ジェッツがCBガードナーをコルツにトレード、2つのドラフト1巡目指名権およびWRミッチェルを獲得
2025年11月05日(水) 11:00
ソース・ガードナーの契約を延長し、NFLで最も報酬が高いコーナーバック(CB)にしてからわずか4カ月足らずで、ニューヨーク・ジェッツは彼との関係を断つことになった。
現地4日(火)、ジェッツが2026年と2027年のドラフト1巡目指名権と引き換えに、2度のオールプロ選出経歴を誇るガードナーをインディアナポリス・コルツにトレードしたと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが情報筋の話をもとに報道。また、ジェッツはこのトレードの一環として、ワイドレシーバー(WR)アドナイ・ミッチェルも獲得したと、NFLネットワークのトム・ペリセロが伝えた。
その後、ジェッツがこの取引を正式に発表している。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、ガードナーは今シーズンに複数のドラフト1巡目指名権と引き換えにトレードされた2人目の選手(1人目はダラス・カウボーイズからグリーンベイ・パッカーズにトレードされたディフェンシブエンド/DEマイカ・パーソンズ)であり、過去6年で2つのドラフト1巡目指名権と交換された2人目のジェッツ選手(1人目は2020年にシアトル・シーホークスにトレードされたラインバッカー/LBジャマール・アダムス)だという。
25歳のガードナーは今年7月、就任初年度のジェネラルマネジャー(GM)ダレン・ムージーのもとで4年1億2,040万ドル(約184億3,119万円)の契約にサイン。この契約には6,000万ドル(約91億8,498万円)の新たな保証金が含まれていた。また、2030年シーズンまで年平均3,010万ドル(約46億0,780万円)を受け取るという条件により、ガードナーはNFL史上最高額の報酬を得るコーナーバックとなった。
そして、高給取りのガードナーはキャリア4シーズン目の半ばに、1勝7敗で最下位に沈むジェッツから7勝2敗でリーグトップに立つコルツに瞬く間に移ることになった。
ガードナーは今季、ジェッツで8試合中7試合に出場し、パスディフェンス6回、タックル20回を記録している。3年半のキャリアで55試合に先発出場し、通算インターセプト数は3回だ。ルーキーシーズンにはリーグ最多となる20回のパスディフェンスを記録し、2022年AP通信NFLディフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いた。
しかし、アーロン・グレンHC(ヘッドコーチ)の就任初年度に苦戦しているジェッツは、そうした実力を持つガードナーとの関係を断ち、シーズン途中にセカンダリーの再編を図っている。ジェッツは先週、主力ニッケルバックのマイケル・カーター二世をフィラデルフィア・イーグルスにトレードし、代わりに必要としていたワイドレシーバー(WR)のジョン・メッチー三世を獲得した。
ジェッツにとって今回のトレードは財政的にも大きな痛手とはならない。NFLリサーチによると、ジェッツはこのトレードで60万ドル(約9,185万円)強を節約し、来年のデッドキャップは1,100万ドル(約16億8,391万円)となる見込みだという。
今後はブランドン・スティーブンス、有望な新人のアザリエ・トーマス、シーズン途中に加入したジャーヴィス・ブラウンリーJr.、火曜日にロサンゼルス・チャージャーズとのトレードで獲得されたジャジール・テイラーがジェッツのコーナーバック陣を構成する。
ジェッツはこれだけにとどまらず、スターディフェンシブタックル(DT)クイネン・ウィリアムスをダラス・カウボーイズに送る見返りとして、DTマジー・スミスや2026年ドラフト2巡目指名権、2027年ドラフト1巡目指名権を獲得したと、ラポポートが報じている。ジェッツはガードナーとウィリアムスを同じ日にトレードし、今後2年間で5つの1巡目指名権を手に入れた。これは、ムージーGM率いるチームにとってロースター再構築や将来のフランチャイズクオーターバック(QB)獲得に向けた重要な切り札となるだろう。
一方、コルツにとってガードナーは、守備コーディネーター(DC)ルー・アナルモ率いるディフェンスとチームの将来構想にとって非常に重要な存在となるはずだ。
ガードナーは当面の間、脳しんとうで今季わずか4試合の出場にとどまっているシャーバリウス・ウォードの穴を埋めることになる。現在、コルツのディフェンシブバック(DB)陣で先発を務めているのはメキ・ブラックモン、ジェイロン・ジョーンズ、ケニー・ムーアだ。
コルツではオフェンスがリーグ屈指の水準を保っている一方で、ディフェンスが被ヤードで16位、被パスヤードで26位と精彩を欠いている。
コルツが11年ぶりのAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区制覇だけでなく、カンファレンスのトップシード獲得も目指す中、ガードナーの加入は相手レシーバーを封じる上で極めて重要となるはずだ。ガードナーはまず、日曜日にベルリンで行われる、WRドレイク・ロンドンを擁するアトランタ・ファルコンズとの対戦でその役割を果たし、シーズン第11週のバイウイーク明けにはカンザスシティ・チーフス戦でも貢献することになる。
ランニングバック(RB)ジョナサン・テイラー、WRマイケル・ピットマン、ガード(G)クエントン・ネルソン、そしてQBダニエル・ジョーンズがオフェンスの要となっているのと同様に、ガードナーはディフェンスの中核を担う選手となるだろう。
コルツのクリス・バラードGMは火曜日に発表した声明で、「ソース・ガードナーのような才能ある選手を獲得できる機会を逃したくはなかった」と述べ、こう続けた。
「彼は大学卒業時にわれわれが重点的にスカウトした選手であり、ドラフト全体4位指名を受けたのにはそれだけの理由がある。ソースは実績のあるコーナーバックであり、その技術と競争心は守備陣全体のプレーを向上させるだろう。彼がコルツの一員になったことを心から喜んでいる」
ジェッツがシーズン後半に向けて不調なレシーバー陣を補強しようとしている中、ミッチェルは即戦力として起用される見込みだ。キャリア2年目のミッチェルはシーズン途中に加入したメッチー三世や、膝のケガから回復を目指しているスターWRギャレット・ウィルソン、アレン・ラザードらとともにローテーションに加わることになる。
ミッチェルは2シーズンで25試合に出場し、キャッチ32回、464ヤードを記録してきた。
【RA】



































