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試合後の発言は「ウィルソンに向けたものではない」と釈明したブロンコスHCペイトン

2025年10月23日(木) 15:04

デンバー・ブロンコスのヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンとニューヨーク・ジャイアンツのラッセル・ウィルソン【NFL】

ニューヨーク・ジャイアンツとの劇的な逆転勝利から3日後、デンバー・ブロンコスのヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンが、相手クオーターバック(QB)の気分を害した発言について釈明した。

ペイトンHCによれば、ブロンコスが新人QBジャクソン・ダート率いる粘り強いジャイアンツを相手に土壇場で勝利を収めたことについて語った自身のコメントは、あくまで称賛の意を込めたものだったという。かつてブロンコスで指導したQBラッセル・ウィルソンを批判する意図は一切なかったと説明した。

「試合の展開やあの高揚感は、純粋にダートに関するものだった」とペイトンは水曜日に記者団に語った。

「どんな形であれ、ラッセルに向けたものではない。彼がそう受け取ったとしても理解はできるが、あの勝利の後、彼(ダート)のプレーを見た上での発言だった。まったく意図していなかったことだ」

ペイトンHCが日曜日に語った当初のコメントは、ダートを称賛する内容であり、ウィルソンに代わって先発して以来、ジャイアンツのオフェンスに「少し勢いが出た」と述べたものだった。さらに、ジャイアンツのオーナーであるジョン・マーラに対し、「QB交代は私たちとの試合が終わった後にやってほしかった」と伝えていたことも明かしており、ペイトンHCがむしろダートではなくウィルソンと対戦したかったことを示唆していた。

ウィルソンはこの発言を個人的な攻撃と受け取り、火曜日にSNS上でペイトンを「品がない」と批判。さらに、ペイトンHCが2012年にリーグから出場停止処分を受けた過去にも言及した。

両者の確執は今に始まったものではない。ペイトンHCが2023年にブロンコスの指揮官に就任したのは、シアトル・シーホークスからウィルソンを大型トレードで獲得したにもかかわらず、チームが失望のシーズンを終えた直後のことだった。

当初から歯車の合わなかったウィルソンとペイトンHCの関係は、やがて決裂へと向かう。シーズン終盤にはペイトンHCがウィルソンをベンチに下げ、最終的にブロンコスは2024年にウィルソンを放出。その際、チームは巨額のデッドマネーを受け入れる決断を下した。

以降、ペイトンHCは2024年ドラフト1巡目指名のQBボー・ニックスを新たな司令塔に迎え、チーム再建の指揮を託されている。とはいえ、ウィルソンがブロンコス在籍時に結んだ大型契約の影響で、依然として財政的な制約を抱えているのが現状だ。

一方のウィルソンは、2024年にピッツバーグ・スティーラーズの先発QBを務めた後、2025年にフリーエージェントとしてジャイアンツと契約。しかし、わずか3試合の先発にとどまり、ブライアン・ダボールHCの決断で再びベンチに座ることとなった。

現在はダートがチームを率いており、ジャイアンツは試合の大半でブロンコスを圧倒しながらも、第4クオーターで失速して敗戦。その光景をウィルソンはサイドラインから見つめていた。

ペイトンHCによる水曜日の説明で、今回の騒動はひとまず幕を閉じた。ブロンコスがジャイアンツに勝利したという事実が、すべてを物語っている。

【R】