QBラッシュとの2番手争いに臨むにあたり「最高の状態」とカウボーイズQBランス
2024年05月25日(土) 20:24サンフランシスコ・49ersでの2シーズンは波乱に満ちたものだったが、2021年NFLドラフトで全体3位指名を受けたクオーターバック(QB)トレイ・ランスは、そうした中でもいくつかの経験を積んだ。
ランスは49ersで8試合に出場し、4試合で先発を務めている。
しかし、2023年シーズンを前にダラス・カウボーイズに入団してから、ランスは一度もプレーしていない。
それにもかかわらず、ランスは2024年の春に、以前よりも自信と快適さを感じている。かつて49ersで将来のフランチャイズQBになると目されながらも、現在はカウボーイズでQB2争いに挑もうとしている選手として、ランスは自身がプロ入りしてから最も良い状態にあると考えている。
チームレポーターのニック・ハリスによると、ランスは今週に「一番大きいのは、フィールドの内外で自分がどういう人間なのかについて、たくさん学んだことだと思う」と話したという。「このオフシーズンは自分がどういう人で、どういう状態で、どういう存在になれているかが分かっているし、メンタル的にも、フィジカル的にも、気持ちの面でも最高の状態だ」
ランスはダック・プレスコットのバックアップを務める権利をかけて、トレーニングキャンプとプレシーズンにクーパー・ラッシュと競い合う。2017年にドラフト外フリーエージェントとしてカウボーイズに加入した現在30歳のラッシュは、印象的な活躍を見せた2022年シーズンを含め、キャリア通算で26試合に出場してきた。2022年、プレスコットが負傷したことを受けて代役を務めたラッシュは、先発としてチームを4勝1敗に導いている。
したがって、ランスがカウボーイズで2番手になること、ましてや高い目標への展望を取り戻すのは容易なことではない。
とはいえ、ランスには未開の能力があり、現在は自分自身だけではなく、新しいチームにもなじんでいる状態だ。2021年ドラフトを迎えるにあたり、ランスに関して最も懸念されていたことの1つは、経験の少なさであり、ランスがFCS(フットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン)のノースダコタ州立大学で、フルで先発を務めたのは1シーズンだけだった。
その後、49ersに加入したランスだが、自身のケガと、ブロック・パーディーのシンデレラストーリーが主な理由となって低迷した。
49ersの先発としてチームを2勝2敗に導いたランスは、QB2争いでは0勝1敗となっている。2023年のプレシーズンにサム・ダーノルドとのバックアップ争いに敗れたことで、ランスはカウボーイズにトレードされることになった。
耳を傾け、学習を重ねた2023年シーズンが今後の糧になると信じているランスは、次のように語っている。
「NFLに入ったときよりも(自信が)ずっと高まっているのは確かだ。何が起こるのか分かっていなかった。全員ではないにしても、たぶんほとんどのルーキーが、最初の1年はある時点でそうなると思う。今の状態にはものすごく満足している。より良くなり続け、学び続け、より良いクオーターバックになり続ける」
それには、49ersで初めて学んだオフェンスとは異なるオフェンスで、より優れたQBになることも含まれる。
ランスは「オフェンスとして別物だ」とコメント。「サンフランシスコでは、第1ダウン残り10ヤードの状況で、ショットガンで後ろに下がってパスすることはあまりなかった。それをやるこのチームとはまったく違う。うちにはそれをやる選手もコーチングスタッフもいる」
複数の主力選手がフリーエージェント(FA)となって離脱した上に、フリーエージェントでロースターの刷新をほとんど行わず、プレスコットやワイドレシーバー(WR)シーディー・ラム、ガード(G)ザック・マーティンといった選手が契約最終年を迎えようとしているカウボーイズにとって、今季は極めて重要なシーズンだ。
ランスも同様に、キャリアの中で極めて重要な岐路に立たされている。24歳とまだ若いランスは、予想通りカウボーイズから5年目オプションを行使されなかったために、新人契約の最終年を迎えようとしているところだ。ラッシュとの競争に勝てば、ランスはキャリアを立て直すことができるかもしれない。少なくとも、再びNFLの舞台に立てるようになるだろう。ランスは2022年9月18日にシーズン終了につながる足首のケガに見舞われて以来、一度もプレーしていない。
「ワクワクしている」と強調したランスは「前回のプレシーズンから、1スナップもプレーしていない。ただただ興奮して楽しみにしているし、その時に備えて準備を確実に整えている」と続けた。
【RA】