ビルズはQBテイラーを放出せずか
2018年02月23日(金) 10:44リーグの新年度が始まる前にバッファロー・ビルズがクオーターバック(QB)タイロッド・テイラーを放出するつもりはないのかもしれない。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地22日(木)、『Up To The Minute Live(アップ・トゥー・ミニット・ライブ)』の中でビルズにはテイラーをリリースするプランはなさそうだと報じた。
ラポポートは「現時点で代わりとなる選手をまだ見つけていない以上、チームがテイラーを切ることはない。ビルズはテイラーをロースター入りさせたまま、彼に対してロースターボーナスとなる600万ドル(約6億4,000万円)を支払うことに抵抗はなさそうだ」と伝えた。
ビルズが28歳のテイラーをリリース、あるいは、トレードするだろうといううわさは球界に広がっていた。トレードの可能性は現在もまだ十分にありそうだが、現時点でのビルズには正QBのテイラーを放出する気はないようだ。
テイラーは2018年度のベースサラリーである1,000万ドル(約10億6,000万円)と600万ドルのロースターボーナスをリーグ新年度の3日目に獲得する予定だ。先シーズンは契約の再構築を行ったテイラーだったが、新シーズンに同様の対応が行われることはないだろう。
昨季のシーズン第11週、ロサンゼルス・チャージャーズとの一戦を前にヘッドコーチ(HC)のショーン・マクダーモットが新人のネイサン・ピーターマンを起用した時点で、テイラーにはチームを去る覚悟ができていたのかもしれない。この試合前半だけで5つのインターセプトを喫したピーターマンに代わってすぐさまテイラーがフィールドに戻り、チームは最終的に17シーズンぶりとなるプレーオフ進出を果たしている。
2014年から先発を担ってきたテイラーのプレーを良しとしないコーチがチームに2人ほどいることがこれまでに報じられている。ミドル以上のターゲットをなかなか狙わないことや、オープンなワイドレシーバー(WR)を見逃すテイラーに対してフラストレーションが溜まっているビルズファンも多い。
ビルズはテイラーの代わりとしてドラフト指名権をオファーするチームを待っており、テイラーを本当にリリースする必要が出てきたときに状況をひっくり返すつもりなのかもしれない。チームは今、デンバー・ブロンコスやニューヨーク・ジェッツのようなチームが手を挙げるかどうかを見定めているのだろう。
ビルズにはまた、そもそもテイラーを起用する以上のオプションが存在しないという説もある。
チームのロースターには他にQBピーターマンしかおらず、2年目に大ブレイクでもしない限りドラフト5巡目指名のピーターマンが先発を務めることはなさそうだ。ビルズにはカーク・カズンズのような高額な選手を起用できるほどの余裕はなく、ケイス・キーナムやAJ・マカロンといった選手らの獲得競争からもあぶれてしまうだろう。フリーエージェント(FA)選手らを調べあげた結果、ビルズはおそらく、1,800万ドル(約19億円)でキャップヒットするテイラーを保持することが他の選択肢よりも賢明であると判断したのかもしれない。
ビルズには1巡目で前途有望なルーキーを獲得するためのドラフト指名権が豊富にあり、全体21位と22位の指名権を保持するほか、2巡目での指名権も2つ持っている。来たるドラフトで狙いのQBを指名できなかった場合に備え、ビルズはテイラーを保険としてチームにとどめている可能性もある。当然ながら、新人とテイラーのようなベテランQBを一緒に行動させるプランは名案と言えよう。
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