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【第52回スーパーボウル】イーグルスの初勝利なるか、ペイトリオッツの2連覇か!?

2018年02月05日(月) 12:56

ニューイングランド・ペイトリオッツとフィラデルフィア・イーグルス【AP Photo/Jeff Roberson】

現地4日(日)、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスにあるUSバンク・スタジアムで第52回スーパーボウルが行われ、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)を制したニューイングランド・ペイトリオッツと、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)覇者のフィラデルフィア・イーグルスが対戦した。

2017年シーズンのNFL王者を決めるスーパーボウルは極寒の地ミネソタが舞台とあってスーパーボウル史上最低気温を更新したが、スタジアムに詰めかけたファンの熱気は寒さを吹き飛ばすほど。歓声の大きさを比較すると、ややイーグルスファンの数が多く、オープニングドライブでクオーターバック(QB)ニック・フォールズの17ヤードパスが通れば溢れんばかりの大歓声が上がった。

イーグルスは順調にペイトリオッツ陣地に進み、レッドゾーンにまで到達したものの、フォールズがワイドレシーバー(WR)ネルソン・アゴラーに放ったパスはつながらず、さらにエンドゾーンに駆け込んでいたWRアルション・ジェフェリーを狙うも、相手ディフェンスに阻まれてタッチダウンはかなわなかった。フィールドゴールで先制点を挙げたイーグルスだったが、直後のドライブでペイトリオッツにフィールドゴールを返されている。

しかしながら、序盤から飛ばすイーグルスはランニングバック(RB)レギャレット・ブラントの36ヤードランで敵陣に前進した後、フォールズがエンドゾーンに向かっていたジェフェリーに34ヤードパスを通してタッチダウンを決める。イーグルスファン待望の初タッチダウンにUSバンク・スタジアムが揺れた。ただ、キッカー(K)ジェイク・エリオットがエキストラポイントに失敗して6点の追加にとどまっている。

ペイトリオッツは次の攻撃ドライブでフィールドゴールのチャンスを得るも、Kスティーブン・ゴストコウスキーが外してしまい、追加点ならず。イーグルスの攻撃をパントに抑えたペイトリオッツはQBトム・ブレイディの23ヤードパスでイーグルス陣地に進入するも、WRブランディン・クックスが相手ディフェンスから強烈なヒットを受けてしまう。自力でフィールドを去り、ロッカールームに下がったとはいえ、頭部への負傷とあってチームはクックスを除外すると明かしている。

一方、完全にリズムをつかんだ様子のイーグルスはRBジェイ・アジャイのランとフォールズのパスなどでヤードを稼ぎ、敵陣21ヤード地点からブラントが俊足を生かしてエンドゾーンに駆け込み、タッチダウンの追加点を挙げる。少しでもリードを広げたいイーグルスは2ポイントコンバージョンに打って出るも成功ならず。

フィールドゴールで追加点を得たペイトリオッツはイーグルスの攻撃ドライブでフォールズが敵陣深くに走り込んでいたジェフェリーに放ったパスを奪い取ってターンオーバーにつなげる。ジェフェリーがつかみ損ねたボールを手に入れたのはフリーセーフティ(FS)のデュロン・ハーモンだ。この好機をペイトリオッツが逃すはずもなく、RBディオン・ルイスが素晴らしいランで前進に貢献し、ブレイディが43ヤードのロングパスを決めたドライブはRBジェームス・ホワイトが26ヤードのタッチダウンランで締めくくった。Kゴストコウスキーがエキストラポイントキックを外してしまい、この時点でイーグルスのリードは3点に減る。

それでも、イーグルスは前半最後の攻撃ドライブでQBフォールズがRBコリー・クレモントにボールを託し、俊足のルーキーが懸命にフィールドを疾走。55ヤードを前進して一気にレッドゾーンに入ったイーグルスは再びクレモントにボールを委ねたが相手ディフェンスに阻まれ、フォールズからジェフェリーへのパスもインコンプリートに終わったものの、次のプレーでフォールズがエンドゾーンのサイドに向かって抜け出し、そこにタイトエンド(TE)トレイ・バートンが1ヤードパスをつないでタッチダウンを成功させた。エキストラポイントも得て10点差に広げたイーグルスが好調のままに前半をリードして折り返している。

ハーフタイムショーを終えて迎えた後半、ペイトリオッツのQBブレイディがTEロブ・グロンコウスキーへの25ヤードと24ヤードのパスを続けて成功させ、ホワイトが足で稼いだ後、再びブレイディとグロンコウスキーのホットラインがつながってレッドゾーンに到達する。最後もブレイディからグロンコウスキーに5ヤードパスが通り、タッチダウンの追加点で3点差に迫った。

と思ったのも束の間、イーグルス攻撃陣がテンポよく敵陣に進み、QBフォールズがクレモントに22ヤードのタッチダウンパスをつなげて突き放しにかかる。オフィシャルがプレーを見直すも、タッチダウンは有効と判断され、エキストラポイントを確実に決めたイーグルスのリードが再び10点に広がっている。ところが、攻撃のリズムをつかみ始めたペイトリオッツはブレイディがWRクリス・ホーガンに26ヤードのタッチダウンパスをつなぎ、イーグルスに引き離されまいと食らいつく。

イーグルスは最終クオーター開始直後にフィールドゴールの追加点を得たが、その直後、ペイトリオッツのブレイディとグロンコウスキーのコンビが再びタッチダウンを成功させ、ついに同点に追いついた。エキストラポイントをしっかりと決めたペイトリオッツが1点をリードする展開に変わる。

だがしかし、まだドラマは終わっていなかった。

残り時間9分30秒を切って始まったイーグルスの攻撃ドライブ、アジャイのランやフォールズのパスでペイトリオッツ陣地に攻め込むと、エンドゾーン手前11ヤードからフォールズがTEザック・アーツにドンピシャのパスを放ち、相手ディフェンスに引っかかりながらもゴールラインを割ってタッチダウン! オフィシャルのレビューが入るもプレーは有効と認められ、2ポイントコンバージョンに挑んだイーグルスだったが失敗に終わる。

さらに、すでに5回のスーパーボウル制覇を経験しているペイトリオッツのブレイディをサックし、ファンブルボールをリカバーして攻撃権を得たイーグルスはフィールドゴールで確実に追加点を得て8点差に持ち込み、試合終了まで約1分を残してペイトリオッツの攻撃ドライブが始まる。

なかなかファーストダウンを更新できなかったペイトリオッツ攻撃陣だが、ブレイディがWRダニー・アメンドーラに13ヤードパスをつなぎ、グロンコウスキーにも11ヤードと16ヤードのパスを通して前進。タイムアウトを取った後、最初のパスがインコンプリートになったブレイディはエンドゾーンに向かって突進していたグロンコウスキーにロングパスを投げたが、これもボールはつながらずに万事休す。試合終了を迎えてイーグルスのスーパーボウル初制覇が決まった。

イーグルスは最終的に41対33でペイトリオッツを下している。