2勝8敗のジャイアンツが就任4年目のダボールHCを解任
2025年11月11日(火) 09:32
現地10日(月)、ニューヨーク・ジャイアンツがヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールを解任すると発表。チームはダボールHC体制の4年目にあたる今季、ここまで2勝8敗と苦戦している。
今後は攻撃コーディネーター(OC)マイク・カフカが暫定ヘッドコーチを務める見込みだ。
最初にダボールの解任を報じたのは『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートだった。
ジャイアンツでの3年半で20勝40敗1分の成績を残したダボール。就任初年度の2022年には成績を9勝7敗1分とし、チームをプレーオフ進出へ導くなど好スタートを切ったが、その後は低迷し、この2年半ではわずか11勝しか挙げられなかった。
日曜日に臨んだシカゴ・ベアーズ戦では終盤に10点のリードを守れずに惜敗。この試合はジャイアンツにとって4連敗を意味し、ダボールHC時代最後の試合となった。
ジャイアンツのジョン・マーラ社長とスティーブ・ティッシュ会長は月曜日に発表した共同声明で次のように述べている。
「今朝、われわれはフィールドにおけるフランチャイズの方向性について話し合い、現時点でヘッドコーチの交代が最善だと判断した」
「ここ数シーズンの結果はまさに失望的なもので、フランチャイズとしての期待を下回るものだった。ファンの皆さんの不満も理解しており、今後はチームの成果を大幅に改善できるよう努めていく」
「ダボールコーチのこの組織への貢献に感謝している。ダボール一家の今後のご健勝をお祈りしている」
ジャイアンツは月曜日、ジェネラルマネジャー(GM)ジョー・シェーンは現職にとどまり、新たなヘッドコーチの選考を主導するとも発表した。
なぜジャイアンツは今、ダボールを解任したのか? ダボールの解任には複数の要因が絡んでいた。2024年に不振に陥ったジャイアンツはかつてドラフト1巡目指名したクオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズをシーズン途中で放出し、3勝14敗でシーズンを終えた。ダボールはシーズン終了時に解任の危機を辛うじて回避したものの、2025年シーズンを迎える時点ですでにその座は危うくなっていた。
表向きには、ジャイアンツがダボールに複数のクオーターバックの選択肢を用意し、ジャイアンツを勝てるチームに導く最後のチャンスを与える姿勢を示していたように見えた。ダボールは2024年シーズン終盤にバックアップQBドリュー・ロックにキャリア最高のパフォーマンスを発揮させ、インディアナポリス・コルツ戦で番狂わせの勝利を収めるなど、チームを好転させる可能性をわずかながらも示していた。その結果、シェーンGMはベテランQBのラッセル・ウィルソンとジェイミス・ウィンストンを獲得した上で、4月にドラフト1巡目でミシシッピ大学出身のQBジャクソン・ダートを指名し、QB陣を再編した。
少なくとも、ダボールには選択肢があったと言えよう。一方、それがうまくいかなければ、在任期間が終わることを意味していた。
2025年シーズンの滑り出しは順調とは言えず、すぐにウィルソンが司令塔として最適な選択肢でないことが判明。ダボールは3試合を経てウィルソンの代わりにダートを起用した。ダートがプレシーズンで輝きを放った瞬間から、この動きは予想できたものだった。
この変更は即座に功を奏し、ダートは先発した最初の3試合で2勝を挙げた。その中には、本拠地で臨んだサーズデーナイトフットボールで昨季のスーパーボウル王者であるフィラデルフィア・イーグルスを大番狂わせで下した試合も含まれている。しかし、ジャイアンツはデンバー・ブロンコス戦での惜敗を皮切りに4連敗を喫し、その間に素晴らしいルーキーシーズンを送っていたランニングバック(RB)キャム・スカッテブーがシーズン終了を意味する脚のケガで離脱。最終的にはダボールも解任されることになった。
ダボールの解任はあらゆる要素を考慮すると、やや時期尚早だと言えるかもしれない。ダボールがオフェンスを前進させるために必要なクオーターバックを見つけ出したことは明らかであり、スカッテブーを失ってからはやや精彩を欠くものの、チームのパフォーマンスはジョーンズが在籍していた最後の数年間や、ウィルソンを先発に据えた今季最初の3試合よりもはるかに向上しているからだ。
結局のところ、問題は勝利数の不足だった。ジャイアンツは痛恨の敗北を重ねるのが常態化しており――今季だけでも10点以上のリードを守れずに敗れた試合が4試合あった――日曜日の試合では、ダートが後半に脳しんとうに見舞われた後、QBケイレブ・ウィリアムズ率いるベアーズに勝ち切るのに十分なリードを維持できなかった。
この2年間、特にジャイアンツが敗北した後に顔を赤らめて苛立ちをあらわにするダボールの姿はお馴染みの光景となっていた。日曜日、ついにジャイアンツは我慢の限界に達したようで、ダボール時代は正式に幕を閉じている。
暫定ヘッドコーチを務めるカフカに何を期待すべきか? ジャイアンツは指揮官を交代させたものの、ダートのルーキーシーズンの残り期間では、ある程度の継続性を保つ方が賢明だと言える。ダートがチームの将来を担うクオーターバックであることが明らかになっている中、カフカの昇格によって残り8週間におけるコーチ交代の影響は最小限に抑えられるはずだ。
カフカはすでにジャイアンツのプレーコーラーを務めていたため、ダートは脳しんとうプロトコルから復帰した後もヘルメットを通して同じ声を聞くことになる。また、ジャイアンツファンはシーズンの残り期間でこれまでと同様のオフェンスを目にすることになるだろう。ただし、ダートがジャイアンツ攻撃陣を勝利に導こうと試みる中で受けた接触の多さを考慮すれば、カフカはダートの起用法を調整する判断を下すかもしれない。
NFLでは後継者育成計画が一般的ではないが、組織図を見る限り、ダボール解任後はカフカを暫定HCとすることがチームの方針となる可能性が示唆されていた。
【RA】



































