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QBウィルソンが“資産”だと認めつつ、トレードに“前向き”なジェッツGMダグラス

2024年04月20日(土) 17:34


ニューヨーク・ジェッツのザック・ウィルソン【AP Photo/Rebecca Blackwell】

ニューヨーク・ジェッツのジェネラルマネジャー(GM)ジョー・ダグラスは2023年にクオーターバック(QB)について教訓を得た。それは、ダグラスGMに2022年に行った大型トレードをさらに強化する決意と、かつてのトップ指名選手との別れを覚悟させるものだった。

QBザック・ウィルソンのジェッツでの日々は残り少ないかもしれない。ジェッツは2021年ドラフト全体2位で指名したウィルソンを手放す用意ができており、価値あるオファーがあればウィルソンを手放す可能性があるものの、急ぐつもりはない。

ダグラスGMは現地19日(金)に次のように述べた。「皆さんは(ジェッツのオーナーである)ウッディ(ジョンソン)がザックについて話すのを聞いたと思うけれど、私の考えもウッディと同じで、ザックは価値ある資産だ。同時に、われわれはザックをトレードすることに前向きだ。その件については話し合いが行われている。フロリダで話した時から何も変わっていない。われわれは彼のトレードに前向きだが、それについて報告するようなニュースはない」

ジェッツの自主参加ワークアウト期間中に、チームから距離を置くことを選んでいるウィルソンだが、その立場からすれば理解できる選択だ。ダグラスGMはこの件に関して多くを語らず、今が自主参加の期間であり、“ここにいたいかどうかはザックが決めること”と指摘した。

ウィルソンがジェッツにいたくない理由は想像に難くない。ウィルソンはジェッツの期待の星としてやってきたが、不完全なオフェンシブライン(OL)の背後で火の中に放り込まれており、進歩の兆しを見せることができない日々が続いた。2023年シーズンを迎えるにあたってウィルソンは、将来の殿堂入りが見込まれるQBアーロン・ロジャースの後ろで過ごすことを予想していたはずだ。そのロジャースを大型契約で獲得したジェッツは、2023年の誇大広告列車の先頭に立たされた。

この列車は、ロジャースがジェッツでのキャリア4プレー目でアキレス腱を痛めたことで脱線。これにより、ウィルソンは再び火中に放り込まれ、事態はすぐに大惨事へと発展した。

もしウィルソンがジェッツにとっての長期的な解決策ではないことが証明される必要があるならば、ジェッツは2023年にその証拠を十分に受け取った。現在、次のステップに進もうとしているジェッツは、ロジャースとベテランのQBタイロッド・テイラーの背後に位置するデプスチャートの第3のクオーターバックとして、プレッシャーのない環境で別の若手クオーターバックを育成するシナリオを検討しているかもしれない。2023年にベテランバックアップの価値を理解したダグラスGMは、保険としてテイラーと賢明にも契約を結んだ。

ダグラスGMはさらにこう続けている。「スポーツ界で最も重要なポジションだ。われわれにとってはおかしな話だが、いくつかのドラフトを振り返って、クオーターバックというポジションに対する各チームの対応を見ていたんだ。1990年代の(グリーンベイ)パッカーズを見てみたんだ。マーク・ブルネルのような選手を5巡目で指名し、(マット)ハッセルベックのような選手を6巡目で指名して育成する。(ブレット)ファーブがいた頃は、まるでクオーターバックの育成所だった。アーロン・ブルックスもいた。その後、彼らはアーロン(ロジャース)を1巡目で指名したが、私はクオーターバック工場なら喜んでなろう」

「毎年、ドラフトでクオーターバックを指名したい。パッカーズのように2人か3人を指名したとしても、それらを将来の指名権に変えることができるし、マーク・ブルネルやアーロン・ブルックス、ハッセルベックがそうだったように、他のチームで先発に成長する可能性もある」

そのアプローチは確かに野心的だが、ジェッツには遅かれ早かれロジャースの後継者が必要になるはずだ。若い才能ある選手を加えて、ロジャースの下で1シーズンまたは2シーズン学ばせ、ロジャースが引退した後に代わりとして投入し、将来に向けて低リスクで資産を創出するような効果的なシステムを構築するのはどうだろうか?

しかし、そのシステム構築は、現在のジェッツの最優先事項ではない。ウィルソンとの経験から、ジェッツは単に自然吸収させるだけでは、ポテンシャルを秘めたクオーターバックを一人前の選手に育てることはできないと学んだ。加えて、ジェッツはウィルソンをどう扱うか、今後数週間から数カ月のうちに決定しなければならない。特に、ドラフトやドラフト外フリーエージェント(FA)で追加した育成候補選手を抱えるような、スペースを作る必要がある場合はなおさらだ。

さらに、ジェッツはウィルソンをただ放出するのではなく、ウィルソンを価値ある場所へ移籍させるという責任がある。

ジェッツが2021年にウィルソンをドラフト全体2位で指名したときには想像もしていなかったことだろうが、彼らにとっては必要な綱渡りだ。

ダグラスGMはこうつけ加えた。「それがトリックだろう? それが、いわば魔法のトリックなんだ。ザックが確実に正しい場所にいけるようにしつつ、ニューヨーク・ジェッツにとって正しいことをする。それがわれわれの乗っている綱だ。チームにとって正しいことをしなければならない」

【KO】