バイキングスがRBクックを筆頭にランゲームで勝負へ
2018年12月18日(火) 13:08攻撃コーディネーター(OC)を解任するまでして道を模索したミネソタ・バイキングスのヘッドコーチ(HC)マイク・ジマーが、ようやく攻撃陣における答えを見いだしたようだ。バイキングスは今後、ランゲームで勝負していくようだ。
現地16日(日)、マイアミ・ドルフィンズに41対17で圧勝したバイキングスは合計220ランヤードを記録した。ランニングバック(RB)ダルヴィン・クックはこの日、キャリアハイとなる136ランヤードをマークし、19回のキャリーで2回のタッチダウンも決めている。
バイキングスがようやくシーズン開始前に期待されていたようなパスによるプレーアクションとのコンビネーションでクックのダイナミックさを生かし、相手ディフェンス陣を翻弄するという攻撃展開を披露できた。
ワイドレシーバー(WR)のアダム・シーレンはスポーツメディア『The Athletic(ジ・アスレチック)』にクックについてこのように語っている。
「あれが毎日の練習で見てきた男だ。自分たちもダルヴィンがこのような機会を得ることや、彼にこの攻撃陣をリードさせる時を待ちわびていた。全員、ダルヴィンがどんなタイプの選手であるかは把握している。この攻撃陣にとって彼の存在がいかに大きいかもみんな知っている。俺たちは前に進んでいかなければならないし、残りは彼に乗っかっていくつもりだ」
ドルフィンズ戦での勝利によってバイキングスはポストシーズン進出に向けてまた一歩前進したものの、フィラデルフィア・イーグルスとワシントン・レッドスキンズの両チームも白星を挙げている。バイキングスは残り2週間で同地区のデトロイト・ライオンズ戦とシカゴ・ベアーズ戦を迎える予定だ。
OCの変更によって、チームのラン攻撃は大きく変化していた。
第1週から第14週のバイキングス攻撃陣はラン33.0%、1試合平均85.4ヤード(リーグ30位)、1キャリー平均4.1ヤード、6回のラッシングタッチダウンを記録していたが、第15週にはラン63.5%、合計220ランヤード、1キャリー平均5.5ヤード、3回のラッシングタッチダウンを記録している。
クック自身は自分の役割について「最高さ。みんなで勝てた。最高に気持ちいいよ。自分の手にボールが渡ってくれば、いつだってプレーメイクしようと思っている。10回だろうと、5回だろうと関係なくね。キャリーの数は関係ないんだ。自分の仕事はプレーメイクすること。今回はフィールド上で何回かそうすることができた」と述べていた。
NFLはクックがドルフィンズ戦で披露した鮮やかなスピンムーブを『Twitter(ツイッター)』に投稿している。
.@DalvinCook LOVES that spin button 😯
📺: CBS #SKOL pic.twitter.com/zZPmNspChr
— NFL (@NFL) 2018年12月16日
「@DalvinCookはスピンボタンが大好き」
16日のゲームでチームが見せた攻撃は単純にドルフィンズのランディフェンスがリーグ29位だから展開されたものなのか、あるいは、新OCであるケビン・ステファンスキー指揮下で今後も披露されていくものなのかが問題だ。
ランディフェンスにおいては力のあるライオンズ戦や、すばらしいディフェンス陣を誇るベアーズ戦でクックが同じような活躍ができない可能性はあるとしても、戦略的変更は結果ではなくそのプロセスが大切とされる。
『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、今週のバイキングスは以前のOC時よりもアンダーセンターにクオーターバック(QB)カーク・カズンズを配置していた。ジョン・デフィリッポ指揮下のバイキングスはオフェンシブプレーの65.6%でショットガンフォーメーションを敷いていた一方、シーズン第15週ではこのフォーメーションを31.7%(シーズン最低)にまで低下させている。
ドルフィンズ戦勝利後のジマーHCが指摘していたように、QBがアンダーセンターにいる際にプレーアクションを守るのはよりタフな話ではある。それでも、『ESPN』のコートニー・クローニンによると、16日のカズンズはアンダーセンターから6回のパスを投じて6回の成功、103ヤード、タッチダウン1回をマークしていたという。
OC交代とクックの爆発によって、バイキングスにはこれまでに思い描いてきたスーパーボウル進出という夢が再び叶う可能性が浮上している。
最後にジマーHCは「これによってオフェンスの選手たちは自信を取り戻していると思う。今週の彼らは本当に興奮していたんだ、今回のようなフットボールがようやくできるようになったということについてね」と明かしていた。
【S】