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カーディナルス全体とQBマレーに自信を示すGMカイム

2021年06月28日(月) 11:46


アリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー【AP Photo/Ashley Landis】

アリゾナ・カーディナルスのクオーターバック(QB)カイラー・マレーは若く、才能があり、そして伸び続けている。チームが努力をしてこなかったわけではないが、1980年代後半にアリゾナに移転して以来、カーディナルスのQBには見られない組合せの要素だ。

今世紀初頭にカーディナルスに入団して以来、ジェネラルマネジャー(GM)のスティーブ・カイムは何人もの有望なパサーが生まれては消えていくのを見てきた。ジェイク・プラマー、ジョシュ・マカウン、マット・ライナート、ジョシュ・ローゼンは、最終的にフランチャイズQBにはなれないことが分かった。

だが、マレーの最初の2シーズンは違う。

カイムGMは「ちょっとしたことだ」とチームの公式サイトで述べている。「フィールドがどれだけ視野に入っているか、どれだけ安定したプレーができるか。彼はゲームチェンジャーであり、特別なプレーヤー、そして稀有な競争者だ。彼がそのすべてにおいて成長し続けることは間違いない」

それができればマレーはリーグ内でも一気にエリートの仲間入りを果たす。二重の脅威となり得るマレーは、オフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いた1年後にはすでに全体的に良くなっていた。パス成功率、パスヤード、ランヤード、自ら決めたタッチダウンもパスをつないだタッチダウンも、すべてにおいて顕著に数字が上がった。一方で、プロボウルに選ばれることになった昨年はサック数が激減している。

このようなマレーの成長はファン全員とは言わないまでも、カイムGMにはカーディナルスの将来を信じる理由を与えた。このチームがドラフト1位指名権を手にオフシーズンを迎えたのは、わずか2年前のことだ。今やポストシーズンまで進むことが当然のことのように期待されている。

「QBとチーム全体に対する私の自信は非常に高いレベルにある」とカイムGMは話す。

次のステップはもちろん優勝だ。カーディナルスのQBがプロボウルに選ばれた過去2回――2008年のカート・ワーナーと2015年のカーソン・パーマー――は少なくともNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のタイトルゲームに進出している。2020年にカーディナルスは勝利数を3つ増やしたにもかかわらず8勝8敗に終わり、プレーオフ進出を逃した。そのことが、個人的な成長以上にマレーの心にひっかかっているようだ。

マレーは「特に俺のような男にとって(昨シーズンは)気持ち的にはすごく悔しい思いをした」と話している。「俺は勝ちたい。プレーオフに行けないことにはすごく違和感がある。これがNFLだってことも分かっているし、それを成し遂げられていないけど、俺はこれまでどのスポーツでもレギュラーシーズンの先までプレーしてきたんだ。それとは違う。でも、これに慣れようなんてまったく思っていない」

「勝てるはずの試合に負けると、間違いなく動揺するし、怒りや悔しさがこみ上げてくる。それと同時に俺は自分で自分を追い込めるタイプだ。すべてのことをモチベーションにつなげている」

刺激を受けたカイムGMも動いている。今シーズンにカイムGMはディフェンスとオフェンスラインの強化に力を注ぎ、ワイドレシーバー(WR)のA.J.グリーン、ランニングバック(RB)のジェームズ・コナー、新人WRのロンデール・ムーアといった強力な武器をチームに加えた。マレーの最初の契約を活かすチャンスはあと1年しかないかもしれない。

カイムGMは「カーソン・パーマーはわれわれを興奮させ、やるべきことをやってくれる選手だった。時間が経つにつれて耐久性という意味では、彼が健康でいられるかどうかが心配になることもあった。それでも彼は高いレベルでプレーし、多くのことをこなし、素晴らしいリーダーでもあった」と話している。

「いま、カイラー・マレーのような選手がいて、私にとってとてもエキサイティングなのは若い選手を中心に組織としてもロースターとしても成長できる機会があることだ。特にルーキー契約とサラリーキャップの大部分を占めるベテランとの契約では、やれることが違ってくる」

カイムGMはやるべきことをやり、マレーもやっている。今度はカーディナルスとして結果を残す番だ。

【R】