元コルツオーナーのジム・アーセイが所有していたコレクションが3月にオークションへ
2025年10月31日(金) 11:56
インディアナポリス・コルツの元オーナーであるジム・アーセイが所有していた貴重な記念品の大部分が、3月にオークションにかけられる予定だと、アーセイの娘たちが現地30日(木)に発表した。
ジム・アーセイは今年5月に65歳で亡くなり、現在チームは3人の娘――カーリー・アーセイ・ゴードン、ケイシー・フォイト、カレン・ジャクソン――によって運営されている。アーセイの娘たちは声明の中で、この決定は軽々しく下されたものではなく、父の遺産に対する“深い思慮と愛情”に基づいて行われたと述べた。
ニューヨークに拠点を置くオークション会社『Christie(クリスティーズ)』が3月からオークションを実施する。クリスティーズはロックフェラープラザの会場で、無料の一般公開も行う予定だ。アーセイの娘たちによると、収益の一部は慈善活動に寄付されるという。
チームを通じて発表した声明で、アーセイの娘たちは次のように述べている。
「私たちの父は熱心なコレクターでした。所有欲に駆られたのではなく、収集した品々の美しさや歴史、文化的意義に深い敬意を持っていました。アイコニックな楽器から、伝説的なアーティストの手書きの歌詞、貴重な歴史的遺物や文書に至るまで、コレクションの一つひとつに物語があり、父はその物語を世界と共有することにいつも大きな喜びを感じていました」
膨大なコレクションには、ジャック・ケルアックの『On the Road(邦題:路上)』の原稿や、アルコホーリクス・アノニマス(AA)の基本書である『Big Book(ビッグ・ブック)』、ビートルズやプリンスなど、さまざまなアーティストが使用した200点以上の有名なギターやその他の楽器、モハメド・アリがジョージ・フォアマンとの伝説的な“キンシャサの奇跡”で手に入れたWBCチャンピオンベルト、競走馬セクレタリアトの三冠達成時に使用された鞍、200年以上前の独立宣言書の写本などが含まれている。
『Guitar World(ギター・ワールド)』誌はかつて、アーセイがギターだけで10億ドルのオファーを受けたと報じ、それを地球上で最も素晴らしいギターコレクションと称した。
クリスティーズ米州地域社長を務めるジュリアン・プラデルは「クリスティーズは伝説的なコレクターであるジム・アーセイが数十年にわたり大切に収集、維持、共有してきたこの素晴らしいコレクションを取り扱うことを光栄に思っている。これらの特別な品々は、世界中の熱心なコレクターに公開される。彼らは歴史の一部を所有するという一生に一度の機会を得ると同時に、この上なく素晴らしいコレクションに新たな章を刻むことになるだろう」と述べている。
近年、アーセイはコレクションを巡回展示の形で一般公開しており、ツアーの途中ではバンド演奏を行うこともあった。
アーセイの家族は「私たちはこのコレクションに新たな人生を与える時が来たと考えています。これらの品々の重要性を理解し、大切にしてくれる次の管理者に引き継がれることを、心から願っています」と述べている。
アーセイの娘たちは、少なくとも2軒のアーセイの住宅も売りに出している。
アーセイは1997年から今年に亡くなるまでコルツのオーナーを務めていた。チームがボルティモアを本拠地としていた時代にボールボーイとして働き出したアーセイは、1984年にチームがインディアナポリスに移転した後、24歳でNFL史上最年少のジェネラルマネジャー(GM)となり、その後もさまざまな役職を担い続け、父ロバートが亡くなった際にオーナーの座を引き継いだ。
今シーズン、アーセイはチームのリング・オブ・オナーに迎え入れられた。今季の8試合を終えた時点で7勝1敗とNFLトップの成績を残しているコルツは、ユニフォームに“JI”と書かれたワッペンをつけて戦っている。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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