ニュース

COVID-19感染から復帰後も絶好調のレイブンズQBジャクソン

2020年12月10日(木) 13:35


ボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソン【AP Foto/Nick Wass】

ボルティモア・レイブンズのクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から復帰するや否や、ダラス・カウボーイズを蹴散らし、現地8日(火)にチームを34対17の勝利へと導いた。

ジャクソンとレイブンズはカウボーイズの貧弱なディフェンスの間を思うままに走り抜け、294ラッシングヤードを記録した。COVID-19に感染したジャクソンは先週の試合を欠場しているにもかかわらず、合計13回のキャリーで94ヤードを走った上に自らタッチダウンを決めている。パスでも107ヤードとタッチダウンを2つマークした。

ジャクソンはウイルスに感染したことについて「他の人には絶対にかかって欲しくない。いいことなんて何もない」と話しており、いまだに嗅覚と味覚が戻っていないと言う。

「シーズンをまるまるプレーしていないみたいだった」とジャクソンは加え、チームの公式サイトでは次のようにコメントしている。

「仲間とまた一緒になれて最高の気分だった。練習やロッカールームに入っていく時とか、なんでもないところで“やっとみんなの顔を見られたよ”って感じだった。会ってないのはたった2週間だったのに。俺たちにとって試合を勝つことがどれだけ大事かを分かっているから、チームのためにフィールドに出て早くプレーしたくて仕方なかった」

ニューイングランド・ペイトリオッツQBキャム・ニュートンは、以前にCOVID-19に感染した際は復帰するのに苦労したことを認めている。だがジャクソンは、鉄槌を持っていたとしてもアリすら止めることのできないカウボーイズのディフェンス陣を相手に、感染前と変わらぬパフォーマンスを見せつけた。

火曜日はジャクソンのキャリアの中で2回以上のパッシングタッチダウンと、1回以上のラッシングタッチダウンの両方を決めた3回目の試合となる。ランゲームに歯止めをかけられないカウボーイズのディフェンスをうまく利用したのは言うまでもないが、ジャクソンのパスも以前より良くなっていた。数字は特段目立ったものではないが――レイブンズは派手なパス記録を必要としていなかった――ジャクソンの精度はそれまでより上がっている。エンドゾーンの角にいたワイドレシーバー(WR)マーキス・ブラウンへ、走りながら放ったピンポイントのタッチダウンパスが決まったのはそのことを証明している。先発した試合でキャリア最長の6試合続けてパサーレーティングが100を切っていたが、ジャクソンはようやくその流れを断ち切った。

第1クオーターで37ラッシングヤードを稼いだジャクソンは、最初の3シーズンで5,000以上のパスヤードと2,500 を超えるラッシングヤードの記録を持つNFL史上唯一の選手となった。1試合当たりのキャリー数が平均10回以上となる選手の中で、ジャクソンがマークした1回のキャリー当たり5.9ヤードの記録は、NFL史上最も高く、後に続くのは元ロサンゼルス・レイダースのランニングバック(RB)ボー・ジャクソン(5.9ヤード)だ。

実のところ、ジャクソンがどのような形でリザーブ/COVID-19リストから戻って来るかは誰にも分からなかった。収束の兆しが見えないこのウイルスは人によって異なる影響を与え、元のコンディションに戻るのに何週間もかかった選手もいる。

レイブンズはプレーオフに向けた戦線にとどまるため、NFLの現MVPが火曜日に見せたような活躍を渇望していた。

レイブンズのヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは「ラマーについて分かっていることがあるとすれば、それは彼が全力を尽くすということだ。それ以外に望むものはない」と話している。「いつも持っているものを全て出し切っている。どうやら今晩はかなりのものを蓄えていたようだ。見ていて気持ちが良かった。きっと誰にも予想できなかったことだろう」

「練習に出てきた時にはラマーの調子は良かった。力強く健康な状態だった。何よりゲームプランに遅れをとっていなかったことに感心した。療養中もしっかりと勉強していたのだろう。その結果いいフットボールの試合ができた」

この試合によってレイブンズは7勝5敗となり、プレーオフへの切符を手に入れるまであと1勝となる。第14週で待ち受けるのは9勝3敗のクリーブランド・ブラウンズとのAFC北地区同士の大一番だ。

【R】