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ライオンズ戦で新人記録を打ち立てたWRナクアは“とんでもない戦士”とラムズHCマクベイ

2024年01月16日(火) 11:24

ロサンゼルス・ラムズのプカ・ナクア【NFL】

現地14日(日)にロサンゼルス・ラムズはデトロイト・ライオンズに敗れたかもしれないが、新人ワイドレシーバー(WR)プカ・ナクアの注目度は上がり続けている。

ナクアはずば抜けたパフォーマンスを見せ、レシーブ9回で181ヤード、タッチダウン1回を記録。ラムズがワイルドカードラウンドでアップセットを決めそうになるところまで後押ししたものの、わずかに力がおよばず、24対23で試合に敗れている。

マクベイHCはナクアについて「彼はとんでもない男だ」と述べ、こう続けた。

「あなたも見たはずだ。彼は素晴らしいコンペティターだ。ビッグプレーを見せてくれるし、タックルにも強い。エッジを効かせ、勝ち、引き離すことができる。フィニッシュもできる。とんでもない戦士だ。強い男だ。彼の考え方やメンタリティをとても気に入っている。このまま謙虚であり続け、努力し続けた場合、彼は長い間、相手にとって厄介な存在になるだろう」

試合に敗れたことによる痛みはまだ和らいでいないものの、今季は、再建を図るのではなく急速に再調整を行なった若手チームが急成長を遂げたシーズンとなった。ラムズはレギュラーシーズン最後の8試合中7試合に勝利し、プレーオフ進出を決めている。

新たなプレーメーカーたちの中で中心的な存在となっているのがナクアだ。ナクアはどう見ても、すでにNFL史上最高のドラフト5巡目指名選手の1人になっていると言えよう。

レギュラーシーズンに6得点を挙げ、レシーブ数(105回)とレシーブヤード(1,486ヤード)の新人新記録を樹立したナクアは、これまでのキャリアで最高のパフォーマンスを最後に残した。

ナクアの記録更新はそれだけにとどまらず、今回の試合ではレシーブヤード(181ヤード)で、ポストシーズンゲームにおける新人記録を打ち立てている。

ナクアはクオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードが記録した367パスヤードのうち49.3%を占めていただけではない。オフェンスが決めた22回のファーストダウン更新のうち6回を、キャッチあるいはパスインターフェアランスの誘発で獲得。ナクアはラムズのすべてだった。

シーズンを通してそうであったように、ナクアは選手が群がる中で無謀とも思えるキャッチをいとも簡単にやってのけた。ナクアは単に意欲を見せていただけではなく、ランで追加ヤードを獲得することにエキサイトしていた。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、22歳のナクアは接触後に59レシーブヤードを稼いでおり、これは今季の1試合あたりの数字として4番目に多いとのこと。レギュラーシーズン中は接触後に297ヤードを稼ぎ、NFLで2位につけていたナクアは、その記録にさらに上乗せしている。

ナクアが最も大きく貢献したのは、14対3で劣勢に立っていた第2クオーターの開始時と、第4クオーターにおけるラムズの最終ドライブだった。

ライオンズは試合開始から3回連続でタッチダウンに成功。ライオンズがその2回目のドライブを終えた後、ラムズはナクアが交代した際にペースを維持するためにどうしても得点を必要としていた。

そのドライブでナクアは、ラムズの72ヤードのスコアリングドライブにおける最後の60ヤードを占めている。まずは3人のディフェンダーに囲まれながらスタッフォードからのパスをキャッチして10ヤードを獲得。次のスナップで、ナクアは第3ダウン残り1ヤードでフォーメーションの左側に移動し、ヘジテーションムーブでコーナーバック(CB)キャメロン・サットンを凍りつかせ、ロングパスをキャッチした後にサットンとセーフティ(S)C.J.ガードナー・ジョンソンの間に切り込んでエンドゾーンに到達した。

その後、ラムズが自陣10ヤードラインまで後退し、試合時間残り6分36秒で1点差をつけられていた第4クオーターに、ナクアはスティック付近でクロスルートのパスをキャッチし、タックルを破って合計35ヤードを獲得。フィールド中央部、自陣45ヤードラインまでボールを運んだ。

しかし、この夜の攻撃ドライブのほとんどがそうであったように、ラムズはこのドライブでも最終的にライオンズ陣内で失速している。

スタッフォードは第3ダウン残り14ヤードの重要な場面で再びナクアにパスを放ったが、ルートの先頭でサットンから接触を受けたナクアはキャッチには至っていない。

ラムズはパントし、その後に再びボールを得ることはなかった。

試合を通してラムズはそうした状況に苦しめられており、マクベイHCのオフェンスはナクアの素晴らしいプレーと、スタッフォードの熟練したパフォーマンスの恩恵を受けた一方で、ライオンズ陣11ヤードラインかそれよりも近い位置で3度フィールドゴールを蹴ることを余儀なくされた。

他の31チームが悔しがる中、ナクアの模範的なプレーの恩恵を受けながら来季を迎えるラムズにとって、今回の試合は教訓になるだろう。

【RA】