NFL審判部、第9週のベアーズ対スティーラーズ戦で複数のコールが誤っていたことを認める
2021年11月15日(月) 13:46シーズン第9週のマンデーナイトで物議を醸したシカゴ・ベアーズのラインバッカー(LB)カシアス・マーシュに対するトーンティング(侮辱行為)ペナルティをNFLは支持しており、現地12日(金)に罰金を科している。
だが、ベアーズが29対27でピッツバーグ・スティーラーズに敗れた試合を検証したNFLの審判部のメンバーはこの試合で、トニー・コレンテ主審と彼のオフィシャルチームが少なくとも3回は重大な判断ミスを犯していたことを非公式に認めている。その中にはベアーズに対するローブロックペナルティも含まれており、これによってベアーズのクオーターバック(QB)ジャスティン・フィールズのタッチダウンパスが無効となっている。
逆にオフィシャルはスティーラーズに対して取るべきペナルティを何度か見過ごしている。たとえば、試合終盤に見られたフィールズへのヒット。もしこれがペナルティになっていれば、ベアーズはこの第3クオーターの同じドライブでファースト・アンド・ゴールのチャンスを得ていた。さらに、この試合の最後にベアーズのキッカー(K)カイロ・サントスが放った65ヤードのフィールドゴールは距離が足りずに失敗に終わっているが、その際にも複数のスティーラーズがオフサイドペナルティを取られるべきだったという。
リーグとベアーズの代表者はいずれもコメントを控えているが、これはオフィシャルに関する問題ではよくあることだ。
NFLは通常、オフィシャルの判定について懲戒処分は行わないが、パフォーマンスの評価が落ちればポストシーズンの割り当てに影響が生じることもある。
試合時間が残りわずかとなる中でベアーズはスティーラーズの第3ダウンを止めることに成功したが、その直後にマーシュがトーンティングペナルティを取られたことによってそれは帳消しとなった。コレンテ主審がそのコールをした場面は全米で放送されており、NFLがこの判定を重視する意義がどこにあるのかと世間では新たな議論が巻き起こっている。NFLのペリー・フューエル審判担当上級副社長はソーシャルメディアに投稿した動画でこのコールが正しかったことを示し、マーシュにはスポーツマンシップに反する行為を行ったとして5,972ドル(約68万円)の罰金が科せられた。
しかしながら、最も影響の大きかったコールは、ベアーズのライトガード(RG)ジェームズ・ダニエルズがタイトエンドボックスの端でディフェンダーとは最低限の接触しかなかったかのように見られたにもかかわらず、ローブロックに対するフラッグを投げられたことだろう。このペナルティによって、後半の最初のポゼッションでフィールズがタイトエンド(TE)ジミー・グラハムに投げた1ヤードのタッチダウンパスが無効となり、チームは敵陣16ヤードの地点からセカンド・アンド・ゴールとなった。
その2プレー後にスティーラーズのLBアレックス・ハイスミスは明らかにボールを投げ終わった後のフィールズを背後から倒していたが、フラッグは投げられなかった。ベアーズはこのダウンをフィールドゴールで終わらせており、ベアーズは差を3点しか縮められずこの時点で14対6と負け越していた。フィールズは試合後、前のドライブでベアーズのディフェンシブエンド(DE)マリオ・エドワーズがラッフィング・ザ・パサーのペナルティを取られたことを引き合いに出し、コレンテ主審に対して「ビッグベン(QBベン・ロスリスバーガー)はあのコールを受けたばかりだ」と言ったことを、両方に対して平等にコールしてほしいと伝えたと言う。
さらに、サントスが決勝点となるフィールドゴールを外した時、スティーラーズの何人かはニュートラルゾーンに並んでいたようだ。ここでペナルティが取られていれば、サントスは5ヤード近い距離からもう一度チャンスを得ることができた。あるいは、フィールズが戻ってきて一か八かの長距離ダッチダウンパスを狙ったかもしれない。
フィールズ率いるベアーズはアウェーでの劇的な勝利を収めてNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のプレーオフに向けた順位で7位との差を半ゲームにまで縮めることができた代わりに、3勝6敗で今週末のバイウィークを迎えることになった。シーズン第11週のサンデーゲームではホームでボルティモア・レイブンズと対戦する。
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