ジャイアンツQBウィルソンがブロンコスHCペイトンの発言を皮肉と受け取り「品がない」と批判
2025年10月22日(水) 11:12
ニューヨーク・ジャイアンツのベテランクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンは発言に慎重なことで知られるが、現地21日(火)には遠慮なく発言した。
ウィルソンはかつて所属していたデンバー・ブロンコスでヘッドコーチ(HC)を務めているショーン・ペイトンの発言を皮肉と受け取って強く反応し、ソーシャルメディアへの投稿で“品がない”と痛烈に批判するとともに、2012年における出場停止処分にも言及した。
ウィルソンは「品がない・・・でも驚きはない。15年以上経った今もバウンティ・ハンティングをしているとは思わなかった」とつづっている。
ウィルソンは現在、ジャイアンツで新人QBジャクソン・ダートのバックアップを務めている。シーズン開幕時は先発だったが、3試合を経てベンチに下げられた。日曜日、ペイトンHC率いるブロンコスはジャイアンツ相手に、信じられない展開の末に33対32で逆転勝利を収めた。ジャイアンツは一時、19対0、26対8と大きなリードを築いていたが、第4クオーターだけで33点を奪われ、ダートが残り37秒でタッチダウンを決めたにもかかわらず、逆転負けを喫した。
試合後、ペイトンHCは新人の活躍を称賛した一方で、ウィルソンを遠回しに揶揄するような発言をした。
ペイトンHCは日曜日の試合後、ダートについて「ほら、彼らはあのクオーターバックを起用して少し勢いが出た」と述べている。
「つい最近、(ジャイアンツのオーナーである)ジョン・マーラと話したときに言ったんだ。“QB交代は私たちとの試合が終わった後にやってほしかった”とね」
その発言がダートに対する称賛であることは明らかだが、ウィルソンに対する嫌味とも受け取れる。2025年ドラフト1巡目指名を受けたダートではなく、以前の先発QBと対戦したかったと示唆したからだ。
ウィルソンの反応は普段の性格からは考えられないものだったと言える。普段は控えめで発言に慎重なウィルソンも、ペイトンHCに関してはそうはいかなかったようだ。
ペイトンHCとウィルソンはデンバーで、お見合い結婚のような形でタッグを組んだが、最終的には泥沼の離婚劇の様相を呈した。ウィルソンがシアトル・シーホークスからブロンコスにトレードされ、巨額の延長契約を結んだ翌年、ペイトンHCは1シーズンで解任されたナサニエル・ハケットの後任としてヘッドコーチに就任。2人の相性は明らかに悪く、ウィルソンは2023年シーズン最後の2試合でベンチに下げられ、オフシーズンにチームから放出された。
ペイトンHCとブロンコスは2024年ドラフトの1巡目でQBボー・ニックスを指名。一方、ウィルソンはピッツバーグ・スティーラーズで1シーズンを過ごした後、ジャイアンツに移籍した。ジャイアンツは現在、ダートを将来のフランチャイズQBと見なしている。
ウィルソンはジャイアンツでのシーズン序盤に苦戦し、先発として0勝3敗に終わった。今季の成績は、パス成功率58.9%、786パスヤード、タッチダウン3回、インターセプト3回となっている。
現地11月4日(火)に迎えるトレード期限を前に、ウィルソンがトレード候補として浮上する可能性はある。少なくとも、ウィルソンは今回の動きによってまだ闘志を失っていないことを潜在的な移籍先に示したと言えよう。
【RA】