攻撃陣の苦戦について語るレイダースQBスミス、「俺のせいにしろ」
2025年11月19日(水) 12:19
現地17日(月)夜に33対16でダラス・カウボーイズに敗れた後、ラスベガス・レイダースのクオーターバック(QB)ジーノ・スミスは“俺のせいにしろ”という言葉を繰り返した。
スミスはカウボーイズ戦でオフェンスがまったく機能せず、直近18回のドライブで初めてタッチダウンを挙げたのが既に勝敗が決まった第4クオーターだったという、散々な結果に終わった責任を一身に引き受けた。そして、最後には皮肉を込めた発言をしている。
「映像を見ただろ。月曜の朝に後知恵で批評する連中が映像を見ながらスクリーンショットを撮って、どの選手がオープンだったかを指摘しているのは知っている。君たちはどの選手がオープンだったかを見抜くんだろ。俺がもっと良いプレーをするしかない。ずっと言ってきたことだ。もし何かがおかしいと思ったら俺のせいにしてくれ。おかしかったら俺を責めろ。それしかできないだろ。子どもが学校でやらかしても、俺のせいにしろ。仕事に行く途中で車が故障しても、俺のせいにしてくれ」
スミスはカウボーイズ戦でパス42回中27回成功、238ヤード、タッチダウン1回、パサーレーティング77.3を記録し、インターセプト1回、サック4回を喫した。
ベテランQBのスミスは、シーズン初戦で現在9勝2敗のニューイングランド・ペイトリオッツを下した後、直近の9試合で8敗していることに、明らかに不満を覚えている。
スミスはここまで良いプレーができておらず、月曜夜には通算インターセプト数がマイアミ・ドルフィンズのQBトゥア・タゴヴァイロアと並んでリーグ最多タイの13回となった。負傷者が続出しているオフェンシブラインのブロッキングはランもパスもひどい状態で、武器となる選手は不在か若手、あるいはその両方だ。また、控えめに言っても、攻撃コーディネーター(OC)チップ・ケリーのプレーコールも疑問が残るものとなっている。
カウボーイズは試合に臨むにあたり、試合平均143ランヤード、キャリー平均4.8ヤードを相手に許していたにもかかわらず、レイダースは地上戦を確立しようとすらせず、最終的にキャリー12回で27ヤード(平均2.3ヤード)の獲得にとどまった。そのうち4回と14ヤード(チーム最多)は、スミスが3回のスクランブルと1回のニーダウンで記録したものだ。つまり、全58回の攻撃プレーの中で、レイダースがランニングバック(RB)にボールを託したのはわずか8回で、13ヤード(平均1.6ヤード)の獲得にとどまったということになる。RBアシュトン・ジェンティはキャリー6回で7ヤードにとどまり、第4クオーターにはセーフティを喫した。
オフェンシブラインはシーズンを通してブロックに苦戦してきたが、カウボーイズの再編された守備陣を試すことすらしなかったのは、コーチ陣の判断ミスと言えそうだ。しかし、ヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルはそのゲームプランを擁護している。
キャロルHCは攻撃スキームについて「見るべき人はただ1人、私だ。ゲームプランに影響を与えていたのは私だからだ」と述べ、こう続けた。
「相手を崩してビッグプレーを決められたのは良かったと思っているし、何が起こっているかは分かっていた。チップと私は状況を把握していた」
「ランとパスの構成で人を喜ばせることなんて、別に気にしていない。私はとにかくボールを前に進めようとしている」
シアトル・シーホークスの指揮官として全盛期を迎えていた頃、ラン中心の攻撃にこだわっていたキャロルHCから出た発言としては注目に値すると言えよう。
実際のところ、レイダースはパスでもランでもボールを前に進められていない。18ドライブ連続でタッチダウンなしというのは、レイダースにとっては特に異常な事態ではないのだ。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、2025年に15ドライブ以上連続でタッチダウンを挙げられなかったのはレイダースだけであり、それがすでに4回あるとのこと。
それは悪いオフェンスだと言え、その責任は全員にある。
キャロルHCとケリーOCが2026年も指揮を執るかはさておき、レイダース攻撃陣にとってはあらゆるポジションの強化が急務だ。その間、ドラフト全体6位で指名したジェンティを単なるスウィングパス要員以上の存在として活用することを試みるのは、下降線をたどる2025年シーズンを立て直すための第一歩として悪くはないのかもしれない。
【RA】



































