ブロンコスCBパトリック・サーテイン2世が2024年AP通信ディフェンス部門年間最優秀選手賞に
2025年02月07日(金) 12:28![](https://nfljapan.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wp-content/uploads/2025/02/07115918/AP25038093706210.jpg)
デンバー・ブロンコスのコーナーバック(CB)パトリック・サーテイン二世が、2024年AP通信NFLディフェンス部門年間最優選手賞に選ばれた。現地6日(木)、『NFL Honors(NFLオナーズ)』で表彰されている。
サーテインは投票で1位26票、ポイントでは330ポイントを稼いでおり、シンシナティ・ベンガルズのパスラッシャーであるトレイ・ヘンドリックソンが205ポイントでそれに続いた。昨シーズンのウイナーであるクリーブランド・ブラウンズのマイルズ・ギャレットが162ポイントで3位に入っている。ピッツバーグ・スティーラーズのT.J.ワット(114ポイント)、フィラデルフィア・イーグルスのザック・バウン(63ポイント)がそれぞれ4位と5位につけた。
2010年以降で、この賞に選ばれたディフェンシブバック(DB)はサーテインで2人目となる。その前に選ばれたのは、ニューイングランド・ペイトリオッツの選手として2019年に表彰されたスティーブン・ギルモアだ。サーテインのNFLにおける4シーズンの中で、レシーバーたちにとって“サーテインアイランド”を訪れるのは孤独な経験だったが、サーテインのこれまででベストシーズンになった2024年は、それはさらにゲームから隔離された体験だったと言える。
コーナーバックがこの賞を勝ち取るには、投票者を惹きつけるだけのビッグプレーが必要になる。だが、多くのチームはそういった方向性を避けるため、なかなか実現できないことだった。サーテインは2024年にそれをやってのけ、あと1票あれば、オールプロのファーストチームに満場一致で選出されるところだった。
サーテインは先発16試合で4つのパスをインターセプトし、パスディフェンスは11回、フォースドファンブル1回、リカバリー1回、タックルフォーロス1回を記録。インターセプトのうち2回はラスベガス・レイダース戦で決めたものであり、サーテインはその片方をリターンして100ヤードを走り、タッチダウンにこぎつけている。シーズン第5週に組まれていたこの試合で、ブロンコスは34対18での勝利を手にした。
それでも、サーテインが今季にビッグプレーを決めるチャンスは、このポジションにいるどの選手よりも限られていた。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、サーテインは今季のカバレージスナップの10.9%でしかターゲットになっていない。これは300回以上のカバレッジスナップがあった83名のコーナーバックの中で最も低い割合だ。
サーテインはこれらのターゲットのすべてで、レシーバーにキャッチを許していない。516回のカバレッジスナップの中で、最も近いディフェンダーとしてサーテインが相手に許したのは306ヤードであり、カバレッジスナップあたりは0.6ヤードとなっている。これは同じグループのコーナーバックたちの中で、2番目に低い数字にあたる。
また、サーテインは誰でもカバーしていたわけではない。サーテインが対峙したのは、ほぼ毎回、ベスト中のベストの選手たちだった。サーテインが対峙した相手にはD.K.メットカーフ、マイク・エバンス、ギャレット・ウィルソン、ジャコビ・マイヤース、ジェリー・ジューディー、ジャマール・チェイスらがいる。今季のどの試合でも、サーテインは50レシービングヤード以上を相手に与えなかった。
サーテインはマンカバレッジに秀でており、それが強みだと見られていた。しかしながら、ゾーンでもそれに引けを取らず、許したパサーレーティングは46.6にとどまっている。『ネクスト・ジェン・スタッツ』によれば、これはこういったターゲットでカバレッジおける直近のディフェンダーとして20回以上ターゲットになったコーナーバックの中で、最も少ない数字だという。
元チーフスおよびドルフィンズのコーナーバックで、11年の恐ろしいまでのキャリアでレギュラーシーズンのインターセプト37回を積み上げた父パトリックの存在を踏まえれば、納得の実績かもしれない。その息子である24歳のサーテインは、2021年NFLドラフトの全体9位で指名され、過去2年でプロボウルに選ばれたほか、2022年にはオールプロのファーストチームに指名されている。ブロンコスはこの働きに応え、9月に4年9,600万ドル(約145億4,336万円)の延長契約を締結。サーテインの方も、これまでで最高のシーズンによって、それに応えた形だ。
ブロンコスはシーズン第18週にカンザスシティ・チーフスを倒し、2015年以降で初めてのプレーオフ進出を果たした。サーテインがそれに大きく貢献しており、ブロンコス守備陣は多くのカテゴリーでトップ10にランクインしている。その一部を取り上げれば、被得点(3位)、被獲得ヤード(7位)がある。
ブロンコスの選手がこの栄誉に浴するのは、 “オレンジクラッシュ”を率いたラインバッカー(LB)ランディ・グラディシャーが1978年に受賞して以来のことだった。
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