バイキングスはQBダーノルドにフランチャイズタグを使用しない見込み、両者は今後の選択肢を模索中
2025年03月04日(火) 14:22
ミネソタ・バイキングスはフリーエージェント(FA)期間に向けてクオーターバック(QB)サム・ダーノルドの権利を制限するつもりはない。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが現地3日(月)夜に状況を知る人物の話をもとに報じたところによると、バイキングスが火曜日の期限までにダーノルドにフランチャイズタグを使用する見込みはないという。
すべての関係者がダーノルドをバイキングスにとどめるための選択肢を検討していると、ラポポートとペリセロはつけ加えた。
この決定はヘッドコーチ(HC)ケビン・オコンネルがオフシーズンを通して語ってきたこと、すなわち、ダーノルドがオープンマーケットで自分の価値を知る権利を得たという見解と一致している。
クオーターバックの非独占的フランチャイズタグの金額は4,024万2,000ドル(約60億0,290万円)だ。この1年契約の金額はバイキングスがダーノルドをもう1シーズンつなぎ役として起用するには高すぎるのかもしれない。
オコンネルHCはNFLスカウティングコンバインの場で、2024年ドラフト1巡目指名を受けたJ.J.マッカーシーについて言及。プレシーズンに膝を負傷してルーキーシーズンを棒に振ったマッカーシーは、オフシーズンプログラムに向けて順調にリハビリを進めていると明かした。
バイキングスは昨年からダーノルドを維持したいと考えていることを明らかにしてきたが、マッカーシーの存在により、ダーノルドが大型の長期契約を結ぶ可能性は低くなっていた。キャリア最高のシーズンを終えたばかりのダーノルドは、フリーエージェント市場で最高のクオーターバックとして大型契約を手に入れられるかもしれない。今年のドラフトではクオーターバックが手薄だと考えられていることもあり、27歳のダーノルドは交渉を有利に進められる立場にある。
ドラフト全体3位指名を受けたダーノルドは、ニューヨーク・ジェッツでのキャリアが期待外れに終わった後、カロライナ・パンサーズからサンフランシスコ・49ersへと渡り、昨オフシーズンにバイキングスと1年契約を締結。オコンネルHCがパス重視のオフェンスを指導する中、NFLで最も高給取りのワイドレシーバー(WR)ジャスティン・ジェファーソンと共に素晴らしいシーズンを過ごしたダーノルドは、パスヤード(4,319ヤード)とタッチダウン数(35回)、パサーレーティング(102.5)でキャリアハイを更新した。
バイキングスがワンスコア差の試合を次々と制するのに貢献したにもかかわらず、ダーノルドはシーズン終盤に苦戦。シーズン第18週にブリッツを多用したデトロイト・ライオンズに惨敗した後、ワイルドカードラウンドのロサンゼルス・ラムズ戦で再び大敗を喫した。プレーオフ進出チームとの試合で連続して苦戦を強いられたことは、フリーエージェント市場での評価にも影響を与える可能性がある。
オープンマーケットで大型契約を手にするチャンスを得られなければ、キャリア8年目を迎えるベテランのダーノルドにとってバイキングスは手堅い選択肢となるだろう。ダーノルドはマッカーシーと先発の座を争うことになり、マッカーシーの体調面の準備が整っていなければ、熟知している上に快適に感じているオフェンスを引き続き指揮することになる。ダーノルドのキャリアがどのように始まったかを踏まえると、その選択肢はジェッツ時代を経て多くの人に見放された選手にとって最悪のものではないだろう。
【RA】