ニュース

低迷中のオフェンスにTEバワーズが復帰することを喜ぶレイダース

2025年10月31日(金) 09:44

ラスベガス・レイダースのブロック・バワーズ【Brooke Sutton via AP】

ラスベガス・レイダースが2025年シーズンに苦戦する中で見落とされていたのは、スタータイトエンド(TE)ブロック・バワーズが直面していた問題だ。

全体像を理解する上では重要なポイントだが、バワーズが健康上の問題によってチームを支える能力が制限されていたことを、一般的なファンは見落としているかもしれない。獲得ヤードで30位に沈むレイダースは、前回の試合でわずか95ヤードしか獲得できなかった。

バワーズはシーズン第1週に見舞われた膝のケガと闘っており、10月は試合に出場していない。レイダースはシーズン第8週のバイウイークを経てバワーズが万全の状態で復帰することを期待している。

『ESPN』によると、ヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは現地29日(水)に「彼は戻ってきた。先週は毎日調子が良さそうで、月曜日の練習では特に良い感じだった。なんならちょっと目立っていたくらいだ。だから、彼の復帰は本当にうれしい」と述べたという。

レイダースはバワーズをこれ以上ないほど切実に必要としている。バワーズが離脱してから、レイダースの1試合あたりのパスヤードは139.3ヤードにとどまっている。オフェンスはあらゆる面で崩壊しており、バワーズが欠場した3試合中1試合は勝利(不振のテネシー・タイタンズに20対10で勝利)したものの、過去6試合ではほとんど相手に脅威を与えられていなかった。

バワーズの不振はそうした状況に大きく関係している。昨シーズン、当時新人だったバワーズはキャッチ112回で1,194ヤード、タッチダウン5回をマークし、チームのレシーブ記録でトップに立った。3人の異なるクオーターバック(QB)とプレーしながら、ほぼ単独でパスオフェンスを支えていたジョージア大学のバワーズは、わずか17試合で、自身が一流タイトエンドであると同時に、今後のレイダースを支える存在であることを知らしめたのだ。

ジーノ・スミスの加入はQBポジションを安定させ、バワーズが活躍できる環境を作るきっかけになるはずだった。しかし、バワーズは100%の力が出せない状態でプレーすることを余儀なくされてきた。

「正直に言うと最悪だった。でも、それは過去の話だ。復帰できるのが楽しみだ」とバワーズは語っている。

うまくいけば、シーズン第9週に臨むジャクソンビル・ジャガーズ戦から状況は変わるだろう。

スミスは「ブロックはうちのオフェンスの要だ。彼がいないのは確かに痛手だった。調子は良さそうに見えた。だから、戻ってきてくれるのが本当にうれしい」と話している。

レイダースは希望的観測を抱いているのかもしれないが、2勝5敗という状況ではそれが彼らに残された唯一の選択肢だ。新人RBアシュトン・ジェンティはほとんどの試合で相手に阻まれ、思うように走れなかった。一方のスミスは、パスを投げるのに十分な時間がないこともあり、オープンなターゲットをあまり見つけられていない。

1人の選手にとっては重荷かもしれないが、レイダースはオフェンスの好転をバワーズに託している。今後の数週間で、その思いが報われるかどうかに注目だ。

【RA】