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“キックオフ”なしのAAFがいよいよ開幕

2019年02月08日(金) 12:44


【Aaron M. Sprecher via AP】

スーパーボウルが終わってニューイングランド・ペイトリオッツの優勝パレードも盛大に行われ、2018年度のNFLのシーズンが幕を閉じた。だが、今年はここからもう1つのフットボールが始まる。

現地2日(土)、アライアンス・オブ・アメリカンフットボール(AFF)による初シーズンがいよいよ“キックオフ”、つまりは開幕を迎える。ただし、この新プロフットボールリーグにおいて実際の“キックオフ”はないようだ。

AAFには8つのフランチャイズがある。今週土曜日からサンアントニオ・コマンダーズがサンディエゴ・フリートを、オーランド・アポロスがアトランタ・レジェンズをホームに迎えてリーグの開幕を告げるゲームを行い、その翌日にはソルトレイク・スタリオンズが敵地でアリゾナ・ホットショッツと、メンフィス・エクスプレスが敵地でバーミンガム・アイアンと戦う予定だ。

テレビをつけるのが遅れたとしても、ルール上キックオフのないAAFのゲームでキックオフシーンを見逃すことはない。さらに、このリーグにはNFLと異なるルールがいくつか存在しているようだ。

元NFLの審判部門副社長のマイク・ぺレイラは5日、『Associated Press(AP通信)』を通じて「選手たちはすばやく順応している。それにより、ちょっとした時間の節約にもなるだろう。われわれの目標は1試合を2時間半程度で行うことだ」と明かした。

ペレイラは先日4試合のエキシビションゲームを行ったAAFのコンサルタントを務めている。

AAFはテレビや映画プロデューサーであるチャーリー・エバーソルが発表した春季リーグとも呼ばれるプロリーグだ。バッファロー・ビルズやカロライナ・パンサーズでジェネラルマネジャー(GM)を、インディアナポリス・コルツでは球団社長を務め、その功績から殿堂入りも果たしているビル・ポーリアンが共同設立者となったリーグには、NFLと異なる多数の変化が加えられている。

キックオフなしでゲーム時間を短縮しつつ、さらには安全面にも配慮したAFF特有のルールには以下のようなものがある。

・AFFではタッチダウン後に必ず2ポイントコンバージョンを行う(キックの選択ができない)。また、オーバータイムでのフィールドゴールもない。

・試合ペースのスピードアップを願いつつ、プレークロックは35秒(NFLのゲームクロックは40秒)に設定。リプレー検証は2回のチャレンジシステムで採用される。

・オンサイドキックをなしとする代わり、“オンサイド・コンバージョン”の選択肢が加わる。残り時間5分以下で17点差以上のリードを許している場合、チームはタッチダウン後に28ヤードラインからフォース・アンド・12のコンバートに挑戦することが可能となる。

・オーバータイムではそれぞれのチームに敵陣地10ヤードラインからのポゼッションが1回ずつ与えられる。タッチダウンのみが認められ、両チームのポゼッションが終了した場合はタイゲームで終了する。

・スカイジャッジ・オフィシャルという審判員が導入され、ゲーム中のいかなる時でもプレーヤーの安全を配慮した違反行為などに対するペナルティの付与が可能。残り時間5分間からはパスインターフェアも監視する。

ペレイラはAAFの安全を考慮したルールについてこのように説明していた。

「ヘルメットからヘルメットへのヒットがフィールド上でコールされなかった場合、9番目のオフィシャルが指摘することもある。彼にはその場でそうする権限が与えられている。リプレー検証になることはない。・・・彼はフィールド上で“バーミンガムのナンバー33、ヘルメットのヒットで15ヤードのペナルティ”などというようにコールすることが可能だ」

「審判部門の他のクルーがいることにより、リプレー検証をせずともフィールド上で誤りを修正する機能が備わっている。検証のために3分間の中断をすることもない」

【S】