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スーパーボウルでのチーフス再戦に「燃えている」とイーグルスQBハーツ

2025年02月05日(水) 12:06


フィラデルフィア・イーグルスのジェイレン・ハーツ【AP Photo/Brynn Anderson】

カンザスシティ・チーフスがAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでバッファロー・ビルズを32対29で下した瞬間、第59回スーパーボウルはNFL屈指の強豪同士による再戦となることが決まった。

2年前、チーフスとフィラデルフィア・イーグルスはNFL史に残る激闘を繰り広げた。ハイレベルな攻防の末にチーフスが勝利を収め、その後のスーパーボウル連覇へとつながる1戦となった。そして今、チーフスはスーパーボウル時代で初めてとなる3連覇という偉業に挑もうとしている。

当時の主力選手の多くが今も残っている。チーフスとイーグルスを合わせて27人の先発メンバーが第57回スーパーボウルから変わっていない。とはいえ、2年前とまったく同じチームではなく、シーズンも異なる。

「同じロースターではない」と、イーグルスのコーナーバック(CB)ダリウス・スレイは第59回スーパーボウルのオープニングナイトで語った。

「俺たちは2022年のロースターではなく、2024年のイーグルスだ。だから、同じロースターではない。これは今の俺たちにとっての大一番で、全員が楽しみにしている」

まさに大一番。そしてスレイが言うように、これは2024シーズンの最後の試合でもある。現地9日(日)が終われば、どちらのチームにも次はない。

チーフスにとって、この舞台はもはやおなじみの環境だ。第57回スーパーボウルではイーグルスを振り切って勝利し、翌年もスーパーボウルの舞台に戻ると、第58スーパーボウルでは延長戦の末にサンフランシスコ・49ersを下した。同じ相手との再戦という点でも、今回と共通している。

イーグルスもまた、この舞台をまったく知らないわけではない。2年前にフェニックスで得た経験を活かし、ニューオーリンズでの1戦に挑む構えだ。

「本当に多くのことを学んだ」と語るのは、イーグルスのクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツ。

「どんな試合でも同じで、大事な瞬間はあるけれど、結局のところすべての試合が何かを教えてくれる。良いこともあれば、悪いこともあるし、どうでもいいこともある。でも、そのすべてを吸収し、成長し、より成熟して次のシーズンや次の試合に臨むことが大切だ」

「この対戦は自分にとって大きな原動力になっている。俺の中で炎が灯り、気持ちは燃えている。そして、再びこのチャンスを得られることこそが、自分が努力を続けてきた理由だ」

イーグルスはすべてのチームがそうであるように、目の前の挑戦を歓迎している。

チーフスは依然としてQBパトリック・マホームズ、タイトエンド(TE)トラビス・ケルシー、ディフェンシブタックル(DT)クリス・ジョーンズを中心に構築されたチームだ。しかし、どのチームにも言えることだが、全体の特徴は変化している。今回のスーパーボウルが、2022年シーズンの砂漠での対戦をそのまま再現するわけではない。

とはいえ、過去の対戦経験が役に立つ場面もあるはずだ。イーグルスのワイドレシーバー(WR) A.J.ブラウンは、日曜日にシーザーズ・スーパードームで相対する相手について、ある程度の予測ができていると語る。

「彼らのDNAは変わっていないはずだ」とブラウンは言う。

「何人か同じ選手が残っているし、新しく加わった選手もいる。でもDNAは…それが彼らの本質だ。そして、それは変わらない。どんな試合になろうと、タフな戦いになるのは間違いない」

前回の経験のおかげで、イーグルスの選手たちはスーパーボウルという大舞台に対する特別な意識を和らげることができたようだ。ただ出場できたことを喜ぶような初々しいチームではない。スレイをはじめ、初のスーパーボウルで貴重な学びを得たベテランもいる。

今回のスーパーボウルは出張だとスレイは話している。

「前回は結構楽しんでいた。いや、“楽しんでいた”というよりも、周りの雰囲気を味わおうとしていた」と、スレイは第57回スーパーボウルを振り返る。

「でも今回は2回目だから、“よし、集中するぞ。完全にスイッチを入れる”という感じだ。前回も試合ではしっかり集中していたけど、今回はさらに徹底する。家族にも“試合が終わるまで会えない”と言ってある。ホテルで一緒にくつろぐ時間なんてない。今回はそんな余裕はないんだ」

オフェンシブタックル(OT)レイン・ジョンソンのように、これがスーパーボウル3度目の出場となるイーグルスの選手もいる。彼らはこのチャンスがいかに貴重なものかを理解しており、日曜日の夜に「あの時にこうしていれば」と悔やむことだけは避けたいと考えている。

ジョンソン自身、第57回スーパーボウルでの敗戦後に十分すぎるほど悔しさを味わった。

「振り返ると、あの試合にはやり直したいプレーがいくつもあった」とジョンソンは語った。

「でも、チーフスが築き上げてきたものには敬意を払うべきだ。彼らは過去6年で5回もここに来ている。今年は、チーム全体でもっと集中できるはずだ」

スーパーボウルで戦うチームにとって、集中力は何よりも重要だが、それを必ずしも発揮できるとは限らない。ただ、イーグルスの選手たちはこの舞台で何をすべきかを理解しているようだ。オープニングナイトでは、スーパーボウル経験者らしい貫禄を漂わせていた。

イーグルスは今回こそ、その経験がより良い結末につながることを願っている。

【R】