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足負傷のカーディナルスQBマレーは回復に専念、シーホークス戦はQBブリセットが先発

2025年11月05日(水) 12:37

アリゾナ・カーディナルスのジャコビー・ブリセットとカイラー・マレー【NFL】

ヘッドコーチ(HC)ジョナサン・ギャノン率いるアリゾナ・カーディナルスは、少なくともシーズン第10週は好調なクオーターバック(QB)を引き続き起用する方針だ。

現地4日(火)、ギャノンHCはシーズン第5週に見舞われた足のケガからの回復を目指すカイラー・マレーに代わり、日曜日に行われるシアトル・シーホークス戦ではジャコビー・ブリセットが先発を務めると発表した。

就任3年目のギャノンHCは、今週の練習を前にオフェンスに“明確さ”をもたらすために今回の発表を行ったとコメント。『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが情報筋の話をもとに伝えたところによると、マレーは手術を必要とする状況にはないものの、完全に回復する前にプレーすると悪化するリスクがあるとのことで、回復には4週間から8週間かかる可能性があるという。

火曜日に臨んだ記者会見で、ギャノンHCはマレーを故障者リザーブ(IR)に登録する可能性について言及することを避けると同時に、日曜日以降もブリセットを先発起用するとは明言しなかった。しかしその後、『Arizona Sports 98.7 FM(アリゾナ・スポーツ98.7 FM)』に対し、マレーが健康であっても今週の先発はブリセットに任せていたと語っている。

いずれにせよ、ギャノンHCはブリセットがここ最近、司令塔を務める中で見せているパフォーマンスに満足していることを認めた。

チーム公式サイトによると、ギャノンHCは火曜日に「今の攻撃陣の動きは気に入っている」と述べたという。

ブリセットは月曜夜に出場したダラス・カウボーイズ戦で3回のタッチダウンを記録。今回の勝利で、過去5試合でいずれも1ポゼッション差で敗れていたカーディナルスは連敗に終止符を打った。ブリセットは、10月5日にテネシー・タイタンズ戦で負傷したマレーの代わりに3試合連続の先発出場を果たしている。

カウボーイズ戦は先発QBがブリセットに変わってからカーディナルスが初めて勝利した試合となったが、ベテランQBが指揮を執ることで攻撃陣の生産性は大幅に向上している。

ブリセットが先発した3試合で、カーディナルスは平均25.7得点、256.3パスヤード、サードダウンコンバージョン率56.1%を記録。

その一方で、マレーが先発した5試合では平均18.8得点、170.2パスヤード、サードダウンコンバージョン率39.7%にとどまっていた。

マレーは今シーズン、5試合に出場してパス161回中110回成功(成功率68.3%)、962パスヤード、タッチダウン6回、インターセプト3回を記録。ランでも173ヤードを稼ぎ、1回のタッチダウンをマークした。一方のブリセットは、5試合でパス112回中73回を成功させて860ヤード、タッチダウン6回、インターセプト1回を記録。月曜日の試合では1回のタッチダウンランも決めた。

3勝5敗のカーディナルスにとって明白なのは、日曜日にブリセットが先発し、6勝2敗でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区首位タイのシーホークスとの重要な一戦に臨むことだ。カーディナルスはシーズン第4週にマレーが先発した試合で、シーホークスに23対20で敗れている。

シーズン第10週より後にカーディナルスと2019年NFLドラフト全体1位指名を受けたマレーに何が待ち受けているかは分からない。これが“事実上”マレーのベンチ降格を意味しているとのうわさも飛び交っている。しかし、砂漠の地で待ち受けているものが明らかになるのは、マレーが完全に健康を取り戻してからになるだろう。

【RA】