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ラムズQBゴフ、ペイトリオッツ戦を前に第53回スーパーボウルの苦い思い出を語る

2020年12月10日(木) 14:24


ロサンゼルス・ラムズのジャレッド・ゴフ【AP Photo/Carolyn Kaster】

現地10日(木)に行われるニューイングランド・ペイトリオッツ対ロサンゼルス・ラムズの試合は、第53回スーパーボウルと同じ対戦カードとなる。当時ヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックが指揮するペイトリオッツのディフェンスは、ショーン・マクベイHC率いるラムズオフェンスの息の根を止め、13対3でチャンピオンとなった。

合計16点というNFL史上最も得点の少ないスーパーボウルとなり、ラムズの3得点はこのチャンピオンシップゲームにおける史上最少得点に並んだ。それまでに1試合平均32.9得点を挙げてきたマクベイHCのチームとしては驚くべき結果となった。

今日に至るまで、この3点はマクベイHCの在任中にラムズが記録した最も少ない得点であることに変わりはない。

そしてラムズのクオーターバック(QB)ジャレッド・ゴフにとっても、この日のいい思い出は数少ないようだ。

何か特別な思い出はあるかと記者団に聞かれたゴフは「まあ、あまりいいのはないよ」と答えており、次のように続けた。

「スーパーボウルの週がとても思い出深いものになったことは確かだよ。でも知っての通り、試合は俺たちの思うようにはいかなかった。それでもあの場に立てたこと、あの雰囲気に浸ってスーパーボウルを経験できたことは、俺だけでなくチームにとって大きな財産となった。また出場する機会があれば、次こそ俺たちの試合をしてみせる」

第53回スーパーボウルでベリチックHCはゴフを容赦なく叩きのめした。

『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、ペイトリオッツはゴフのドロップバックの52.4%に対してブリッツを仕かけている。これはプレーオフを含み、彼のキャリアの中で2番目に高い率となる。ブリッツに対してゴフはこの日19回中9回のパスで118ヤードしか稼げず、インターセプトもされている。

ベリチックHCの教え子であるマイアミ・ドルフィンズのブライアン・フローレスHCは今季序盤にこのパフォーマンスを再現し、ゴフを世間に忘れ去られたQBの地に追いやろうとした。今シーズンの第8週にドルフィンズと対戦したゴフはドロップバックの50.8%(キャリアーで3番目に高い率)にブリッツを受けている。ゴフはブリッツに対して30回のうち14回のパスを通して155ヤードを稼ぎ、タッチダウンと被インターセプトを1回ずつ記録した。ゴフはこの日さらに2回サックされ、ファンブルによってボールを2回失ったうちの1回はドルフィンズが得点につなげ、最終的には28対17で試合を落としている。

ペイトリオッツは今季にフリーエージェント(FA)やオプトアウトによって大量のディフェンス選手を失っている中、ベリチック軍団が同じようにブリッツ頼りの策略に出るかは要注目となる。

当時ペイトリオッツにいたQBトム・ブレイディを抑えられていたにもかかわらず、ラムズは攻撃陣だけでなく、守備陣もスーパーボウルにはあまりいい思い出がないようだ。

ラムズのディフェンシブタックル(DT)アーロン・ドナルドは「俺たちは負けた。スーパーボウルで思い出すのはそのことだ。あと一歩のところで及ばなかった」と振り返る。「ただの負けさ。そのことばかり考えないようにはしている。それでもあの試合は他の試合よりも得るものが大きいのは確かだ」

得たものは決してスーパーボウルの敗戦に伴う痛みを和らげることはないが、2020年シーズンが終盤に差しかかるにつれ、ラムズがNFC西地区のトップを守る糧にはなっているようだ。

【R】