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DTウィリアムスとLBローガンを獲得する“エキサイティングな”トレードを喜ぶカウボーイズ

2025年11月06日(木) 12:00

ニューヨーク・ジェッツのクイネン・ウィリアムスとダラス・カウボーイズのダック・プレスコットとシンシナティ・ベンガルズのローガン・ウィルソン【NFL】

現地3日(月)夜に行われた試合で不甲斐ないディフェンスを見せた直後、ダラス・カウボーイズは火曜日に2つのトレードで積極的に弱点を補強した。

ディフェンシブタックル(DT)クイネン・ウィリアムスとラインバッカー(LB)ローガン・ウィルソンは新たにカウボーイズのユニフォームを身にまとうことになった。絶頂期を迎えている27歳のウィリアムスと29歳のローガンは、3勝5敗1分のカウボーイズに新たな希望をもたらす存在でもある。

チーム公式サイトによると、ヘッドコーチ(HC)ブライアン・ショッテンハイマーはトレードについて「エキサイティングだ」と述べ、こう続けたという。

「ジェリー(ジョーンズオーナー)、スティーブン(ジョーンズ上級副社長)、ウィル(マクレイ選手人事担当副社長)に称賛を送りたい。積極的でありながら賢明だった。2つの動きで、今年だけでなく将来も見据えた選手を獲得できたし、それは素晴らしいことだと思う。2人とも素晴らしい選手であると同時に、素晴らしい若者でもあると思う」

2人の中でも特に注目すべき選手はウィリアムスだ。カウボーイズは被ランヤードで29位、パス1回あたりのサック数で21位となっているディフェンシブラインに、プロボウルに3回選出された経歴を持つ選手を加えたことになる。一方のウィルソンは、経験豊富な選手が必要とされていたラインバッカー陣でベテランの存在感を示すだろう。

2人の獲得は、現状を念頭に置いて実行された。

カウボーイズはシーズン開幕前にディフェンシブエンド(DE)マイカ・パーソンズをトレードしたことで、パスラッシュの威力が弱まったと言われている。対戦相手は試合に混乱をもたらすエッジラッシャーのパーソンズを止めたり抑えたりするために入念な準備をすることなく、安心してオフェンスを実行できるようになった。2度のオールプロ選出を誇る選手が与える影響を克服する必要がなくなったからだ。

ウィリアムスの加入によってベテランのケニー・クラークやダンテ・ファウラーを擁するフロントフォーが補完されるため、相手のオフェンシブラインにとってはプレーごとに警戒すべき選手が増えた形となる。それにより、守備コーディネーター(DC)マット・エバーフラスが指揮を執る中で窮地に立たされていたユニットでは、これまで目立っていなかった選手がより大きな影響を及ぼす余地も生まれるだろう。

ショッテンハイマーHCはウィリアムスについて「彼はまさに違いを生み出す存在だ。パスラッシュの観点からポケットの内側を脅かす能力があり、破壊力が強い。彼が出ているとき、特定のプレーではその存在を意識することになるだろう。それほど破壊的だからね」と述べた。

火曜日、トレードのニュース(とそれに伴う良い雰囲気)は守備陣以外にも広まっていた。

クオーターバック(QB)ダック・プレスコットはウィリアムスの加入ついて「ものすごく興奮している」と報道陣に話している。

プレスコットが興奮するのも無理はない。ディフェンスがどの試合でも相手を止めるのに苦戦している状況では、オフェンスを爆発的なパフォーマンスに導く重責がプレスコットにのしかかっていたからだ。

正直なところ、勝利を目指すカウボーイズにとって現実的な道筋はそれだけだった。カウボーイズは試合平均得点(29.2点)で4位につけているにもかかわらず、わずか3勝にとどまっている。その3試合においても、勝利を収めるのに37点以上を必要としており、さらに1試合では40点を挙げたにもかかわらず引き分けに終わった。

カウボーイズは補強をせずに現状維持でプレーオフ返り咲きを目指すことはできないと自覚していたのだ。

統計的に見ると、カウボーイズ守備陣はいくつかの分野で競争力を保っており、『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、QBプレッシャー率では上位半分に位置しているという。とはいえ、すべてが順調とは言えず、サック率は22位タイにとどまっている。つまり、パサーにプレッシャーをかけて苦しめることはできても、確実にしとめることはできないチームとなっているのだ。

パーソンズをトレードする見返りとして獲得されたクラークは、ときおり存在感を示している。しかし、1試合あたりの被ヤードと被得点で31位に沈む守備陣を救うには不十分だった。そうした状況を受け、カウボーイズは火曜日に前述の守備選手2名を獲得するトレードに踏み切っている。

DTオーサ・オデギズーワは「ディフェンシブラインのプレーメイキング能力がさらに高まると思う。弾がもう一発増えた。新たな弾として強力で才能のある選手が加わった。俺たちはうまく彼を活用できると思う」と語った。

ウィリアムスの加入はオデギズーワが先発の座を奪われることを意味している。ほとんどの選手はその結果に不満を覚えるはずだが、オデギズーワは違い、カウボーイズがこの守備陣を立て直すには可能な限り多くの戦力が必要だと理解している。

「ワクワクしている。俺たちを勝利に導く新たな戦力だ」とオデギズーワは語った。

カウボーイズは火曜日、期待感に満ちており、その前向きなエネルギーは月曜夜の惨敗で沈んでいたチームがまさに必要としていたものだった。そうした楽観的なムードが今後の数週間で結果につながるかどうかに注目だ。

【RA】