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バッカニアーズQBウィンストンに3試合の出場停止処分

2018年06月29日(金) 10:08

タンパベイ・バッカニアーズのジェイミス・ウィンストン【AP Photo/Chris O'Meara】

今、タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)ジェイミス・ウィンストンに対する制裁は公式なものとなった。

現地28日(木)、リーグはウィンストンに対し、リーグの行動規範に違反したとして2018年シーズン開幕3試合の出場停止処分を言い渡した。このニュースはNFL情報局『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが最初に報じたものだ。

NFLネットワークのレポーターであるトム・ペリセロによれば、今回の決定は“交渉による和解”の結果だとしてウィンストンが控訴を行うことはないようだ。ウィンストンに科される処分は2016年3月、アリゾナ州スコッツデールにて起きたウーバー(一般の提携ドライバーによる配車サービス)の女性運転手への痴漢疑惑事件に基づくものとのこと。

NFLはウィンストンが不適切、または、性的な方法で相手の同意なしに女性運転手に触れたことによるリーグ行動規範の違反があったとし、今回の処分は必要、かつ、適切であると結論づけた。また、処分の一部としてウィンストンには診療所での診察結果と、推薦された治療的介入プログラムへの完全参加が求められている。

声明の中でリーグは「診療所での診察結果を得ること、また、治療的介入プログラムに従事することに失敗した場合はさらなる処分が科される。加えて、さらなるリーグ行動規範の違反はNFLからの追放といった重大な処分へとつながりかねない」としている。

24歳のウィンストンはこのリーグの決定に対して素早く反応。ラポポートが入手したウィンストンの声明は次のように記されている。

「NFLが今日、自分が開幕から3試合に出場停止となることを伝えてきた」

「何よりもまず、このような状況に追い込んでしまったウーバーの運転手に対して本当に申し訳ないと思っている。自分らしい行動ではなかったことを心から謝罪したい。ここ2年半の間、私はたくさんの経験や機会で満たされていたし、また、人生でお酒を断つといった出来事も含み、自分が成長して大人になり、学習するためのたくさんのイベントに囲まれてきた」

「フィールドの内外を問わず、自分自身が常に高い基準の下にいなくてはいけないことを理解しているし、神が恵んで下さったこの舞台で生きるかぎり、家族やコミュニティ、そして、チームメイトに対する責任があることも分かっている。チームメイト、バッカニアーズ組織、ファンの皆様に対して失望させてしまったこと、そして、シーズンの3試合に出場できなくなってしまったことを深くお詫びしたい。NFLの決定には落胆しているが、NFLのプロセスを理解し、今回の決定を今後の目標達成における資源として最大限有効に活用できる良い機会として受け入れている」

「現在はこれを乗り越えることを楽しみにし、コミュニティ内にポジティブな影響を与えられるよう毎日ハードに働き、できるかぎりベストな人間、チームメイト、そして、リーダー的存在になりたいと思っている」

ウィンストンは今回の謝罪以前、昨年11月にこの痴漢疑惑を公式に否定していた。

ウィンストンはニューオーリンズ・セインツ、フィラデルフィア・イーグルス、ピッツバーグ・スティーラーズ戦に欠場となり、チームにとってのシーズン第4週となるシカゴ・ベアーズ戦から復帰する予定だ。今回の処分は9月1日(土)から正式に開始となり、25日(火)に終了する予定となっている。

バッカニアーズは声明で次のように述べている。

「わが組織のすべてのメンバーはNFLの個人行動規範に順守した行動を取るように期待されている。私たちはジェイミスがこの規範に違反し、コミッショナーによる今日の決定を受け入れなくてはならない状況に自らをおとしめたことに失望している」

ウィンストンの処分が確定したことで、ライアン・フィッツパトリックとライアン・グリフィンは一時的なQB先発枠を争うことになるだろう。また、バッカニアーズのロースターにはQBオースティン・アレンも登録されている。

来季終了後までの契約を結ぶウィンストンがキャリアの転換期を迎えたとも言えるだろう。

【S】