組んだと言う。
「足元から始まるフットワークが原因で、プレーのテンポが少し落ち、プログレッションを進める速度も遅くなったと思う」とフィールズは振り返る。
就任1年目の攻撃コーディネーター(OC)、タナー・エングストランドもグレンHCの見解に同意し、フィールズの新たなアプローチを支持している。
「彼の発言にはまったく同感だ」とエングストランドOCは述べ、次のように続けている。
「“もっと積極的にいける。ただし、積極的であることは無謀であることとは違う” という彼の考え方は正しい。ダウンフィールドを狙って積極的に攻めるパスを出したらいい。レシーバーたちがしっかりプレーを決めてくれるという信頼もある」
「彼がそういうマインドでこれから臨むことにはまったく問題ない。“思い切って投げていく。仲間たちがきっとプレーを決めてくれる。”その姿勢でいいんだ」
フィールズは今季、ランでプレーを作る場面で存在感を発揮している。脳しんとうの影響でシーズン第3週を欠場したにもかかわらず、クオーターバックとしてはバッファロー・ビルズのジョシュ・アレンに次ぐ235ランヤードを記録している。
ただしブロンコスとの対戦では、相手にランプレーを見抜かれ、7回のランでわずか31ヤードにとどまった。ほとんどがスクランブルによる獲得だった。
「ここ数週間は脚のコンディションがあまり良くなかった」とフィールズは認めている。
「第4週のマイアミ・ドルフィンズ戦でかなりひどい打撲を負ってしまって、その後の数週間はそれを引きずっていた。でも時間とともに回復してきていて、ようやく脚の感覚が戻ってきたところだ」
そして今、フィールズは自らの右腕でもさらに多くのプレーを生み出す準備を整えつつある。
「彼の反応は素晴らしい。準備は万端だ」とエングストランドOCは話している。
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