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ジャガーズ、臨時HCマローンが新HCに正式就任へ

2017年01月10日(火) 10:05

ジャクソンビル・ジャガーズのダグ・マローン【Rick Wilson/via AP Images】

ジャクソンビル・ジャガーズにヘッドコーチ(HC)調査を行う必要はなかった。組織内にその該当者が存在したのだ。

今シーズン、ジャガーズの臨時HCを務めたダグ・マローンがフルタイムでのHCに就任する模様だ。これは『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが9日(月)に内部関係者からの情報として報じたもの。この契約はすぐにでも正式に公表される見込みだとラポポートは伝えている。また、チームは過去にジャガーズHCの経験があるトム・コフリンをチーム副社長として迎える構えで、ジェネラルマネジャー(GM)デビッド・コールドウェルの契約延長もすでに行っている。いずれも2019年までの契約と予想される。

これら3者の動きは過去との連動性が色濃く、非常に興味深い人事となっている。クオーターバック(QB)ブレイク・ボートルスにとっては良い知らせになるかもしれないが、チームの命運を背負うマローンやコールドウェルにとっては相当なプレッシャーがかかるだろう。チームを早急に立て直す必要があり、マローンの在任期間は短くなる可能性もある。

オーナーやコールドウェルもジャガーズでアシスタントヘッドコーチ兼オフェンス/オフェンシブラインコーチを2年務めたマローンのことをよく知っており、2人にとってマローンのHC就任は安心感のあるものだったはずだ。今シーズン終盤、HCガス・ブラッドリーがまさかの解任となり、急きょ臨時HCを務めたマローンは1勝1敗の成績を残した。ラポポートはマローンの2週間に及ぶHC経験が正式HC就任要請の際に大きな要因となったようだと報じている。

ボートルスは興奮しているだろう。マローンによるQBボートルスへの全幅の信頼も、HC打診の1つの要素であったとラポポートは伝える。シラキュース大学やバッファロー・ビルズ時代にもマローンの下で働いたジャガーズ攻撃コーディネーター(OC)のナサニエル・ハケットは引き続き同職を担うとされる。

選手内よりもファンに広がる落胆の方が大きくなるのはこれが理由だ。今シーズンの得点数がリーグ全体25位と振るわなかったジャガーズ攻撃陣に、何か新しいスパイスが加えられることはない。一方、マローンがHC就任となれば、改善されつつあるチーム守備陣にまた、新しい戦術が取り入れられるだろう。

マローンにとってはビルズ以来、2年間ぶりのHC復帰となる。ビルズでのマローンは2シーズンで15勝17敗と不振にあえぎ、2014年シーズンを最後に契約をオプトアウト(早期離脱)した。

QBのEJ・マニュエル、カイル・オートンの活躍もあり、ビルズ時代のマローンは攻撃戦略に関しては実績を残したと言えよう。しかし、2014年のビルズが9勝7敗の成績を残したのは、大半は当時の守備コーディネーター(DC)ジム・シュワルツの手腕だった。

ディフェンスには新人コーナーバック(CB)のジェイレン・ラムジー、攻撃陣にはワイドレシーバー(WR)アレン・ロビンソン、アレン・ハーンズ、マーキス・リーの才能豊かな若き3人組がいる。彼らはボートルス次第で大きなチャンスを得るだろう。ジャガーズのデプスチャートには将来性があり、決して才能が不足しているということはない。

現オーナーのシャヒド・カーンが2011年にチームを買収して以降、チームが5勝以上を挙げた年はなかった。コールドウェルはすでに4年間を過ごし、今回で2人目のHCを迎える。あらゆる意味で、チームはコールドウェル・ボートルス時代にさらなる投資を行っているようにも見受けられる。今後のボートルスに関してはマローン次第だ。場合によってはチームが選手の総入れ替えを行う可能性もあるだろう。

その時にチーム内で権力を握る者はコフリンかもしれない。