ドラフトで無視されたベアーズ戦を前に「特別な意気込みはない」とテキサンズQBワトソン
2020年12月10日(木) 21:34
シカゴ・ベアーズにはクオーターバック(QB)のデショーン・ワトソンをドラフトで指名するチャンスがあった。
しかし、彼らはそうする代わりに2017年の全体3位指名権を2位指名権にトレードアップして、QBミッチェル・トゥルビスキーを獲得した。そのトゥルビスキーは今季1度のベンチ入りから最近になってラインアップ復帰を果たしている。一方でワトソンはというと、ヒューストン・テキサンズでスターになった。2度のプロボウルに選ばれ、プレーオフゲームで3回プレーしており、そのうち1回は魔法のような技でテキサンズを勝利に導いた。
ワトソン率いるテキサンズは今週、ベアーズと対戦する。そうした背景が2017年ドラフトにあるだけに、ベアーズのジェネラルマネジャー(GM)ライアン・ペースの決断をモチベーションの源にしたことがあるのではとワトソンは質問された。
だが彼は引っかからなかった。
「別にモチベーションなんかじゃない。組織としてそう決めただけのことだ」とワトソンは述べた。「俺はシカゴ・ベアーズとも、彼らの組織とも、何のつながりもない。もちろんメディアはそうした話を作り上げる。すると当然、ファンの人たちはそれについていろいろ言うさ」
「俺個人としては、それがモチベーションだとか、そういう気持ちは一切ない。彼らは自分たちでそうしただけだ。そして前に進み続ける。当時、彼らはそれがベストな状況だと考えたんだ。俺にとっては何でもない。そこにいた選手たちやコーチ陣、オーナーシップのことはみんな尊敬している」
物事は後からなら状況がよく見えるものだが、ベアーズとしては同時に時間を巻き戻せたならと願うかもしれない。トゥルビスキーはそろそろ限界に近づいている様子も見受けられ、彼らはまたも未来のフランチャイズQB探しに向かわなくてはならなそうだ。さらに悪いことに、ベアーズとサンフランシスコ49ersのトレードアップは後に不必要なものだったことが明らかになっている。
一方で、テキサンズもまたワトソンを取るためにクリーブランド・ブラウンズと全体25位と12位の指名権をトレードしている。結果、彼らはパトリック・マホームズの2人後ろでワトソンを指名した。そう――ベアーズは未来のNFL、スーパーボウルのMVPをもスルーしてしまったというわけだ。
ワトソンは引く手あまただったため、チームは積極的に動いて彼を獲得した。だが、ベアーズは違った。彼らはトゥルビスキーの2年目のシーズンでプレーオフに進んだが、2019年には8勝8敗、そして今シーズンは6連敗を喫して5勝7敗に転落してしまっている。
ワトソンはここまでの展開に満足している。たとえ彼をドラフトで獲得したGM――リック・スミス――が今はテキサンズにいないとしても。
「リックには感謝している」とワトソンは述べた。「俺を信じ、トレードアップして、この組織にいられるようにピースを集めてくれたことに感謝している。ありがたく思っているし、直感に従って俺を信頼してくれた彼を尊敬している。リックと彼の家族に敬意を払うよ。今日まで、そしてこれらもずっと俺は彼を尊敬し続ける」
ペースは今もシカゴにいる。彼の作ったチーム――そしてワトソンの代わりに選んだQB――はサンデーゲームでテキサンズを倒すことによって彼の判断を擁護しようと試みることだろう。
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