タッチダウンランの前に49ersシャナハンHCにボールを求めたWRサミュエル
2022年01月18日(火) 14:44サンフランシスコ・49ersのディフェンシブバック(DB)クワン・ウィリアムスは現地16日(日)に行われたダラス・カウボーイズ戦の第3クオーターでクオーターバック(QB)ダック・プレスコットをインターセプトし、点差を2桁に広げるきっかけを作った。インターセプトの直後、ワイドレシーバー(WR)ディーボ・サミュエルは極めて重要なスポットでボールを要求している。
ヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンは試合後に「ディーボは誰もが知っているようにこの1年間、ずっと最高だったし、そこへ出ていく直前に私に何か、たぶん“俺にボールをくれ”みたいなことを言ってきた。そういう風に言ってくれていると、非常にモチベーションが上がるし、プレーコールがしやすくなる」と述べた。
シャナハンHCがサミュエルにボールを委ねると、ハンドオフを受けたサミュエルは26ヤードのタッチダウンを決めて、49ersは23対7とリードを広げた。結局、この得点が23対17での勝利の決定打となった。
試合後、サミュエルはシャナハンHCにボールが欲しいと言ったことを認めている。
サミュエルは「全くその通りだ。クワンがインターセプトしたとき、カイルを見て“ヘイ、ボールをくれ。分かっているから”と言った。それから次のプレーで得点した」とコメントしている。
それはサミュエルが依然としてバックフィールドから抜け出す能力を急成長させていることを表すタッチダウンだった。ハンドオフを受けたサミュエルはエッジを走り、ディフェンスをいなすランニングバック(RB)のような忍耐力を見せた後、地面に足をつけてアップフィールドに立っている。それは、殿堂入りしたRBバリー・サンダースがディフェンスの間をすり抜けていくときと同じような姿に見えた。オープンスペースを見つけると再燃焼装置が作動したのか、サミュエルはディフェンシブバックの角度を超えて爆走し、得点を挙げている。
サミュエルは「ジミー(ガロポロ)の前でちょっと押しのけただけだ――でも、ちょっとやりすぎたかな。ゆっくりめに動いて、カットバックできそうだったからそのまま突進した。今日はオーバーなプレーが多かったね。俺がやるべきことはただ、ホールを見つけてできるだけ速く突進していくということだった」と説明した。
シャナハンHCはサミュエルがオープンスペースで発揮した洞察力が、わずかなゲインになりかねない状況からビッグプレーを生み出す要因になったと指摘しており、次のように語っている。
「あんなのは信じられない。われわれが考えていたようなプレー、計画していたプレーとは全く違っていた。しかし、普通は外に出るものなのに走って、しかもとてもタフで、スキルもあり、(フィールドを)よく見ている。止まって、フィールドを逆走し、方向が定まると全員のアームタックルをかいくぐって走っていったのだ」
サミュエルはカウボーイズを圧倒したタフな49ersを体現していた。サミュエルがボールに触れるたびに――特にバックフィールドから進むとき――その動きを止められる者は誰もいないかのように見えた。
サミュエルはタッチダウン1回とスクリメージヤード110(キャリアハイのキャリー10回で72ヤード、キャッチ3回で38ヤード)を記録。
そして、1950年以降にプレーオフで50ヤード以上のランヤードと1回以上のタッチダウンランをマークした2人目のワイドレシーバーとなった。そのもう1人にあたるグリーンベイ・パッカーズの元WRジェームス・ロフトンは1982年に行われたディビジョナルラウンドのカウボーイズ戦で71ヤードのタッチダウンランを決めている。
サミュエルは試合平均7.0回のキャリーを記録している一方で、シーズン第10週以降に試合平均108.4スクリメージヤードとタッチダウン10回を決めるなど、シーズン終盤の重要な局面で49ers攻撃陣の原動力となってきた。
QBジミー・ガロポロはサミュエルのタッチダウンについて「かなりよく見えた」と話しており、「彼は別のギアを持っていた。いつもそうだ。俺も、ディフェンスも初めてそれを見たら衝撃を受ける。彼は今日、全力でプレーしていた、本当に。みんなもそうだった。オフェンシブラインから始まり、彼らがフロントの調子を整えた。他の有能な選手もそれに続いていった」と続けている。
49ersはこの調子でグリーンベイに向かい、土曜夜のプライムタイムに行われるディビジョナルラウンドで第1シードを保有するパッカーズと対戦する予定だ。
【RA】