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「誰がボールを投げようと、俺は必ずプレーを決める」と語るバイキングスWRジェファーソン

2025年02月16日(日) 09:23


ミネソタ・バイキングスのジャスティン・ジェファーソン【Peter Joneleit/AP Images for the NFL】

ミネソタ・バイキングスはクオーターバック(QB)に関する方向性を定めるために今オフシーズン早々に決断を下さなければならないチームの1つであり、まだいくつかの選択肢が残っている状態だ。

2024年に先発を務めたQBサム・ダーノルドをチームに残すべきか、それとも、有望だが経験不足のJ.J.マッカーシーを先発に据えるべきかという議論が続く中、ワイドレシーバー(WR)ジャスティン・ジェファーソンは自分がその選択をしなければならない立場になくてよかったと話している。

『Athlon Sports(アスロン・スポーツ)』のダグ・ファラーによると、ジェファーソンは最近、「ラッキーなことに、それは俺が決めることじゃない」と語り、こう続けたという。

「俺はすべての決定が下されるのをじっと待つつもり。ただ自分らしくそこにいて、やるべきプレーをやるだけさ。もしサムを呼び戻すなら、チームがどうするのか楽しみだ。もちろん、J.J.にもプレーするチャンスがあるだろうし、彼が先発になるかどうかを見ていくことになるだろう」

2024年に先発を務めたダーノルドは、それまでのキャリアで示してきたものとは比べものにならないほどの力を発揮してバイキングスを第1シード獲得の瀬戸際まで導いた。現在27歳のダーノルドはフリーエージェント(FA)市場で貴重な人材として高額契約を勝ち取る可能性がある。ただし、それはバイキングスがダーノルドと新契約を結ばなかった場合の話だ。

ダーノルドとバイキングスにとって、状況を複雑にしているのはシーズンの終わり方だ。シーズンの大半で見せていた印象的なプレーとは裏腹に、ダーノルドは最も重要な場面でキャリア序盤の低迷期に逆戻りしたかのように見え、デトロイト・ライオンズとのレギュラーシーズン最終戦とディビジョナルラウンドのロサンゼルス・ラムズ戦の両方で不甲斐ない結果を残した。それがFA市場やバイキングスにおけるダーノルドの評価にどう影響するかは現時点では不明だ。

ヘッドコーチ(HC)ケビン・オコンネルは先日、ダーノルドが来シーズンにスーパーボウル制覇を目指すバイキングスの一員になると考えていると示唆して事態をより複雑にしたが、その後にまだ決定は下されていないと強調し、自身の発言をやや撤回している。

議論のもう一方には、昨年のドラフトでバイキングスから1巡目指名されるも、プレシーズンに半月板を断裂してレギュラーシーズンの全試合を欠場したマッカーシーがいる。現在も回復途中のマッカーシーは、フィールドに戻った際には先発の座を獲得するための“公平な機会”が欲しいと述べてきた。マッカーシーがプレシーズンでの限られた機会で見せたパフォーマンスは有望なものだったが、それだけでダーノルドがFAとしてチームを去ることをバイキングスが認める理由になるのだろうか。

ジェファーソンは検討する際にバランスをとることの難しさと、今回の決断がチームの今後の成功に大きな影響を与える可能性が高いことを認識している一方で、誰が司令塔を務めようと自分は素晴らしいパフォーマンスを発揮できると信じることにしている。

「サムに関してどんな決断を下すのか、これからどんな動きをするのかはまだはっきりとは分からないけど、俺は常に自信を持っている」とコメントしたジェファーソンは「誰がボールを投げようと、俺は必ずプレーを決める」と続けた。

近年のバイキングスのQBポジションは不安定だったにもかかわらず、スターWRのジェファーソンは自身の安定性を裏付けるパフォーマンスを見せており、5シーズンすべてで1,000ヤード以上を記録してきた。それには、4人の異なるクオーターバックが先発を務める中でプレーすることを余儀なくされ、自身のケガによって10試合の出場にとどまった2023年シーズンも含まれている。そうした中でもジェファーソンは試合平均107.4ヤードを獲得し、1,000ヤードの大台に到達。その事実は、少なくともジェファーソンにとってはパスを投げる人物が最も重要な要素ではないという主張に信憑性を与えていると言えよう。

ダーノルドが新契約を手に入れることなくFA市場に出るまで1カ月を切った中で、バイキングスはすぐにでも決断に向けた第一歩を踏み出す必要がある。

【RA】