週末にかけて複数のチームがベルリンに集結、リーグはドイツでの試合拡大に意欲的
2025年11月06日(木) 12:33
NFLのドイツ熱は冷める気配がない。
現地9日(日)、インディアナポリス・コルツとアトランタ・ファルコンズの試合がオリンピアシュタディオンで行われ、ベルリンはドイツで3番目にレギュラーシーズン戦を開催する都市となる。
ドイツの首都にはコルツとファルコンズだけでなく、NFLのグローバルマーケットプログラムを通じて同国で商業権を持つ他の9チームも集結する予定だ。各チームはベルリン市内でイベントを開催し、地元ファンの心をつかもうとしている。
ドイツは同プログラムにおいて最も人気の高い国であり、リーグ32チームのうち11チームが同国で商業権を保有している。これに続くのはメキシコの10チーム、そしてイギリスの9チームだ。
NFLジャーマニーのジェネラルマネジャー(GM)アレクサンダー・シュタインフォースは『The Associated Press (AP通信)』とのインタビューで次のように語った。
「チームを増やし過ぎだとは考えていない。ドイツは人口8,000万人を超える大国だ」
「数字を見れば、まだ多くの可能性が残されていることが分かる。つまり、まだNFLファンになっていないスポーツファンが大勢いるということだ。そしてNFLファンの中でも、すでに応援するチームを決めているのは50%未満にすぎない。ここでは多くの人々がリーグ全体のファンだと言える」
チームがファンとの交流を深め、競技自体の人気が高まるにつれて、この比率は少しずつ変化しつつある。
「それでもなお、この市場にはNFLチーム全体にとって多くのチャンスがあると信じている」とシュタインフォースは述べている。
ベルリンでは2027年と2029年にも試合が開催される予定だ。2026年と2028年にもドイツで試合は行われるが、開催地はベルリンではない。
「現在、ドイツ国内の別の都市との契約を最終調整しており、数週間以内に正式発表する予定だ」とシュタインフォースは明かした。
同氏は、来年の試合がミュンヘンまたはフランクフルトでの再開催になるのか、それとも新たな開催地になるのかについては明言を避けた。
ドイツ初のレギュラーシーズンゲームは2022年にミュンヘンで開催され、元クオーターバック(QB)トム・ブレイディ率いるタンパベイ・バッカニアーズがシアトル・シーホークスを21対16で下している。ブレイディは滞在中にバイエルン地方の伝統衣装であるレーダーホーゼンを贈られたり、離婚について質問を受けたりするなど、話題の尽きない一週間となった。
2023年にはフランクフルトで2試合が開催され、昨季には再びミュンヘンに舞台が戻った。これまでのところ、複数の都市でNFLの試合が行われた国はアメリカ以外ではドイツだけとなっている。
「ミュンヘンとフランクフルトでの試合がきっかけで、自分たちの都市でも開催したいと手を挙げる自治体が一気に増えた。ベルリンが本格的に動き始めたのはその頃だった」とシュタインフォースは話している。
シュタインフォースによると、ベルリンは契約の一環として1,430万ドル(約21億9,934万円)を投資しており、スタジアム改修に加え、フラッグフットボールやタックルフットボールへの支援も含まれているという。リーグ側も、試合開催によって地域経済が活性化することを示す調査結果を挙げている。
日曜日の試合を観るために7万2,000人の観客がオリンピアシュタディオンに詰めかけ、チケットはすでに完売しているとシュタインフォースは付け加えた。
ミュンヘン、フランクフルト、デュッセルドルフの3都市は当初、試合開催地候補のファイナリストとして選ばれていた。
1990年にはNFLがベルリンで記憶に残るプレシーズンゲームを開催している。
日曜日の試合が終わると、ドイツで商業権を持ちながらまだ同国でプレーしていないチームは、デトロイト・ライオンズ、グリーンベイ・パッカーズ、ピッツバーグ・スティーラーズの3チームのみとなる。
来シーズンは17試合を行うレギュラーシーズンのスケジュールにおいてNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のチームに追加のホームゲーム枠が与えられるため、ライオンズかパッカーズがドイツで試合を主催する可能性が高まっている。
なかでもドイツ人の母親を持ち、ドイツ語も堪能なスターワイドレシーバー(WR)アモン-ラ・セント・ブラウンを擁するライオンズの試合は、双方にとって絶好のマーケティング機会となるだろう。
グローバルマーケットプログラムの権利を持つチームのドイツ人選手がドイツで試合をするというのは、「まさに理想的な組み合わせだ」とシュタインフォースはコメントしている。
より広い意味では、セント・ブラウンの存在はドイツにおけるNFL人気の高まりに大きな影響を与えているとシュタインフォースは言う。
「特に彼が試合の勝敗を左右するポジションに就いていることが大きい」
「彼のような選手は目立つプレーを見せることが多い。ドイツ人の母を持ち、ドイツで育ち、今もこの国に強い愛着を持っているという点は非常に有利に働いている。ライオンズの人気がこちらでも年々目覚ましい伸びを見せていることからも、それがよく分かる」
また、ドイツにおけるNFLの放送パートナー『RTL』は、日曜日の試合を子ども向けチャンネル『TOGGO』でも商業広告なしで放送し、子ども向けの解説を付ける予定だ。
「このような取り組みこそが新しい視聴者層への浸透を後押しし、次世代のNFLファンにも確実にリーチできるようにしてくれる」とシュタインフォースは話している。
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