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テキサンズ、今後の先発QBは新人ワトソンの可能性も

2017年09月11日(月) 10:30

ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Eric Christian Smith】

現地10日(日)に開催されたシーズン第1週のジャクソンビル・ジャガーズ戦前半、先発クオーターバック(QB)トム・サベージの低パフォーマンスにしびれを切らしたヒューストン・テキサンズのヘッドコーチ(HC)ビル・オブライエンが後半から新人QBデショーン・ワトソンを投入した。

テキサンズはジャガーズに29対7と大敗を喫したものの、後半から登場したワトソンはパス23回中12回の成功で102ヤードを獲得、1タッチダウン、1インターセプトを記録している。

ワトソンの初ポゼッションは危うくインターセプトに終わるところだったが、ジャガーズのペナルティによって事なきを得た。その後のプレーではワイドレシーバー(WR)ディアンドレ・ホプキンスをうまく使って4ヤードのタッチダウンパスを披露したワトソン。これが2017年にテキサンズが決めた初得点となり、登場からわずか6分後、1ドライブ14プレーで75ヤードをカバーした新人QBが壊滅的なチームに喝を入れた。

しかしながら、この試合でテキサンズがエンドゾーンにボールを運べたのはこのプレーのみ。その後は鉄壁のジャクソンビル守備陣が容赦なく新人QBにラッシュをかけ、ワトソンはプロの洗礼を浴びた。ディフェンシブエンド(DE)ダンテ・ファウラーによるサックを受け、セーフティ(S)タショーン・ギプソンにインターセプトされた際にはリターンタッチダウンにもなりかねなかった。

それでも、後半からQBを交代させたオブライエンHCの判断はまともだったと言えよう。2015年の第4週、アトランタ・ファルコンズに42対0と圧倒的な差を見せられていたオブライエンHCは同試合の第3クオーターでQBライアン・マレットをブライアン・ホイヤーに代えた。先シーズンの第15週でもブロック・オズワイラーに見切りをつけたオブライエンHCはサベージにQBを交代している。この試合のテキサンズはサベージの活躍によって逆転勝利を収めたが、今回はそのサベージが新人ワトソンに取って代わられることとなった。

試合後、オブライエンHCは「デショーンならチームの流れを変えてくれると思った。プレーを生み出したり、ポケットから逃げたり、そういった事をできるQBがほしかった。今日はトムもよく頑張ったし、タフな試合を経験した。彼のプロテクトがうまくいっていなかったのでデショーンに交代する決断を下した」と明かした。

2017年の“先発QB”として指名を受けたサベージだったが、ジャガーズ守備陣からのプレッシャーに何度も屈し、ポケット内での動きに迷いを見せた彼から同守備陣が計上したサックは前半だけで6度におよんだ。DEカライス・キャンベルにおいては前半だけで3.5サックを計上し、1試合におけるサック記録を打ち立てている。

オフェンシブライン(OL)がたびたび崩壊する中、ポケットからうまく逃げ道を見つけられなかったサベージ。結局、2度ファンブルさせられたサベージはそのうちの1つでリターンタッチダウンを決められている。その上、プレッシャーがかかっていない時にもスローミスが目立った同QBは相手選手が密集するところにボールを放ることも多かった。

ポケット内で常に不安な動きを見せていたサベージに対し、ワトソンは初ドライブからいきなりその動きの良さを証明した。ポケット内から脱出したワトソンはパスターゲットを探すために時間を稼ぎ、また、自らのランでもヤードをゲインしている。

オブライエンHCは「(サベージは)ベストを尽くそうと頑張っていた。今回の決断は私自身で決めたこと。ゲームに何かしらの違いを出したかった」と語った。

第2週の先発QBについてオブライエンHCが明言することはなかったものの、第1週のテキサンズオフェンシブライン(OL)が壊滅的であったことや試合後に見せたオブライエンHCの冴えない雰囲気から察するに、第2週の先発はワトソンになる可能性が高そうだ。新人QBがプレッシャーからの逃れ方を知る一方で、サベージがチームにもたらす良い効果はほとんどないだろう。

最後にオブライエンHCは次戦の先発QBについて次のように語った。

「分からない。今日の試合を踏まえ、時間をかけて決めたい。シンシナティ・ベンガルズ戦に向け、何が最善のアプローチであるかを見極める」

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