2023年NFLスケジュール:シーズン第1週全試合の見どころ
2023年05月12日(金) 13:162023年NFLレギュラーシーズンスケジュールが定まった。さあ、シーズン第1週へ進もう。
初戦がそのチームのシーズンを決定づけるわけではないが、何となく見えてくるものはある。2022年には後にポストシーズンに進出した14チームのうち、10チームがシーズン第1週に勝利していた。
シーズン第1週は、マンデーナイトフットボールゲーム(MNF)がフレックススケジュールになる初めてのシーズンの幕開けでもある。MNFがフレックススケジュールになるのはシーズン第12週からだ。
シーズン第1週の各試合の組合せを見てみよう。初戦を飾るのは、スーパーボウルチャンピオンだ。
9月7日(木)
デトロイト・ライオンズ vs. カンザスシティ・チーフス
会場:GEHAフィールド・アット・アローヘッド・スタジアム/ミズーリ州カンザスシティ
日程: 20時20分【日本時間8日(金)9時20分】
クオーターバック(QB)パトリック・マホームズとQBジャレッド・ゴフが前回対決した際には、火花の散るような激しいバトルが展開された。NFLはスーパーボウル王者を率いるマホームズと、期待高まるライオンズの司令塔であるゴフに、前回と同様の熱戦を期待している。
9月10日(日)
カロライナ・パンサーズ vs. アトランタ・ファルコンズ
会場:メルセデス・ベンツ・スタジアム/アトランタ
日程: 13時【日本時間11日(月)2時】
2023年ドラフト全体1位指名のQBブライス・ヤングは、地区ライバルの本拠地でキャリア初めての先発を務めると予想される。対するアトランタ・ファルコンズは、ヤングのような選手の足止めをしようと、オフシーズンの間に守備陣の強化に取り組んできた。また、この試合ではファルコンズヘッドコーチ(HC)アーサー・スミスが新人ランニングバック(RB)ビジャン・ロビンソンを自らのオフェンスの中でどう使うのか、本当のところが見えてきそうだ。
ヒューストン・テキサンズ vs. ボルティモア・レイブンズ
会場:M&Tバンク・スタジアム/ボルティモア
日程: 13時【日本時間11日(月)2時】
新契約を手に入れたQBラマー・ジャクソンが、装いを改めた攻撃陣を率いていく。ワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムや1巡目で指名されたWRゼイ・フラワーズ、WRラショッド・ベイトマンという面々を擁するボルティモア・レイブンズの攻撃コーディネーター(OC)トッド・モンケンには、ジャクソンの腕を解き放つためのパスキャチャーがそろっている状態だ。これに対し、いまだ成長中であり、1巡目指名選手のディフェンシブエンド(DE)ウィル・アンダーソンJr.を筆頭とするデミコ・ライアンズHCのヒューストン・テキサンズ守備陣はどう応じるか。QBのC.J.ストラウドは敵対的な環境の中でプロ初先発を果たすことになりそうだ。
シンシナティ・ベンガルズ vs. クリーブランド・ブラウンズ
会場:ファーストエナジー・スタジアム/クリーブランド
日程: 13時【日本時間11日(月)2時】
両チームのシーズンはオハイオ州内バトルでスタートする。QBジョー・バロウとシンシナティ・ベンガルズは2年連続でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区タイトルを手にしており、3連覇に向けた武器も十分。対するブラウンズは昨シーズン後半にQBデショーン・ワトソンが復帰に苦戦していたものの、サビを落とした攻撃陣がこれから爆発力を見せることに期待している。その期待が現実のものとならなければ、このオフシーズンにアップグレードしたもののまだ疑問が残るブラウンズ守備陣を、ベンガルズWRジャマール・チェイスとその仲間たちがやすやすと置き去りにするだろう。
ジャクソンビル・ジャガーズ vs. インディアナポリス・コルツ
会場:ルーカス・オイル・スタジアム/インディアナポリス
日程: 13時【日本時間11日(月)2時】
QBトレバー・ローレンスとAFC南地区王者が進路を北にとり、ディビジョンライバルであるインディアナポリス・コルツとの試合でシーズンをスタート。コルツは新人QBアンソニー・リチャードソンを初戦から投入する可能性がある。ローレンスのレシーバー陣にはWRカルビン・リドリーが加わっており、ジャクソンビル・ジャガーズ攻撃陣の爆発力は上がっているはずだ。コルツの新HCであるシェーン・スタイケンは第1週にリチャードソンを送り出すのか、それともベテランQBガードナー・ミンシューをチョイスするのか、注目したい。
タンパベイ・バッカニアーズ vs. ミネソタ・バイキングス
会場:U.S.バンク・スタジアム/ミネアポリス
日程: 13時【日本時間11日(月)2時】
今季に対する否定的な見方を払しょくすべく、昨シーズンのプレーオフチームたちがミネアポリスで対峙する。この試合ではワイドレシーバーたちが活躍することになりそうだ。パープルに身を包んだジャスティン・ジェファーソンと1巡目指名のジョーダン・アディソンが、海賊旗を頂くマイク・エバンス、クリス・ゴッドウィンと腕を競う。両チームが昨年に守備面で苦戦していたことを踏まえれば、撃ち合いになることが予想される。クオーターバックの役割が大きくなるこの一戦に向け、バッカニアーズではベイカー・メイフィールドとカイル・トラスクが初戦出場をかけて競っていく。
テネシー・タイタンズ vs. ニューオーリンズ・セインツ
会場:シーザーズ・スーパードーム/ニューオーリンズ
日程: 13時【日本時間11日(月)2時】
QBデレック・カーはニューオーリンズ・セインツでのキャリアを、スーパードームでスタートする。WRマイケル・トーマスの健康状態に問題がなければ、セインツは開幕から全力を出すことができるはずだ。トーマス、クリス・オレーブ、ラシッド・シャヒードという輝かしいレシーバートリオが、カーにあらゆるレベルで勝利する機会を与えている。とは言え、セインツは今季にフロントが弱まっているため、RBデリック・ヘンリーがタイタンズにとどまって先発するとすれば、セインツにとっては重要な一日になるだろう。
サンフランシスコ・49ers vs. ピッツバーグ・スティーラーズ
会場:アクリシュア・スタジアム/ピッツバーグ
日程: 13時【日本時間11日(月)2時】
49ersのHCカイル・シャナハンは初戦がフィラデルフィアではないことに喜んでいたものの、それでも第1週にはペンシルベニア州に向かわなければならない。両チームが早い段階からグラウンドゲームを確立することを望んでいるため、スティールシティでは激しい戦いが展開されるかもしれない。サンフランシスコにとって大きな疑問は、QBブロック・パーディの出場準備が整っているかどうかだ。スティーラーズとしては、1巡目で選択したブロデリック・ジョーンズを含む改善されたオフェンシブライン(OL)が、初戦から49ersのDEニック・ボサやDEアリク・アームステッドといった厳しい試練を受けることになるだろう。
アリゾナ・カーディナルス vs. ワシントン・コマンダース
会場:フェデックス・フィールド/メリーランド州ランドバー
日程: 13時【日本時間11日(月)2時】
今のところ、昨シーズンの18週に見事な活躍を見せたサム・ハウエルが先発の役割を担うと見られるワシントン・コマンダース。対戦相手であるアリゾナ・カーディナルスは守備陣に多くの問題を抱えており、中でもディフェンシブラインはリーグ最弱の部類だと見られている。カーディナルスQBカイラー・マレーはシーズン初戦を欠場する見込みであり、ハウエル対QBコルト・マッコイのバトルがD.C.で繰り広げられることになりそうだ。
グリーンベイ・パッカーズ vs. シカゴ・ベアーズ
会場:ソルジャー・フィールド/シカゴ
日程: 16時25分【日本時間11日(月)5時25分】
QBアーロン・ロジャースからジョーダン・ラブに渡されたバトンには、シカゴ・ベアーズに対する勝利の記録も含まれていただろうか? 若きシグナルコーラーが対峙するのは、昨年に不調だったシカゴ・ベアーズ守備陣だ。しかし、その穴の一部はこのオフシーズンにふさがれている。また、QBジャスティン・フィールズが昨シーズンの第13週にグリーンベイ・パッカーズと戦った際は、終盤に2度のインターセプトをくらうまで、パサーとして自己最高の力を発揮していた。WRのD.J.ムーアがその傍らにやってきた今、爆発力はさらに増しているかもしれない。
ラスベガス・レイダース vs. デンバー・ブロンコス
会場:エンパワー・フィールド・アット・マイル・ハイ/デンバー
日程: 16時25分【日本時間11日(月)5時25分】
ショーン・ペイトンHCのデンバー時代はホームにて、QBジミー・ガロポロ率いるラスベガス・レイダースを相手に幕を開ける。デンバー・ブロンコスの新攻撃陣の中で、QBラッセル・ウィルソンはどんな姿を見せてくれるだろうか? ベガス守備陣にはいくつかの穴が開いており、初戦はスタートダッシュを決めるチャンス。一方のレイダースファンにとっては、ジョシュ・マクダニエルズHCのオフェンスがデレック・カーに代わってジミーG、TEダレン・ウォーラーに代わってWRジャコビ・マイヤーズという布陣でどう変わってくるかが見どころだ。両攻撃陣が2023年にどういった動き方をしたいのかについて、第1週で多くのことが分かってくるかもしれない。
マイアミ・ドルフィンズ vs. ロサンゼルス・チャージャーズ
会場:SoFiスタジアム/カリフォルニア州イングルウッド
日程: 16時25分【日本時間11日(月)5時25分】
もしかしたらシーズン第1週で最もおもしろい組み合わせかもしれない。タイリーク・ヒル、ジェイレン・ワドル、マイク・ウィリアムズ、キーナン・アレン、クエンティン・ジョンストンといったワイドレシーバーたち。さらにRBのラヒーム・モスタート、ジェフ・ウィルソンJr.、デボン・エイチェーン、オースチン・エイケラーといった選手が両チームの開幕戦を盛り上げる。スピードとプレーメイキング能力が、フィールドのどちら側にも満ちた試合になるはずだ。守備のスター選手たちも見過ごせない。DEクリスチャン・ウィルキンス、LBブラッドリー・チャッブ、CBジャレン・ラムジー、Sジェヴォン・ホランド、DEジョーイ・ボサ、LBカリル・マック、Sダーウィン・ジェームズ、CBアサンテ・サミュエルJr。ご覧の通りだ。おっと、トゥア・タゴヴァイロア対ジャスティン・ハーバートのQB対決にまだ触れていなかった。
フィラデルフィア・イーグルス vs. ニューイングランド・ペイトリオッツ
会場:ジレット・スタジアム/マサチューセッツ州フォックスボロ
日程: 16時25分【日本時間11日(月)5時25分】
ニューイングランド・ペイトリオッツは第52回スーパーボウルで自分たちを負かした相手を迎えるホーム初戦で、G.O.A.Tことトム・ブレイディの栄誉を称える。フィールド上のことに目を向ければ、ホームチームにとってこの試合は一つの目安となるゲームだ。QBマック・ジョーンズはビル・オブライエンOCの元でどういったプレーを見せるのか。特に、相手はNFLで屈指のディフェンシブラインを誇るフィラデルフィア・イーグルスだ。そして、イーグルスQBジェイレン・ハーツはベリチックHCの守備陣を相手に、フォックスボロでスタートを決めることができるだろうか?
ロサンゼル・ラムズ vs. シアトル・シーホークス
会場:ルーメン・フィールド/シアトル
日程: 16時25分【日本時間11日(月)5時25分】
QBジーノ・スミスが手にしたのは、新しい契約と豊富な武器だった。タイラー・ロケット、D.K.メットカーフ、ジャクソン・スミス・インジグバは、NFLで最高のWRトリオになる可能性を秘めている。ケネス・ウォーカー三世とザック・シャルボネは、バックフィールドでダイナミックな1-2パンチを形成。ロサンゼルス・ラムズの守備陣は若手を多く配置して再建中であり、スミスは電撃的なスタートを切ることになるかもしれない。とは言え、ラムズは昨シーズンにマシュー・スタッフォードやクーパー・カップ、アーロン・ドナルドといったスターターを欠きながらも、2度のシーホークスとの試合で接戦を演じ、合わせて7点差で敗北している。その先発選手たちが帰ってくれば、若手たちが活気づくことに期待できる。
ダラス・カウボーイズ vs. ニューヨーク・ジャイアンツ
会場:メットライフ・スタジアム/ニュージャージー州イーストラザフォード
日程: 20時20分【日本時間11日(月)9時20分】
プライムタイムに登場するのは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区だ。両チームがポストシーズンに進んだ昨年、ダラス・カウボーイズはビッグブルーとの試合をいずれも制した。しかし、2023年のオフシーズンには変化が起きている。ダラスではマイク・マッカーシーHCがプレーコールを担当することになり、RBエゼキエル・エリオットがリリースされた。マッカーシーHCはもっとランを使いたいと話しているものの、WR陣にブランディン・クックスがやってきたことで、カウボーイズの攻撃はQBダック・プレスコットの光る投球をメインにしたものになりそうだ。マッカーシーHCの言葉の真偽は、シーズン第1週に確認してみよう。ジャイアンツはこのオフシーズンに新たなグループを築こうと努力しており、ドラフト1巡目ではコーナーバック(CB)デボンテ・バンクスを指名。TEダレン・ウォーラーを加え、QBダニエル・ジョーンズとRBセイクワン・バークリーを維持したことで、印象的な初年度を送ったブライアン・ダボールHCはさらに前に進んでいくことが可能かもしれない。2023年最初のフットボールサンデーを締めくくるのにふわしい対戦カードだ。
9月11日(月)
バッファロー・ビルズ vs. ニューヨーク・ジェッツ
会場:メットライフ・スタジアム/ニュージャージー州イーストラザフォード
日程: 20時15分【日本時間11日(月)9時15分】
マンデーナイトフットボールはQBジョシュ・アレン対QBアーロン・ロジャースの注目バトル。ロジャースはライトのきらめきの中でギャンググリーンデビューを果たす。4度のMVPは新しい環境でどんな姿を見せ、昨年に攻撃部門最優秀新人賞に選ばれたWRギャレット・ウィルソンにどんなボールを投げるのか? ボン・ミラーのいない状態で開幕を迎える見込みのビルズ守備陣では、ショーン・マクダーモットHCが自らのルーツである守備のプレーコーラーの役割を再び担う。昨シーズンのアレンのワーストゲームの2つが、ロバート・サラーHCの守備陣に対するものだった。AFC東地区の厳しい戦いの中で、プライムタイムの一戦の勝者が、一歩リードすることになるだろう。
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