イーグルスが女性スタッフをフットボールオペレーション担当副社長に昇格
2021年05月28日(金) 16:41
NFLでは女性の活躍が目覚ましい1年となったが、現地27日(木)にまた新たな節目を迎えた。
フィラデルフィア・イーグルスはいくつかの組織変更の一環として、キャサリン・ライシュをフットボールオペレーション担当副社長に昇格させたことを木曜日に発表した。今回の昇格によりライシュは、リーグ史上最も位の高い役職に就く女性となる。
ライシュはこれまで、2019年から2020年にかけてイーグルスのフットボールオペレーション/選手人事コーディネーターとして働いていた。それ以前はカナディアン・フットボール・リーグのトロント・アルゴノーツとモントリオール・アロエッツに合計5年間在籍し、アロエッツではアシスタントジェネラルマネージャー(GM)を務めていた。ライシュの新しい役割をこれまで担っていたのはアンドリュー・ベリーだった。ベリーは昨年はじめにイーグルスを離れてクリーブランド・ブラウンズのGMに就任。ブラウンズの急速な再建を指揮したことにより、チームは2020年にレギュラーシーズンで11勝を挙げ、1994年シーズン以来となるプレーオフでの勝利を果たした。
ライシュの昇格は、デンバー・ブロンコスがケリー・クラインをフットボール運営部門エグゼクティブディレクターに抜擢した流れに続く。ミネソタ・バイキングスで9年間にわたってスカウト部門のスタッフとして働いていたクラインは、5月17日に正式にミネソタからデンバーへと移った。
他にイーグルスのフロントオフィスの変更で注目すべきは、ジャクソンビル・ジャガーズの元GMであるデビッド・コールドウェルを人事担当役員として採用したことだ。コールドウェルはジャガーズの人事部長を8年間務め、2017年シーズンにはチームをAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のチャンピオンシップゲームに導くなど、組織の再建を指揮していたが、短命に終わる。2013年から2020年までのジャガーズの通算成績は37勝91敗で、勝率は0.289。その低迷の渦中でコールドウェルは昨年11月に解雇された。
コールドウェルが加わるイーグルスのフロントオフィスはこれまでにブラウンズのベリーGMや、ニューヨーク・ジェッツのジョー・ダグラスGMなど、他チームの将来有望なGMを輩出してきた。その一方で近年はチーム内の決断に批判が集まっている。イーグルスは元1巡目指名選手のクオーターバック(QB)カーソン・ウェンツをトレードで放出した後、流動的な再構築のまっただ中にあると言える。このオフシーズンは高齢化が進むロースターを入れ替えながらサラリーキャップ問題を解決するために大半の時間を費やすことになった。
フロントオフィスの変更とオフシーズン中に取り組んだロースターの整備がほぼ完了したイーグルスは、重要な意思決定者の中に先駆者がいることで、将来に向けてより良い状況になっているようだ。
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