コルツRBテイラーが“歴史的な”ベルリンのスタジアムでタッチダウン3回を記録
2025年11月10日(月) 11:21
現地9日(日)、インディアナポリス・コルツのランニングバック(RB)ジョナサン・テイラーは、華やかな個人パフォーマンスを見せながらも、仲間を称えることに終始していた。
83ヤードのタッチダウンランはエッジブロッカーたちのおかげだと話し、アトランタ・ファルコンズを相手にオーバータイムでチームに31対25の勝利をもたらした8ヤードのランについても、こう振り返っている。
「走ったことそのものよりも、そのプレーの後にチームメイトが自分を抱きしめてくれたことを覚えている」とテイラーは語った。
ドイツの首都ベルリンで行われたNFL初のレギュラーシーズンゲームを観戦したファンにとって、テイラーがタッチダウン3回と244ヤードを記録したこの日は忘れがたいものとなった。
コルツのキッカー(K)マイク・バッジリーが残り25秒で44ヤードのフィールドゴールを決め、試合は延長戦へともつれ込んだ。
第4クオーター残り1分44秒、ファルコンズはRBタイラー・オールゲイエが1ヤードのタッチダウンランでこの日2度目の得点を挙げ、25対22と逆転に成功していた。
テイラーは直前のドライブで83ヤードのタッチダウンランを決め、8勝2敗のコルツに22対17のリードをもたらし、このプレーは今季のNFL最長ランとなった。2ポイントコンバージョンはクオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズのパスがはじかれ、失敗に終わっている。
テイラーはフィールド中央の混戦を抜けると、左へ切り返してサイドライン沿いを一気に駆け抜け、エンドゾーンへ飛び込んだ。これでテイラーは殿堂入りRBエジャリン・ジェームズを抜き、コルツ史上最多となる通算65回のラッシングタッチダウンを記録した。
「外に抜けたときは迷いなんてなかった。ただ全速力でエッジを突き抜けるだけだった。エッジを守る仲間を信頼しているからこそ、ああいう特別なランが生まれるんだ」とテイラーは振り返る。
この試合でテイラーはキャリア3度目となる200ヤード超えを達成。自身の1試合最高記録はルーキーイヤーの2020年にマークした253ヤードだ。
テイラーは、1試合で200ランヤード以上と3回以上のラッシングタッチダウンを複数回記録したNFL史上4人目の選手となった。他にこの偉業を成し遂げているのはジム・ブラウン、エイドリアン・ピーターソン、そしてデリック・ヘンリーの3人だけだ。
今回の試合はベルリンで初開催となるNFLレギュラーシーズンゲームだったが、11月9日はドイツ国民にとってさらに特別な日でもあった。ベルリンの壁崩壊から36年の記念日にあたり、試合が行われたスタジアムはかつての西ベルリンに位置している。
ドイツ語でオリンピアシュタディオンと呼ばれるこのスタジアムは、1936年のベルリン五輪でジェシー・オーエンスがアドルフ・ヒトラーの目前で4つの金メダルを獲得し、ナチスの人種的優越主張を打ち砕いた場所として知られている。ファルコンズのヘッドコーチ(HC)ラヒーム・モリスは、オーエンスの偉業を紹介する映像をチームの選手たちに見せていたという。
「ここは歴史的な場所だ」とテイラーは語った。
「これまでここで驚くような偉業を成し遂げた人たちの歴史を振り返ると、自分もその一部になれたような気がする。この機会に心から感謝しているし、この地に小さな足跡を残せたことを誇りに思っている」
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