NFL史上最長キックを記録したジャガーズKリトルの2着目のジャージが殿堂入り
2025年11月07日(金) 11:26
ジャクソンビル・ジャガーズのキッカー(K)キャム・リトルが、プロフットボール殿堂に2着目のジャージを送ることになった。
リトルは現地2日(日)にラスベガスで行われたレイダースとの試合の前半終了間際、NFL史上最長となる68ヤードのフィールドゴールを成功させ、チームを30対29の勝利へ導いた。このとき使用したボールとスパイクは、自らの手元に残すことを選んでいる。
オハイオ州カントンにあるプロフットボール殿堂は、展示用として少なくともどちらかを提供してもらうようリトルに依頼したが、リトルは記録達成に使ったボールと、履き慣らしたばかりのスパイクを手放すことを断った。
「先週からこのスパイクを履き始めたばかりだから、殿堂には渡さないよ」とリトルは水曜日に話している。
「それにボールは手元に残しておきたかった。特別なボールだし、それが一番クールなところだからね」
リトルがカントンにジャージを送るのはこれで2度目となる。8月上旬のピッツバーグ・スティーラーズとのプレシーズンゲームで70ヤードのフィールドゴールを決めた際、着用していた背番号39のジャージを送っている。そのときのボールも手元に残しているが、まだ飾ることもしていないという。
「冗談じゃなくて、本当に何もしていないんだ。そのままパントリーに置いてあるだけ。だから、そろそろちゃんと飾らないと」とリトルは話している。
レイダース戦で記録を打ち立てた際のボールは危うく失われるところだった。
68ヤードのキックはその試合での最初のキックだったが、ボールの感触が非常に良かったため、リトルはパンター(P)ローガン・クックとロングスナッパー(LS)ロス・マティスシックを説得し、用具庫にしまわずに試合中も使い続けることにした。
ところが第4クオーターにジャガーズがタッチダウンを決めた際、リトルが蹴ったエクストラポイントがネットを越えてアレジアント・スタジアムの観客席へと飛んでいってしまった。観客の1人が最初はボールを投げ返すのを拒んだため、チームはセキュリティスタッフを介して通常のボールと記録達成時のボールを交換することになった。
「たぶん、その観客には適当なクオーターバック用のボールを渡したんだと思う。その人は特別なボールだと思ったかもしれないけど、実際はただの普通のボールだったんだ」とリトルは明かしている。
リトルは、自身の記録が長く続かないかもしれない現実を受け入れている。実際、翌日の夜にはその記録が更新されそうになった。アーカンソー大学出身で2年目のリトルは、自宅でビデオゲームをしていたところ、チームメートから電話がかかってきたという。ダラス・カウボーイズのKブランドン・オーブリーがアリゾナ・カーディナルスとの試合で68ヤードのフィールドゴールを狙おうとしているという知らせだった。
「それを知った時、俺の記録は終わったなと思ったよ」とリトルは振り返る。
「彼は絶対に決めると思っていた。本当にすごい選手だからね。24時間以内には誰かが俺の記録と並ぶことになるとは思っていたんだ」
しかし、オーブリーのキックは大きく左へ外れ、リトルの記録は少なくともあと1週間は守られることになった。以前の最長記録は2021年にボルティモア・レイブンズの元キッカー、ジャスティン・タッカーが樹立した66ヤードだった。
「少しずつ実感がわいてきているけど、正直なところ、自分が成し遂げたことをまだ完全には理解できていない」とリトル。
「でも、すぐに気持ちを切り替えられているのは良いことだと思う。これから大事な試合がたくさん控えているし、大一番は常に次のキックだからね」
「リーグにはあの距離を蹴ることができる選手がまだたくさんいると思う」
レイダース戦の前までは直近4本のうち3本のキックを外していたものの、いまリトルほど安定したキックを見せている選手は多くない。スペシャルチームコーディネーターのヒース・ファーウェルによると、リトルはヘッドコーチ(HC)リアム・コーエンからゴーサインが出る前に、すでに記録を打ち立てるキックのためにフィールドへ歩き出していたという。
ボールがゴールポストへ向かって飛んでいくと、クックが成功を確信して両腕を上げた。直後、コーエンHCをはじめ、ディフェンシブエンド(DE)ジョシュア・ハインズ・アレンやラインバッカー(LB)デビン・ロイドがフィールドに駆け出し、祝福の輪が広がった。
「みんな彼のことが大好きなんだ」とファーウェルは述べている。
「スペシャリストは時に少し変わっていることもあるけれど、彼はチームの中でも最も人気のある選手の一人だ。スペシャリストとしては珍しいことだよ。われわれは恵まれている。3人とも素晴らしい選手だからね」
「みんなキャムが大好きだ。彼の性格も、集中力も、すべてが魅力的だ。彼がどれだけ時間をかけて自分の技術を磨いているか、チーム全員が知っている」
その努力の証として、まもなく2着のジャージがプロフットボール殿堂に並ぶことになる。
【R】



































