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ジェリー・リチャードソンの捜査終了、約3億円の罰金

2018年06月29日(金) 11:32

カロライナ・パンサーズの本拠地バンク・オブ・アメリカ・スタジアム【AP Photo/Mike McCarn, File】

現地28日(木)、リーグによる調査で職場での性的差別や人種差別発言の申し立てを実証する証拠が見つかったのを受け、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルはもうじきカロライナ・パンサーズの“元”オーナーとなるジェリー・リチャードソンに対して275万ドル(約3億円)の罰金を科した。

元連邦検事であり、現在は米国証券取引委員会の委員長を務めるメアリー・ジョー・ホワイトが中心となって行われた調査では、性的差別や人種差別があったとの主張の真実性を阻害する情報や、主張を行った従業員たちの信頼性を損なう情報は見つからなかったという。これに加えてホワイトは、パンサーズとそのオーナーシップが12月に公(おおやけ)となるまではNFLに対し、告訴に結びついた主張や意見を報告しなかったことを改めて確認した。

NFLは声明文の中でこのように述べている。

「ホワイトが発見したことに基づき、コミッショナーのグッデルはリチャードソン氏に対して275万ドルの罰金を科した。罰金は職場の内外を問わず、人種や性別に基づく問題に取り組むための組織運営をサポートするために使われることになる」

パンサーズが発行した声明文にはこのように記されていた。

「カロライナ・パンサーズは先日、NFLから職場での問題行動に対する調査が終了したとの知らせを受けた。われわれは調査中も全面協力し、いかなる問題行動にも対応するための事前対策を講じてきた。調査が完了した一方で、われわれはこの組織のすべての側面における改善に従事し、全従業員が安全で正当に評価されていると信用できる環境作りを促進してきた」

81歳のリチャードソンに対する告訴が公となった後、コミッショナーのグッデルがホワイトを調査官に任命し、その数日後にリチャードソンはチーム売却の意志を表明。日常管理業務は過去20年を通してチームで働いてきたティナ・ベッカーに引き継がせていた。

先月に実施された春季リーグミーティングでは億万長者のヘッジファンドマネジャーであるデビッド・テッパーが最終購入額22億7,500万ドル(約2,500億円)でパンサーズの新オーナーに満場一致で承認された。この売却は来月に正式なものとなる予定だ。

パンサーズは今回の調査を機に職場内の行動改善を図るためさまざまな対策を講じてきた。リーグによれば、チームは厳格なアンチハラスメントや非差別ポリシーを導入し、外部からの専門家などを招聘(しょうへい)して職場内トレーニングを行っていたとのことだ。

これらに加え、コミッショナーのグッデルはパンサーズに対して人種差別、セクシャルハラスメント、その他関連した職場環境における問題の声に対処する組織内の継続されたポリシーやプログラムの進捗状況を1年の終わりまでに報告させるというホワイトの推薦を受け入れ、そのアイデアを採用している。

最後にコミッショナーのグッデルはこのようにも述べていた。

「メアリー・ジョー・ホワイトによる諸々の問題への注意深く徹底した調査に対し、また、パンサーズやNFL全体を思った上での彼女の助言にも感謝している。彼女の推薦はわれわれの職場が開かれた差別のない尊敬し合える環境になることを確実にしてくれるだろう」

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