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G.O.A.T.の称号にこだわらないチーフスQBマホームズ、「チームのレガシーの方が大事」

2025年02月05日(水) 12:36


カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ【Kevin Sabitus via AP】

29歳のパトリック・マホームズは“G.O.A.T.(史上最高の選手)”の称号を手に入れる道を歩んでいる。

カンザスシティ・チーフスのクオーターバック(QB)であるマホームズはチーフスで歴史に名を刻む道を歩みながらも、それについて考えることには興味がないようだ。

現地3日(月)、マホームズは第59回スーパーボウルのオープニングナイトで「いや、俺はただ自分がなれる最高のパトリック・マホームズになろうとしているだけだ」と語った。

「誰もが自分の仕事で最高の存在になることを目指すのは当然だと思うけど、それを実現するには、毎日、できる限り最高の自分にならなきゃいけない。それがフィールドでの取り組みや仕事に対する姿勢であっても、父親や夫としての役割であっても、俺はその中で最高の状態になろうとしている。フットボールを終えるときに、成果やメンタルの面で、これまでと同じように全力を出し切ることができていたら、その結果には満足できると思うし、誰がどの仕事で最高なのかを議論するのは他の人に任せようと思う」

日曜日に行われるフィラデルフィア・イーグルス戦で勝利すれば、マホームズは30歳の誕生日を迎える前に4つのロンバルディトロフィーを掲げる最初のクオーターバックとなる。

大一番の結果に関係なく、マホームズはトム・ブレイディやジョン・エルウェイと並び、5回以上のスーパーボウルで先発を務めた史上3人目のクオーターバックになる見込みだ。また、マホームズは30歳になる前にそれを達成する初めての選手にもなる(ブレイディは34歳、エルウェイは38歳で達成)。

マホームズはそれを個人の成果ではなく、チーム全体の成果だと捉えている。ブレイディを超えてG.O.A.T.になることも、支配的なチームの永続的な証になるだけだ。

「チームのレガシーの方が大事だ」とコメントしたマホームズはこう続けている。

「俺たちはものすごく努力して頑張ってきたから、カンザスシティで築き上げたチームとして覚えられたいと思っている。自分のレガシーについてはあまり考えたことがない。一緒にプレーしてきた仲間たちがこのチームにどのような足跡を残してきたかについて考えているし、自分たちがやってきたことで覚えられたいと思っている」

史上初の3連覇を目指すチーフスには批判的な意見も多い。月曜夜、マホームズは“悪役”になることを何度も否定し、人々が勝者を嫌うのであれば、それは彼らの問題だと語った。

「チームが悪役であることを受け入れているとは思わない」とマホームズは話している。

「俺たちは自分たち自身を受け入れているし、正しい方法でプレーしていると信じている。心を込めて、情熱を持ってプレーしていると信じているし、そうやって試合に勝ってきた。試合に勝つことで悪役になるんだったら、これからもそれをやり続けてやるさ」

これまでにスーパーボウルMVPに3度輝いたマホームズは、かつてニューイングランド・ペイトリオッツが何十年にもわたって走り続けてきた道のりを今まさに経験している。それと同時に、倒せないように見える巨人に対する一部のファンの苦々しい思いもよく理解しているマホームズは、次のように語った。

「それは楽しいだけだ。俺もその1人だったからね。俺は(ダラス)カウボーイズのファンとして育って、ペイトリオッツが嫌いだった。何よりも、今はペイトリオッツが成し遂げたことの素晴らしさを理解している。あれだけのことを成し遂げるのがどれだけ難しいかを見てきたしね。でも、俺たちはただ試合に出て、自分たちが愛するゲームを自分たちが正しいと思う方法でプレーするだけだ。あとのことはすべて雑音みたいなもんさ。みんなに素晴らしいパフォーマンスを見せられることを願っているし、俺たちがゲームに対して抱いている愛情をみんなにも感じてもらえるはずだ」

ブレイディを超えるためには、マホームズは勝利を積み重ねていかなければならない。

これまでにプレーオフで17勝(歴代2位)を挙げ、3度のスーパーボウル制覇を達成してきたマホームズだが、TB12の愛称で親しまれるブレイディ(ポストシーズン35勝、スーパーボウル制覇7回)には大きく差をつけられている。しかし、日曜日に勝利すれば、マホームズはキャリアの早い段階でその差を縮めることができる。

マホームズが現在G.O.A.T.とされているブレイディから学んだのは、長年にわたって勝ち続けることだ。

「偉大な選手たちを見てきて、何よりも大切なのは勝つことだと思っている」とマホームズは強調している。

「簡単に聞こえるかもしれないけど、自分のチームと一緒に勝つことができるのは特別なことだし、それこそが偉大な選手たちがやってきたことだと思う。トム・ブレイディから一番学んだのはそれだ。彼はフットボールの試合に勝つために必要なことは何でもした。それこそがクオーターバックとしてあるべき姿だし、俺はそれをキャリアを通じて学んできた」

【RA】