手首負傷のスティーラーズQBロジャース、出場判断は痛みへの耐性より“安全面”を重視
2025年11月20日(木) 09:31
ピッツバーグ・スティーラーズのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースがシーズン第12週に出場するかどうかは依然として不透明だが、本人はシカゴ・ベアーズという慣れ親しんだ敵との対戦に向けて準備を進めている。
シーズン第11週に勝利したシンシナティ・ベンガルズ戦の前半に左手首を負傷したことにより、ロジャースは今週、トレーナールームに送られ、現地19日(水)の練習には参加しなかった。その代わり、ロジャースはリハビリに積極的に取り組み、週の後半に手首の状態をテストする前に必要なケアを済ませている。
ロジャースは水曜午後に「リハビリ漬けだ。今日はゲイブ(アンポンサー、ヘッドアスレチックトレーナー)と一緒にリハビリに集中できてありがたかった。明日はフィールドに戻って、どこまでやれるか試すつもり」と語った。
スティーラーズのヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは火曜日、ロジャースは左手首を骨折したものの手術は必要ないとしたうえで、日曜日の出場可否については日毎に判断する方針だと述べている。
ロジャースは水曜日、プレーをするにあたっては“痛みに耐えられるかどうか”が問題なのではなく、“安全面”の方が重要だと説明した。
『ESPN』によると、ロジャースは「許可をもらわなきゃいけないし、自分で自分を守れると感じられるようになる必要もある」と語ったという。
出場可否が試合当日の判断になる可能性について問われたロジャースは、それはトムリンHC次第だと答えた。
ロジャースが出場できない場合は、ベテランバックアップQBメイソン・ルドルフが先発を務めることになる。ベンガルズ戦の後半からロジャースの代わりに出場したルドルフは、パス16回中12回成功で127ヤード、タッチダウン1回を記録し、プロとして見事なパフォーマンスを披露。結果的に大差での勝利となった試合の後半にスティーラーズ攻撃陣をしっかりけん引した。
ルドルフは今週、ベアーズ戦に向けて敵地に赴く準備をしなければならない可能性がある。ベアーズは直近8試合で7勝と好調だが、勝率5割以上のチームには一度も勝てていない。6勝4敗のスティーラーズは、たとえロジャースが欠場しても、シーズン第12週以降もその状態を保たせるつもりだ。
ロジャースにとってベアーズは個人的なつながりがある。ロジャースはグリーンベイ・パッカーズのフランチャイズQBとして長年、地区ライバルのベアーズと対戦(そして勝利)しており、パッカーズ時代の終盤にベアーズに勝利した際、相手のファンに向かって“俺の勝ちだ”と叫んだことは有名だ。
「どの相手にもやる気はわくけど、あの街では日曜も月曜も木曜も何度も楽しんだ」と振り返ったロジャースは「素晴らしいスポーツの街で、熱狂的なスポーツファンがいて、プレーするのに最高の場所だ」と続けている。
この発言には、ロジャースが現役最後のシーズンになると予想されている今シーズンに見せるようになった、やや抑制の効いた態度が表れていた。ロジャースは水曜日、かつて苦しめたベアーズファンのライバル心をあおるのではなく、高潔な振る舞いを見せている。ひょっとするとベアーズファンが日曜日にソルジャー・フィールドで手加減してくれることを期待していたのかもしれない。
シカゴで悪役として振る舞うことを楽しみにしているかと質問されたロジャースは「そうはなりたくない。もうグリーンベイにはいないしね。過去を水に流すことはできるんじゃないかな。たぶんできると思う」と答えている。
「あれは素晴らしいライバル関係だ。スポーツ史において、(ロサンゼルス)レイカーズと(ボストン)セルティックス、(ボストン)レッドソックスと(ニューヨーク)ヤンキースが語られるなら、パッカーズとベアーズについても語るべきだ。そこには数々の名勝負がある。グリーンベイに加入した当初は、ベアーズが通算対戦成績でリードしていた。自分が去る頃にはパッカーズがリードしていた。ジェイ・ラブ(ジョーダン・ラブ)が引き継いでから、さらに良くなっている。あちらのファンが過去を引きずらないことを期待している。きっとできると思うけど、彼らがそうするとは思っていない」
最後の言葉がすべてを物語っており、ロジャースは新たなチームを率いてシカゴに乗り込む際に、ベアーズファンの熱気が最高潮に達することを承知している。ベアーズファンはこの試合を、台頭しつつあるチームにとっての試金石と捉えるだろう。ベアーズはすでに7勝3敗の成績を収めているが、スティーラーズを下せば、真にその実力を示すことができるはずだ。
その過程でロジャースを打ちのめすことができれば、なおさら良い気分になるだろう。ロジャースが日曜日に出場し、ベアーズの夢を再び打ち砕けるかに注目だ。
【RA】



































