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第14週終了後もQBハーツが先発かは分からないとイーグルスHCペダーソン

2020年12月10日(木) 17:41


フィラデルフィア・イーグルスのジェイレン・ハーツ【AP Photo/Jeffrey Phelps】

フィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンは、現地13日(日)のニューオーリンズ・セインツ戦に向けてクオーターバック(QB)をジェイレン・ハーツに替えた。ただし、この1週間が終わってからもペダーソンHCがルーキーQBにコミットするわけではない。

ハーツが次戦が終わった後も先発を務めるのか尋ねられたペダーソンHCは「水晶玉を持っているわけではないのでね」と応じた。

「未来は予言できない、そうだろ? つまり、そうだな。私が集中できるのは今日のことだけ。今日、われわれのチームの準備を整え、皆を日曜日に向けて準備させることだけなんだ」

ハーツはイーグルスの少なくとも1950年以降の歴史において、シーズン第14週以降に初の先発を果たす初めての新人QBとなる(A.J.フィーリー、コイ・デトマー、ジャック・コンカノンはすべてシーズン第13週に先発)。

カーソン・ウェンツの代役として初めて長時間の出場を果たしたシーズン第13週のグリーンベイ・パッカーズ戦ではパス12回中5回成功、198ヤード、タッチダウン1回、インターセプトイ1回をマーク。ラン5回で29ヤードも記録した。

ハーツのデュアルスレットの能力――大学の最終年では1,298ランヤードを記録――は停滞気味のイーグルス攻撃陣に新たな要素を加えるかもしれない。

「それが彼へのメッセージだ。ジェイレン・ハーツであれ。そして、自分にできることをする。オフェンス面からみれば、ただ采配を振るい、彼の思うようにやるということ。今週を通して彼にコーチし、準備を整えさせる」とペダーソンHCは言う。

セインツディフェンス陣の前に放りだされるのは、ルーキーにとっては厳しいことだ。セインツの守備陣はより経験あるオフェンス陣を叩きのめしており、2016年以来、ルーキーQBに対しては6勝1敗をマーク。パス成功率を53.3%、試合平均パスヤードを176.9に抑え、タッチダウン9回、インターセプト4回、パサーレーティング80.2としている。

ハーツに移行しながらも、ペダーソンHCはウェンツに見切りをつけたわけではないとも語った。

「カーソン・ウェンツはこのリーグで傑出したQBになれると思うし、彼はそれを2017年や2018年、昨年に証明してきた。われわれはオフェンスの制限や構造の中で彼個人と共に、再びカーソン・ウェンツに戻り、軌道に乗るために戦い、取り組み続けている。それが彼について私が集中している部分だ。彼がわれわれに見せてくれたことをわれわれ全員が承知し、彼にできると分かっているレベルでのプレーに彼を戻すためにな」

『Philadelphia Inquirer(フィラデルフィア・インクワイアラー)』によれば、長年イーグルスのセンター(C)を務めているジェイソン・ケルスはウェンツがベンチに下がったことについて次のようなコメントを残している。

「いろいろなことを見ることができると思うし、これだけ悪いときには絶対に1人のせいではないし、一つのポジショングループのせいでもない、選手のせいとか、コーチやフロントオフィスのせいということもなく、みんなの問題だ。それが現実だよ」

「俺たちは今挙げているよりももっと多くのポイントを生み出せるはずだ。何がコールされようともっとうまくプレーできるはずだし、もっとたくさんの点を挙げられる。だから、究極的にはいろいろなレベルのたくさんのミスが原因で良いオフェンスになっていない。もっとよくなるよう努力し続けなければいけないし、こういう決断があるときっていうのは、何かをやろうとしてのことだと思う」

「俺たちは何らかの答えを見つける責任を、ここの他の皆に対して負っているし、イーグルスやファンベースに対しても、確かにその責任を負っている」

2021年はウェンツに大量のキャップヒットがあり、イーグルスがウェンツを維持するかチームから去らせるかについてはともあれ、ペダーソンHCはハーツにオフェンスのテストドライブをさせつつ、ウェンツを完全に失わないようにしようとしている。

ペダーソンHCはイーグルスがドラフト2巡目でハーツを獲得した際、2020年にチーム体制が大きく崩れようとは全く思っていなかったと話した。

「チームとして自分たちが望む場所にいるか? ノーだ。われわれが打ちのめされ、傷つき、たくさんの選手が故障者リザーブになっているか? それなら、イエス。われわれのプレーがまずいか? イエス。コーチングがまずいか? イエス。われわれはたくさんのものを良くしなければならない。私はカーソン・ウェンツをそこから除外しない。4月にはこんな状況になるとは思わなかった。だから、とにかくそこから始めよう。カーソンのせいではない。すべてチームやわれわれのいる位置と関係しており、私のこのフットボールチームに対する期待は間違いなく、そして今でもきわめて高い。だが、われわれがこんなところにいるとは予測していなかった」

悲しいかな、イーグルスはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区の最下位(ダラス・カウボーイズ)とわずか0.5ゲーム差となり、ニューヨーク・ジャイアンツとワシントン・フットボール・チームを見上げている。イーグルスが誰をQBに据えるかを考えあぐねる中でこの2チームがポストシーズン進出をかけて戦うなどと予測した者は数少ないだろう。ペダーソンHCと同じように、水晶玉で先を見通せる者などいないのだから。

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